第4話「服屋のティックお婆ちゃんはファンタジー?」
服屋は三階建てのレンガ造り、外壁から突き出た木の看板には白いシルエットの洋服が描かれていた。ヨーロッパっぽくて、なんだかオシャレだ。
「服屋なのにファンタジーを感じてしまう……なぜ……」
いや待って、ここ異世界だから別にファンタジーでいいんだった。うーん。
「ま、いっか!」
カランカラン、とベルが鳴る。
「お邪魔しまーす!」
「あんや、どうしたんだい。一人かい?」
カウンターの奥にいたのは、小柄なお婆ちゃんだった。髪の毛が……緑……? 玉ねぎみたいに頭の上でくるっとまとまっている。背中はクの字に曲がっていて、一瞬大丈夫かなと思ったけど目はしっかりしていてこちらをじっと見ていた。
「はい、一人です」
「ちゃんとした良い子だねぇ」
「……なるほど?」
え、何が?
「服を売りに来たんだね?」
「えっ!? な、なんでわかるんですか! 超能力者ですか!」
「? 超能力とやらは分からんが、話しとればそれくらいは分かるもんじゃ」
「す、すごい……ただ者じゃない……!」
ティックお婆ちゃんはひとしきり制服を観察し、どこからともなく巨大な虫眼鏡を取り出した。30センチはあろうかという大きな虫眼鏡。それが、玉ねぎ……いや、お婆ちゃんの帽子の中からするりと出てきた。
「珍しい素材じゃのう~、何で出来とるんじゃ?」
「えっと、綿とポリエステルが……」
「ほう……ほうほう……」
そしてさらに、帽子の中から飴ちゃんが出てきた。
「……んや、飴ちゃんが欲しいかい?」
「飴ちゃんまで出てくるんですか!?」
「玉ねぎじゃないよ? 髪の毛じゃよ?」
「見てたの髪の毛でしたけど!! でもそれ以上に飴ちゃんの方が!!」
ファンタジー、すごい。




