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すべての密室はツンデレに通ず  作者: 佐倉美羽
二限目 荒ぶ密室

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10/10

第四話 解けたツインテール

 全員が怪しい。一つ言えることは、被害者の部屋には本当に誰も入っていないとしか思えない。なら、本当に自殺なのだろうか。話を聞き終わった先生はすっくと立ちあがった。


「君、現場に戻るぞ」

「はい先生」

「刑事殿はこの宿全体をくまなく調べあげて下さい」

「ぜ、全体ですか!?」

「しらみつぶしに。よろしく頼みます」


 冷える廊下を大股で突き進む先生。その後ろ姿をボクは追いかける。しかし、先生が立ち止まったのは、隣の部屋だった。


「ここだ。調べるべきはここだったのだ」


 目は輝きを増し、頬は蒸気している。そのまま扉を引いて中に飛び込んだ。隣室は現場とまったく同じ間取りだった。入口から見て左手側にデスク、クロゼット。右手側にベッド。小さい暖炉には炭化した薪と灰が込められていた。


「先生、あれ!」


 しかし、それ以上に目を奪われたのは、部屋の天井近くの隅。穴があった。5cmくらいの穴。先生は駆け込み乗車するように部屋の隅へを陣取ると、レシーブの要領で腰を落として、顎をしゃくった。ボクは靴を脱いで、先生の手に足を掛け、そのまま肩に飛び乗った。視界が一気に高くなる。そのまま穴を覗き込む。そこには事件現場にあったクロゼットの天板が広がっていた。


「繋がってます!」

「よろしい。降りてきたまえ」


 ボクは先生の肩から飛び降りる。先生は窓を開けて、軽く身を乗り出す。そして、流れるようにベッドのシーツを見た。


「君、これを見ると言い」


 先生の隣に駆け寄ってベッドのシーツを見てみる。くすんだシーツの上になぜか四角いシミがあった。何かを置いていたに違いない。


「ツインテールは解けたな。後は犯人だ。刑事と話そう」

「はい!先生!」


 そして、ボクたちは再び談話室に戻って行った。

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