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“忘れられない”


 サナが、私の能力を調べるために“鑑定スキル”を使うらしい。

 それでも祝福を見分けられる程度の、強い“鑑定スキル”となると、


「かなり珍しい能力ですね。確か、“リザール国”の男爵令嬢が、そのような稀有な“鑑定スキル”を持っているといった話は聞いた事がありますが、そのような能力がサナにはあるのですか」

「……リズさん、その男爵令嬢の名前はご存知ですか?」

「いいえ、国が離れていますし、そういった令嬢がいるといった話しか私は知りません。それも誰かと世間話をしたときに聞いた程度ですから」

「そう、ですか。所で一つお聞きしたいのですが、リズさんはどこかのご令嬢、貴族なのですか?」


 妙な質問に私は少し考えてから、どうせこの小さい村なのだからすぐに知れ渡るだろうと気付き、


「はい、私はスターシア公爵ガイルが娘リズと申します。お見知りおきを」

「こ、公爵令嬢リズ……確か長くなびく銀髪は涼やかな風のごとく、その紫の瞳は宝石のように輝きながら理知的だった、と聞いています。さながら花や磨かれた宝石のような美しさを纏う美少女とかなんとか……なるほど」

「え、えっと、何がなるほどなのでしょうか」


 私はサナが頷くのを聞きながら、そう聞き返すと、


「聞いていた通りの美しい方だなと。これは、一目見ただけで“忘れられない”でしょうね」

「? そうなのですか?」

「ええ」


 そう言ってサナは、ちらりとシルフの方を見る。

 シルフがどうしたのだろうと思って私が見上げると、いつものようにシルフが微笑んでいるだけだった。

 結局私にはよく分からなかった。


 そこでサナが、


「では失礼します」


 そう言って私の額に手を触れたのだった。

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