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第5話「その輝きは金色の光」
「ほいよ」
制服の買い取り交渉を無事に終えた私の手に、ティックお婆ちゃんが何かを乗せた。
冷たくて、ずっしりと重い感触。
「これって……もしかして……いや、もしかしなくても! 本物の金貨ですよね!!?」
「本物の……? 金貨を初めて見るのかい?」
「はい!! 夢にまで見た金貨ですよこれ!!」
「そこまで珍しいものでもないと思うがねぇ……?」
「一般人には夢の塊なんです!!!」
金貨。
異世界ファンタジーに必ずと言っていいほど登場する、あの金貨だ。幾多の主人公が握りしめ、酒場でテーブルに叩きつけてきたあの金貨。それが今、紛れもなく、この私の掌の上で金色の光を放っている。
「本当に金……硬い……光る……!」
「……………」
明かりに向かって金貨を掲げる私を、ティックお婆ちゃんは静かに、遠い目で見ていた。
「ありがとうございましたッ!!」
頭を下げてお礼を言い、出口へ向かおうとすると、お婆ちゃんが声をかけてくれた。
「困ったことがあればまた来な」
「あ、実は……行きたい場所があるんですけど、場所が分からなくて」
「どこに行きたいんじゃ?」
私は振り返り、ニヤリと笑った。
「異世界ファンタジーの絶対定番──《冒険者ギルド》です!!」




