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祝福のような魔力

 今日作るのは蒸しケーキ。

 お手軽なおやつで、子供の頃、庶民のおやつとして町に連れて行ってもらった時に食べさせてもらったそれは、とても美味しかった。

 後で家の菓子職人に教えてもらった記憶がある。


 材料も少なく調理もそれほど難しくない。

 でもこういったものの方が、貴族ではない人たちには馴染があるだろうと思ったのだ。

 つまり、よく知っている“味”なので区別がつきやすい。


 しかもシンプルである面もあるので、味の差が分かりやすいだろう。

 だからこれを作ればお断りされるだろうというのが私の考えだった。

 というわけで、ボウルに小麦粉などを入れていき、まぜまぜまぜ。


 今回は緑色の光が出てきた。

 作っているタネが輝いて、緑色に光るのを目撃しながら私は、


「今日はちょっと果実の香りがするのかな。……どうしたの真剣な目で私の材料を見て」


 そこで光輝くタネをシルフが真剣な目で見ている。

 いつもはにこやかな分、こうした表情をすると精悍で理知的に見える。

 私が見たことのある物と違うシルフの様子に、一瞬私は魅入られてしまう。


 そこで、サナとクロトがのぞき込んできた。

 そしてサナが、


「こ、これは何ですか!?」

「え? いつもこうなるけれど、こういうものではないのかしら。光ったりとか」

「……祝福のような魔力を感じます。精霊にも愛されるような、そんな優しい魔力……お菓子作り以外で発現したことはありますか?」

「……分からないわ。でも料理人の人も含めてお菓子作りの職人の人も、うっすらと私ほどではないけれど光っていたし」


 以前教えてくれた菓子職人の事を思い出しながらそう答えるとサナは少し黙ってから、


「“鑑定スキル”で貴方の能力を見せて頂いてもよろしいですか?」


 そう、サナが聞いてきたのだった。

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