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第四話☆探偵団のしるし

第四話 ☆ 探偵団のしるし


 田中金属工房の奥は、金属の匂いがした。


 鉄男が机の上に、小さな銀色のかたまりを並べる。


「これが銀粘土だ」


 暁がのぞきこむ。


「粘土なのに銀?」


「焼くと銀になるんだよ」


 鉄男は胸を張った。


「探偵団なんだから、しるしがいるだろ」


 小鳥の目が輝く。


「バッジですか?」


「そうだ!」


 鉄男は紙に形を描く。


 丸いルーペの形。

 その中央に、小さな星。


「ここは星見町だから星のシンボルだ」


 三人は銀粘土をこね始める。


 鉄男は慣れた手つきで形を整える。


「銀は柔らかい。焼くと固くなる」


 小鳥が感心する。


「金属って面白いですね」


 鉄男は得意そうに言った。


「金属なめんな」


 そのとき、工房の戸が勢いよく開いた。


「大変!」


 宝石店のおばさんだった。


「銀の指輪がなくなったの!」


 三人は顔を見合わせる。


 鉄男が立ち上がる。


「任せろ!」


 宝石店のショーケースの中には、指輪が一つ残っていた。


 鉄男はそれをじっと見つめる。


 そして言った。


「……これ、銀じゃない」


「え?」


 鉄男は指輪を指で転がす。


「色が違う。重さも違う」


 鉄男はポケットから小さな磁石を取り出した。


 指輪に近づける。


 カチッ。


 指輪が吸いついた。


「ほらな」


 鉄男が言う。


「ニッケル合金だ。本物の銀は磁石にくっつかない」


 つまり。


 本物の指輪は盗まれ、

偽物とすり替えられていたのだ。


 事件が解決したころ。


 工房の炉から、小さな銀のバッジが三つ出てきた。


 ルーペの形。


 中央には小さな星。


 鉄男が言う。


「これで正式だ」


 小鳥が微笑む。


「暁少年探偵団ですね」


 暁はバッジを胸につけた。


 小さな星が、きらりと光った。


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