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第9話 新生・セレス歌劇団、始動! ~トップスター、光臨~

絶望。

それが、今の教室を支配する全ての感情だった。

泣き崩れる者、呆然と立ち尽くす者、静かに怒りを噛み殺す者。誰もが、もう演劇は終わりだと、諦めかけていた。


しかし、その中心で、セレスティアだけが、静かに燃えていた。

その瞳に宿るのは、悲しみではない。

怒りだ。

それも、地獄の業火のような、激しい怒りだった。


(私のファンを傷つけ…)


高熱にうなされるリリアの顔が、脳裏をよぎる。


(私が関わった舞台を汚すなんて…)


無残に破壊された舞台セットが、目に焼き付いて離れない。


(――万死に値するわ!)


セレスティアは、ゆっくりと顔を上げた。そして、うつむく仲間たちの前に、毅然と立つ。


「――顔を上げなさい!」


凛とした声が、教室に響き渡る。

それは、絶望の闇を切り裂く、一筋の光だった。

生徒たちが、はっとしたように顔を上げる。

その目に映ったのは、今まで見たこともないほど、神々しいオーラを放つセレスティアの姿だった。


「ショーはまだ、終わっていないわ」


彼女は、不敵な笑みを浮かべる。


「この舞台、この橘…」


そこまで言って、セレスティアはハッと口をつぐんだ。

危ない、うっかり前世の名前を口走るところだった。

彼女は一つ咳払いをすると、さらに力強く、こう続けた。


「この私、セレスティア・ローゼンベルクが!最高のステージに演出してあげる!」


その言葉は、魔法だった。

絶望に沈んでいた生徒たちの目に、次々と光が宿っていく。

そうだ、まだ終わっていない。この人さえいれば、まだ戦える。


それは、悪役令嬢セレスティアが、初めて「破滅フラグから逃げる」のではなく、自らの意思で「困難な表舞台に立つ」ことを決意した瞬間だった。


彼女の精神が、真のトップスターとして、大きく成長を遂げた瞬間でもあった。



セレスティアの宣言に、クラスメイトたちの心には確かに火が灯った。

しかし、問題は山積みだ。

主役もヒロインもいない。舞台セットもない。

どうすればいいのか。

彼らの顔には、希望と同時に、深い不安の色が浮かんでいた。

この絶望的な状況を、どうやって乗り越えればいいのか。

誰もが途方に暮れていた。

そんな彼らの不安を打ち消すように、セレスティアは、淀みなく采配を振るい始めた。

その姿は、まるで嵐の海を航海する船の船長のように、力強く、そして頼もしかった。


「――王子様役は、私がやる!」


そのセレスティアの一言に、誰もが息を呑んだ。

彼女が王子役をやる。

その言葉が、教室に響き渡った瞬間、クラスメイトたちの顔に、驚きと、そして確信の色が浮かんだ。

現状、彼女以上の適役がいるだろうか。

学園の生徒たちの「王子様令嬢」として、絶大な人気を誇るセレスティア。

彼女が王子役を演じるならば、どんな困難も乗り越えられる。

誰もがそう確信した。

セレスティアの瞳には、舞台人としての揺るぎない自信と、仲間たちの夢を護り抜くという強い決意が宿っていた。

彼女の『脱破滅計画』は、もはや遠い記憶の彼方へと追いやられていた。

今、彼女の心にあるのは、ただ一つ。

最高の舞台を作り上げるという、舞台人としての純粋な情熱だけだった。


「そして、姫役は…」


セレスティアは、にやりと笑うと、隣にいた屈強な騎士に向かって言った。

その視線は、ガブリエルをまっすぐに捉えている。


「ガブリエル、君に頼む!」


「…………ええええええっ!?」


ガブリエルの、人生最大級の驚きの声が、教室にこだました。

彼の顔は、真っ赤に染まり、その瞳は、セレスティアを信じられないものを見るかのように見つめている。

彼の脳内は、完全にパニック状態だった。


ガブリエルは、セレスティアの言葉に、思わずゴクリと唾を呑んだ。

彼の脳裏には、セレスティアが姫役を演じた姿が、鮮やかに再生されていた。

しかし、まさか自分が姫役を演じることになるとは、夢にも思わなかった。


「お、俺が、姫ですか!?無理です!このようなゴツい姫がいてたまるか!セレスティア様!俺は騎士です!姫を護るのが俺の使命です!姫を演じるなんて、そんな…そんなことは…!」


