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有終の美

部長たちに支えられながら部屋を出て行く社長は、一歩前に進むたびに振り返り頭を下げた。

何度も何度も社員に頭を下げて出て行った。

残った総務部長が大きな声で皆に聞こえるように話し始めた。


「良くも悪くも我が社は、職人気質だ。

 その先頭を走って来られたのが社長だった。

 私達はその後ろを走って来た。

 だが、社運が何時までかは分からない。

 不透明だ。

 社長にはお子さんが居られず、三代続いた我が社の顔は消えてしまう。

 後継者会になるに相応しい人物を見つけられずに過ごしてしまったのは、社長だ

 けではない。

 私も、他の部長も同じだ。

 部長たちの年齢は社長と変わらない。

 ここで、新しい息吹を我が社に吹き込む必要があると考えた。

 不安は大きいと思う。

 皆、生活が掛かってるのだからな。

 だが、社長が誰一人解雇しないことを条件に吸収合併を飲んだ。

 その社長の想いを伝えてくれたのは、上原君だ。

 私は感謝している。

 今後は……あの看板を下ろさないといけない。

 看板を下ろすのには、皆の協力が必要だ。

 頼む。有終の美を飾らせてくれ!」

「……当たり前です!」

「やろうな。」

「お客様の所へご挨拶も!」

「そうだ。やらないといけないことが山盛りだ。」


家族だけで始まった株式会社藤森工務店。

社員数が30人に増えても、家族のような社の雰囲気は変わらなかった。

株式会社大東に吸収合併されて、これからも同じ雰囲気ではなくなるだろう。

でも、お客様には「話しやすい。小さなことでも承る。頼りになる。」そんな地域に根差した社でありたいと、社員一同が思った瞬間だった。

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