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スローライフ悪役令嬢は、王子の溺愛に気付かない。  作者: ラズベリーパイ@天安門事件


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どうしてこうなった

 こうして、気づけば私が村おこし用のケーキを作ることになっていた。

 今日はシルフにお菓子を渡して喜んで貰おうと思っていたら、こうなっていた。

 どうしてこうなった。


 とりあえず今後どうするか考えてくるといった話になり、その日はクロトとサナも家を後にした。

 夕暮れ時というのもあってシルフが私を家に送ってくれるらしい。


「シルフが送ってくれるなら安心ね」


 と私が言った時、一瞬クロトとサナが沈黙していたような気がしたが、すぐにそうだねと二人してやけに大きく頷いていた。

 そして私はシルフに手を繋がれて別荘に戻っていく。

 その間しばらく何も話さなかったのだけれど、私は気になって聞いてしまった。


「突然ケーキを作ろうなんて言われて驚いたわ」

「こういう事は、即断即決すべきだよ。俺はリズのケーキが食べたいし、リズの笑顔もケーキと同じくらい大好きだ」

「……自分の欲望ばかりね。でも、そう言ってもらえると元気が出るかも」


 そう答えながら、やっぱり、婚約破棄はどうでもいいわと思っているけれど心の中で、私は傷を負っていたのだろう。

 衝撃を受けすぎて、悲しいと思う気持ちすら私の中では消えていたのかもしれない。

 そんな沈んだ感情をもしかしたならシルフは見抜いてくれていたのかもしれない、と思うのは考え過ぎだろうか?


「でも、シルフが私を思ってくれたのは事実。そして私を必要としてくれている人がいるのなら、私は挑戦してみたいかな。早速料理人に話を聞いてみるわ」

「それもいいけれど明日の朝、村の市場があるらしいから見に行くのはどうかな?」

「いいかも!」

「じゃあ明日の朝迎えに来るよ」

「うん」


 そう言った話をして私は別荘に着き、シルフと別れる。

 それから戻ってきて今日の話をすると、私付きメイドのヘレンにもぜひやってみるといいと進められて気分よく私は彼女と別れる。けれど、


「……そのクロトとサナという人物、調べる必要があるようですね」


 ヘレンが小さく呟いたことなど、私は全く気付かなかった。


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