激しく混乱し、顔を真っ赤にして首を横に振るガブリエル。

彼の言葉は、まるで早口言葉のように、口から飛び出してくる。

しかし、セレスティアは、彼の肩をがっしと掴むと、真剣な瞳で、まっすぐに見つめた。

その瞳には、彼の心を揺さぶるような、強い光が宿っていた。


「君しかいない。君のその実直な瞳は、囚われの姫君の悲しみを、誰よりも雄弁に語ることができる。君のその鍛え上げられた肉体は、姫君の強さと、そして、護られるべき可憐さを、同時に表現できるだろう。…私を信じろ、ガブリエル。君は、最高の姫になれる」


その真摯な言葉に、ガブリエルはゴクリと唾を呑んだ。

セレスティア様が、俺を信じてくれている。

ならば、その期待に応えるのが、騎士というものではないか。

彼の心の中で、騎士としての使命感と、セレスティアへの忠誠心が、激しくぶつかり合う。

しかし、最終的に勝利したのは、セレスティアへの揺るぎない信頼だった。


「…セレスティア様が、そうおっしゃるなら。このガブリエル・ナイトレイ、生涯で最も美しい姫になってみせましょう!」


彼は、そう言って力強く頷いた。

その顔は、決意と、そしてほんの少しの喜びで、満更でもないように見えた。

彼の脳内では、すでに自分がドレスを纏い、セレスティア王子にエスコートされる姿が、鮮やかに再生されていた。


その様子を、足を痛めたアレクサンダーが、悔しそうに、しかしどこか誇らしげに見つめていた。

彼は、セレスティアの言葉に、深く感銘を受けていた。彼女は、どんな状況でも、決して諦めない。

そして、どんな人間にも、その才能を見出し、輝かせることができる。それが、セレスティア・ローゼンベルクという女なのだと、彼は改めて確信した。

その姿に改めてセレスティアという婚約者に、王子としての理想像を見た。


「…セレスティア。君の舞台だ。最高の衣装を用意させよう。王家の威信にかけてね」


アレクサンダーは、静かに、しかし力強くそう告げた。

彼の言葉には、セレスティアへの絶対的な信頼と、彼女の舞台を成功させたいという強い願いが込められていた。

彼は、裏方に徹することを決意したのだ。

王家の財力とコネクションを使い、最高級の生地を世界中から取り寄せ、一流の仕立て屋を動員する。

セレスティアの王子衣装、そしてガブリエルの姫衣装。全てを、最高の品質で、そして最短の時間で用意させる。

それは、彼にしかできない、最高のサポートだった。


そして、いつの間にかセレスティアの隣にいたフェリクスが、静かに、しかし力強く告げる。

彼は、アレクサンダーやガブリエルとは別のクラスに所属している。

しかし、魔力暴走事件以来、セレスティアへの独占欲と、彼女への深い愛情を抱くようになった彼は、セレスティアが困っていると知るや否や、自ら協力を申し出たのだ。

彼は、セレスティアが最高の舞台を作り上げようとしていることを知り、その手助けをしたいと強く願っていた。

彼の天才的な魔力は、舞台に奇跡を起こすことができる。


「…僕の魔法で、君の舞台に、奇跡を降らせる。最高の特殊効果を、僕が担当する」


フェリクスの瞳は、セレスティアへの揺るぎない忠誠と、そして、彼女の舞台を成功させたいという強い情熱で輝いていた。

彼の言葉は、まるで魔法のように、クラスメイトたちの心に希望の光を灯した。

特殊な舞台効果は、彼が引き受けた。

彼の魔力ならば、どんな幻想的な演出も可能だろう。

星空、雷鳴、吹雪、そして、光の剣。彼の魔法は、舞台に新たな命を吹き込む。


セレスティアを巡り、あれほど火花を散らしていたライバルたちが、今、唯一無二の「トップスター」の元に、初めて一つになった。

彼らは、セレスティアのカリスマ性に惹かれ、彼女の夢を叶えるために、それぞれの才能を結集させる。

それは、まるで、舞台の上のアンサンブルが、最高のハーモニーを奏でるかのように、美しく、そして力強かった。


新生・セレス歌劇団。

王子役はセレスティア。姫役はガブリエル。裏方は王子アレクサンダー。特殊効果は天才魔術師フェリクス。そして、その他大勢のクラスメイトたち。

それはもはや、ただのクラスの演劇ではなかった。

一人の圧倒的なトップスターを中心に、それぞれの才能が結集した、一夜限りの奇跡の劇団。――新生・セレス歌劇団の、誕生の瞬間だった。


奇跡の舞台の幕開けまで、あと24時間を切っていた。

学園祭の演劇は、単なるクラスの出し物ではない。

それは、セレスティアと、彼女を信じる仲間たちの、夢と希望をかけた、人生最大の舞台となるだろう。

