後宮での地位確立のため、妃のランキング試験に参加します
「そういえば、この国では試験によって、妃の階級が決まると聞きましたが」
「うむ。
そうらしいな。
時折……なにかしておる」
なにかしておる、程度なんだ?
みんな、あなたの妃としての地位を賭けて戦ってるんですよね?
なんかすごい血生臭い戦いをしているのかもしれませんよ?
そう思う寧々子を見て、王は言う。
「お前なら、特例として、私が昇級させてもよい」
「そういう特別扱いはいけません」
そもそも、そんなことされたら、命とか狙われそうだし。
私の暮らしていた現代で、お姫様になりたいかとか、お妃様になりたいかとか言われたら、正直みんな迷うと思う。
なんか大変そうだからだ。
何処の国でも、お金を湯水のように使うなんて、この時代、できなさそうだし。
国民やマスコミにも怒られそうだし。
そもそも、王族固有の資産だけじゃなくて、国民の血税もあるだろうし。
それに、いろんな義務とか押し寄せてきたうえに、自由とかなさそうだ。
実際、おとぎ話とか読んでも、
素敵なドレスとか着られるのはいいけど。
お姫様になるより、小金持ちくらいの家で暮らした方が自由があっていいじゃんと思っていた。
でも、この時代なら、庶民は食べていくことも難しいとかあるのかもしれないし。
みんなお姫様やお妃様になりたがっているのかも。
そんな明日の暮らしを賭けて、血で血を洗う争いをしている中に、
「私、特例で昇級しましたー」
なんて女が現れたら、殺られるに決まってるっ!
そう寧々子は思っていた。
というか。
今だって、たいした地位でもないのに、王様に寵愛されているとかヤバい。
じゃあ、ランク付けの争いはなんのためにあるの、となってしまうではないですか。
いや、たぶん、俸給の金額や部屋割りを決めるためだが……。
あと、この王様が本当に私を寵愛してくれているのか知らないが。
なんか珍しいから手をつけてみた、くらいのものではないだろうか。
そのうち、飽きられるに違いない。
だったら、宮殿の片隅でネズミとともに暮らすような生活にならないように、ちょっと妃としてのランクを上げておかねばっ――!
「私、試験を受けようかと思うんですけど」
「本気か」
と壁際のジルが口を挟んでくる。
今の地位も失いかねないぞ、と言われ、いや、私、どんだけ信用ないんだ、と思う。
王様はこちらを見て、
「まあ、知識あふれるお前のことだから、大丈夫だとは思うが。
わからないことがあったら、私に訊け」
と言う。
「王様……」
それはズルでは?
と思ったが、王の気持ちは嬉しかった。
「私もわからぬことが多いが」
……王様。
お気持ちだけ、受け取っておきます。
でもなあ~、知識あふれるったって。
なんでもいろいろ聞き齧っただけだし。
そもそも、YouTub◯も現代の本ももう見られないんだよなあ。
そんな不安を抱えながらも、他にすることもないので、とりあえず、チャレンジしてみることにした。




