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村おこし

 サナがお湯を沸かしてお茶を淹れる。

 甘い香りのする茶葉は、私が好きなこの国の南方で採れる“フエル茶”のようだった。

 美味しいわと思いながら口にしていると、そこで村長のカルが、


「実は、今日、お願いに来たのは、“村おこし”の件なのです」

「村おこし、ですか?」


 村長のカルがいうのを聞きながらクロトが反芻する。

 だがそれはもっともなんかもしれない、と思っているとクロトが、


「私達はこの村に来たばかりの新参者です。そんな私達に“村おこし”という大役が務まるかどうか……」

「いえ、この村にずっと住んでいない貴方方だからこそ、お願いに来たのです」

「と、いいますと?」

「我々はずっと村にいることが多く、村の“良い部分”を見つけることが出来ません。当たり前になっていますから。ですから外から来た貴方方に何処がこの村の良い所なのかを見つけて欲しいのです」

「なるほど」

「そして、お二方は都市から来たと聞いております。何分都市から離れたこの村では都市の流行や何が好まれるのかが分からないのです。ですがお二方ならそれを知っているのでは、と思いまして」


 そこで喉が渇いたのかお茶を一口飲み、村長のカルがクロトの方を見ながら、


「ですから、ぜひお力を貸していただきたいのです。村おこしはここ近辺の村全てやっており、ある程度人気を博しているようです。隣の村は……」


 といった話を延々としばらく村長はしてから深々とため息をつき、


「この村だけは、そういったとても有名な名産品がないのです。野菜や果物が美味しいのは静かな人気でありますが、もっと知名度が上がるようなものが欲しいのです」


 そう、村長のカルは言って再びのどを潤すためだろう、茶を一口飲んだのだった。

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