甘い夜
少しだけ、エロ表現があります。
苦手な方は、回避してください。
その日、私は、護の家に止まることになった。
護が、作った夕飯を久し振りに食べた。
「相変わらず、美味しいー」
「口にあってよかった」
って、ホッとした様子。
「ねぇ、護。何をそんなに緊張してるの?」
さっきから、護の顔が強ばってるんだよね。
「エッ・・・。ああ、久し振りに作ったからかな・・・」
って。
本当に、それだけなのかな?
「詩織、本当に泊まっていってくれるのか?」
おどおどしながら聞いてくる。
「そんなこと言うなら、食べたら帰るよ。明日は、朝から講義入ってるし・・・」
意地悪な言い方をしてみた。
「いや・・・。泊まってて欲しい!」
珍しく、強気だなぁ・・・。
「泊まるのはいいとして、着替えが無いよ」
「その心配はいらないよ」
意味深なことを言う。
「部屋のクローゼットを開けてみな」
護が言った。
食後。
食器を片付けた後、自分の部屋だったところのクローゼットを開けた。
そこには、真新しい服が、二・三着置いてあった。
「その服、詩織に似合いそうだと思って、買って置いたんだ。パジャマもあるけど・・・。詩織は、パジャマより部屋着だったなって思い出して、買っておいた」
いつの間に・・・。
「なぁ、一緒にお風呂入ろ?」
護が、背中に抱きついてきた。
エッ・・・。
そんな急に言われても・・・。
「ダメか・・・」
甘えた声で、言ってくる。
「・・・いい・・・よ」
ってしか、言えないじゃんか・・・。
「じゃあ、行こう」
護が、私の背中を押す。
「まって・・・。準備したらいくから、護、先に行ってて・・・」
私が言うと。
「わかった。早く、来いよ」
そう言って、先に行ってくれた。
どうしよう・・・。
もう、胸が、バクバクいってる。
って、早く行かないと、護、怒るよね。
私は、部屋着と下着を持って、脱衣所に向かった。
着替えをバスケットの中に置いて、脱いだ服を畳んで、その横に置いた。
「護、入るよ」
中に居るはずの護に声をかける。
「ああ」
中から護の声がした。
すりガラスの戸を開けて、中に入る。
護が、私の方を直視してくる。
「ちょ・・・。あんまり見ないで・・・」
慌てて、自分の体を隠す。
「あんまりも綺麗だから、見とれていた」
って・・・。
「そんなこと言っても、何もないよ」
「・・・ん。あるじゃん」
って、答えられてしまった。
何が、あるんだろう?
「詩織自信が・・・」
って・・・。
それは、やっぱり、そういうことだよね・・・。
「早く、入って来いよ」
焦れたように言う。
私は、かけ湯をして湯船に入る。
「詩織、こっちに来て・・・」
護が、私の腕を引っ張る。
すると、護の足の間に座る体制になった。
護の腕が、私のお腹に回ってきた。
「詩織。やっと、本当にオレの所に戻ってきてくれたんだな」
護が、私の肩に顎をのせて、耳元で囁く。
「護・・・」
「詩織。オレに背中預けてもいいよ。その体制は辛いだろ」
護が、私の身体を楽な姿勢にさせた。
「ねぇ、護。一つ聞きたいんだけど・・・」
「何だ?」
「この家に女性をあげたことは?」
「それは、無い。唯一あるのは、お前が勘違いしてた女だけ。他の女は、あげたこと無い」
真剣な声にホッとする自分が居る。
「じゃあ、一緒にお風呂に入った事は?」
って、聞いちゃった。
「お前、一つって言ったじゃんか」
護が、苦笑する。
「だって、気になるんだもん」
「無いよ。こうやって、一緒に入るのは、詩織だけかな」
って、ちゃんと答えてくれた。
私は、そんな護の頬に口付けた。
「詩織。そんな煽るなよ。ブレーキがきかなくなる」
エッ・・・。
ちょっ、何するつもり・・・。
「・・・いいよ・・・な」
そう言ったかと思ったら、唇を塞がれた。
「・・・ん・・・、うっ・・・」
「詩織、口開いて」
護に言われて、素直に従う。
するとそこから、護の熱が、注がれる。
「う・・・んっ・・・」
舌が絡み合う。
場所が場所なだけあって、響く。
唇が離れる。
「詩織。・・・エロッ」
護が、私の首筋に顔を寄せてきたかと思うと。
そこに口付けられ、チクリと痛みが走る。チューっとリップ音をさせて、離れる。
護の手が、下から這い上がってくる。
「ちょ・・・」
「なに?ダメなのか?」
「そうじゃ・・・」
「じゃあ・・・」
そう言いながら、耳朶を甘噛みする。
「・・・っ・・・」
「相変わらず、ここ弱いな」
そう言いながら、私の敏感なところをまさぐっていく。
「あっ・・・。護・・・」
ヤバイ。
このままじゃ、のぼせちゃうよ。
「詩織、大丈夫か?」
護も気付いたのか、心配そうな声をあげた。
「ベッドに行くか・・・」
護の言葉に頷いた。
水滴を拭うと、そのまま、護のベッドに入る。
「詩織。いいよな?」
護の掠れた声と甘い囁きに頷いた。
「いいよ。護なら・・・、何度でも・・・」
口から出ていた。
「詩織。その言葉、後悔するなよ」
妖艶な笑みを浮かべ、私を慈しむように抱く。
護から、解放された時には、朝日が昇ろうとしていた。
私は、そのまま眠ってしまった。
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皆さんが、読んでくれてるんだと思うと、頑張らないとと思わされます。
これからもよろしくお願いします。m(__)m