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狂 恐  作者: 藍咲 由那
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イヘン

あれから三日経ったが何も起こらない。

起こらなすぎて不安なくらいだ。

そんなことを思いながら狭い窓から外を眺めると、青い空に一筋の飛行機雲が白い筋を引いていた。

やっぱり少々が言ったことはお茶目な嘘だったのか。

そう思うと少しほっとした。


その時だった。



「うっ!!!」


鉄の味をした何かが体のそこから湧き上がってくるのを感じ、口に手を当ててみると。。


「血。。?」


いや、おかしい。血にしてはゼラチンのように固まっている。

。。。おかしい。


まさか!!

白衣をひっつかみ、実験室を飛び出した。



「おや、結城さんじゃないですか」


少女はマグカップを片手に資料に目を通していた。

その目が俺を見つけるとゆっくりと弧を描いた。まるで待ってましたと言わんばかりに。


「血の塊が出た」


そう言うと少女は嬉しそうに口角をあげた。ひゅおっと開け放した窓から風が入る。


「ふふっ、思った以上の効果だね。血の塊が出たのかい」


「あぁ」


余裕を見せようと白衣のポケットに手を突っ込んで見せるが、内心、とても不安だ。

このまま俺の体は毒薬でじわじわ侵されていくのか。

そう考えると胃のあたりがむしゃくしゃする。

いやだ。まだ生きたい。

死にたくない。


「じゃあ、もう帰る」


俺は知らなかった。この時少女がほくそ笑んでいることに。

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