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キスマーク

 翌朝。


 カーテンの隙間からさす光で、目を覚ます。


 朝方まで、護に愛されてて、まだ眠い。


 横では、護が気持ち良さそうに眠ってる。


 いつもなら、護の方が、先に起きているのだが・・・。


 そう思いながら、護の頬に口づけをする。


「・・・う・・・うん・・・」


 護が、寝返りを打つ。


 可愛い。


 私は、ベッドから抜け出そうとして、改めて自分の格好に気づく。


 うわー。


 全身にキスマークが・・・。


 私は、恥ずかしくなって、自分を抱き締める。


 護が起きる前に服、着なきゃ・・・。


 そう思って、動こうとした。


「詩織・・・?」


 思いっきり抱き締められて、ベッドに戻された。


 かと思ったら、シーツを奪い取られた。


「綺麗だ。詩織に肌は白いから、よく映えるな」


 満足げに言う。


 私は、恥ずかしくて、顔を会わせられない。


「詩織、こっち見て・・・」


 甘く囁かれる。


「詩織・・・」


 護が、私の頬に手を添えて、前に向けさせられる。


「詩織の顔。マジでピンクに染まってて可愛いよ」


「も・・・もう・・・許して、護。恥ずかしすぎる・・・」


 私の願いも虚しく。


「もう少しだけ、堪能させて」


 甘い声が、耳に届く。


 ・・・・・・が。


 コンコン。


 ドアをノックする音。


「誰だよー」


 護が、気だるそうに言いながら、ガウンを羽織って、出て行く。


 私は、慌ててシーツにくるまる。


 やがて、ドアが開く音がした。


「おはよう、護。朝食、食いに行こうぜ」


 ハイテンションな優兄の声。


「お前、朝から煩い。もう少し、静かに出来ないのかよ・・・」


 護が、うざったそうに言う。


「詩織は、まだ寝てるのか?俺が、起こしてやる」


 優兄が、近付いてくる。


 ヤバイ。


 優兄の事だから、シーツを剥がされちゃう。


 私は、本当に焦った。


「おい、優基。詩織は、起きてるから・・・。支度するから、部屋で待ってろよ!」


 護が、優兄に言う。


「だが、早くしないと・・・」


 優兄が言い淀むが。


「わかったから、取り合えず準備するから、外で待ってろ」


 そう言って、護が優兄を外に追い出した。


「詩織、聞こえてたか?」


「うん・・・」


「さっさと、準備するぞ」


 護が、こっちに戻ってくる。


 私は、急いで服を着る。


 護が、着替えを終わるのを待っててくれている。


「ほら、詩織。こっちに来い」


 呼ばれていくと。


「約束道理、着けてやるよ」


 私のサイドの髪を耳にかけると、昨日プレゼントされたピアスを器用につける。


 着けている間に、護の首に掲げられてるネックレスに目が止まる。


 私があげたプレゼント、着けてくれたんだ。


「護、それ・・・」


「あ、ああ。せっかく詩織がくれたんだからな。着けないと・・・な」


 護が、照れながら言う。


「ほら、終わったぜ」


 護が、私の髪を戻して言う。


「優基達が待ってるから、急ぐぞ」


 護が、私の手を引いて廊下に出た。




「お待たせ」


 廊下で待ってる二人に声をかけた。


「遅いぞ」


 優兄が睨んでくる。


「詩織。首筋のところ・・・」


 里沙が、小声で指を指してきた。


 まさか・・・・・・。


「護。また変なところにつけたでしょ」


「何のことだ」


 惚けられた。


「食べに行く前に、それを何とかしないとね」


 里沙が私の背中を押す。


「隠せるもの持ってきてたかなぁ・・・」


 自分が持ってきてたものを考える。


 これと言って、隠せるようなものは、持ってきていない。


「詩織、これ使って・・・」


 里沙から、ショールを渡された。


「いいの?」


「うん。詩織のその服にも合うだろうしね」


 そう言って、私の首にショールを纏わせる。


「ありがと」


 お礼を言う私に、里沙が。


「いいよ、気にしなくても・・・。それにしても、何でも、そんなに付けらる羽目になったの?」


 里沙が、笑いながら言う。


「実は、昨日は護の誕生日だったのと、旅行の前日護にお預けさせてたので、爆発してしまって・・・」


 何言ってるんだろう・・・。


「そういう事・・・。っていうか、全身に付けられてるの?」


 アハハハ・・・。


 流石に鋭いな。


「知らないよ。明後日までに消えないと、大変なことになるよ」


 明後日?


 何かあったっけ?


 私が、キョトンとしてると。


「明後日は、一・二時間目。球技大会の練習が、入ってるでしょ」


 里沙に言われて。


 あっ・・・。


 不味いよね。


 特に忍ちゃんに見られたら・・・。


 それだけじゃない。


 飛んだときにめくれたりしたら・・・。


 丸見えに・・・。


「もう、そんな顔しない。なるようにしかならないんだからね」


 確かにそうなんだけど・・・。


「ほら、二人を待たせてるんだから、行くよ」


 里沙に背中を叩かれる。


「・・・うん・・・」


 私達は、二人の元に戻った。





 朝食は、バイキングを堪能した。


 護は、朝から、食欲旺盛で、優兄も里沙もビックリしていた。


「今日は、どこに行く?」


 優兄が聞いてきた。


「動物園とかは?」


 里沙が言う。


「こっちにしかいない動物とかいるよね」


 私が、補足する。


「そうだな。そうするか・・・」


 護が、頷くと部屋に戻り、荷物を整えると、チェックアウトして、動物園に向かった。


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