50歳
あれから時が流れて、莉子は50歳になった。
今、日本の近海で海藻や海草を再生することに取り組んでいる。
海の生物が二酸化炭素を吸収し、深海に蓄積した炭素を「ブルーカーボン」と呼ぶ。
「ブルーカーボン」とは、地球温暖化や海洋酸性化対策だけではなく、海の生態系にも良い影響を与えると考えられている。
ワカメ・コンブなどの海藻や、アマモなどの海草によって海中に吸収・貯蔵された炭素が地球温暖化を防ぐのだ。
「ブルーカーボン」は地上の樹木が作り出す炭素「グリーンカーボン」の貯蔵量より多いのだ。
最大10倍と言われている。
地球温暖化対策のひとつである。
会社が行っている社会貢献事業のひとつだ。
この部門を作り上げたのは、上原北斗。
ボランティアとして参加する時にも給与が継続して出される。
北斗が夢見た緑の地球。
「このまま何も手を打たなかったら、地球で人類は暮らせなくなるでしょう。
どうか、未来の人類の為に……未来の子の為に……。
ボランティアでの参加を希望する方がいらっしゃることを願っています。」
北斗は会社としても支援することを望んだ。
活動を継続するための資金を「炭素クレジット」購入することで、貢献する。
それは「社会貢献による企業のイメージアップ」に繋がる。
海を見つめていると、北斗の嬉しそうな笑顔を思い出す。