そして、この舞台が、彼らの未来を、そしてこの世界の運命を、大きく変えることになるとは、まだ誰も知る由もなかった。



新生・セレス歌劇団の、嵐のような24時間が始まった。

学園祭の本番まで、残された時間はわずか。

しかし、絶望に打ちひしがれていた教室は、今や、熱気と興奮の渦に包まれていた。

セレスティアの「この舞台は、私が守る」という言葉が、生徒たちの心に火を灯したのだ。

彼女の言葉は、まるで魔法のように、彼らの心に希望の光を灯し、彼らを突き動かしていた。


「時間がないわ!全員、持ち場について!無駄な動きは一切なし!最高の舞台を作り上げるわよ!」


セレスティアの檄が、教室に響き渡る。その声には、もはや悪役令嬢の欠片もない。

そこには、修羅場を幾度となく乗り越えてきた、百戦錬磨のトップスターの姿があった。

彼女の瞳は、舞台の全てを見通すかのように鋭く、その指示は、淀みなく、そして的確だった。

彼女の指揮の下、クラスメイトたちは、まるで訓練された舞台スタッフのように、一斉に動き出した。


「脚本は、今から私が書き直す!セリフは最低限、動きと表情で観客に物語を伝えるのよ!言葉に頼らず、身体で表現するの!それが、舞台の醍醐味よ!」


彼女は、猛烈な勢いで脚本にペンを走らせながら、同時に、全員に的確な指示を飛ばしていく。

彼女の頭の中には、すでに、完成した舞台の全てが見えているかのようだった。

破壊された舞台セット、主役とヒロインの不在。

それらの「制約」は、彼女にとって、むしろ新たな「創造」の源となっていた。

彼女は、舞台の構成を練る演出家のように、物語の核となる部分を抽出し、それを身体表現と視覚効果で最大限に引き出すための脚本へと再構築していく。

その手つきは、まるで魔法使いが呪文を紡ぐかのように、流れるように滑らかだった。


「ガブリエル!あなたは姫なのよ!そんなガニ股で歩かない!もっとしなやかに!優雅に!まるで、風に揺れる柳のように!」


セレスティアの厳しい、しかし愛情のこもった指導が、ガブリエルに飛ぶ。

彼は、顔を真っ赤にしながらも、必死にセレスティアの指示に応えようとする。

しかし、その体は、長年の騎士としての訓練で培われた筋肉で覆われており、しなやかな動きとは程遠い。


「は、はい!しかし、どうすれば…!セレスティア様!俺は、こんなにもゴツいのに…!」


「腰!腰をもっとしなやかに!そう、私のように!」


セレスティアは、自ら優雅な姫君の歩き方を見せてみせる。

その完璧な所作に、ガブリエルだけでなく、周りの生徒たちも、思わずうっとりと見惚れていた。

彼女の動きは、まるで水が流れるように滑らかで、一切の無駄がない。

指先から足先まで、神経が行き届いており、その姿は、まさに舞台の上の姫君そのものだった。

ガブリエルは、セレスティアの動きを必死に真似しようとするが、その度に体が硬直し、ぎこちない動きになってしまう。

しかし、セレスティアは決して諦めない。何度も、何度も、根気強く指導を続ける。

その姿は、まるで、舞台度胸のない後輩を、一人前の役者に育て上げようとする、熱血指導者のようだった。

ガブリエルは、セレスティアの熱意に応えようと、必死に食らいついていく。

彼の額には、汗が滲み、その顔は、真剣そのものだった。


「大道具!壊されたセットは、使える部分だけ残して!あとは、光と影で魅せるわ!最小限のセットで、最大限の効果を出すのよ!それが、舞台の魔法よ!」


セレスティアは、破壊された舞台セットの残骸を前に、冷静に指示を出す。

彼女の頭の中には、すでに、新たな舞台のイメージが鮮明に描かれていた。

切り裂かれた城の幕は、あえてそのまま残し、そこに光を当てることで、物語の悲劇性を強調する。

折れた魔法の剣は、新たな小道具として再利用し、物語の転換点を示す象徴とする。

彼女は、逆境を逆手に取り、それを新たな表現へと昇華させようとしていた。

その発想は、まさに天才的だった。

クラスメイトたちは、セレスティアの指示に、最初は戸惑っていたが、彼女の言葉の真意を理解するにつれて、その発想の斬新さに驚きを隠せない。

彼らは、セレスティアの指示に従い、壊れたセットを再構築していく。

その手つきは、まるで、失われたパズルを組み立てるかのように、真剣だった。


その情熱は、周りの者たちにも、瞬く間に伝染していく。

誰もが、セレスティアの情熱に突き動かされ、自分のやるべきことを見つけ、動いていた。

それは、まるで、一つの大きな生命体が、共通の目標に向かって、一斉に動き出すかのようだった。


「セレスティアのイメージは、こうだな…!最高の生地を、最高の職人に!」


アレクサンダーは、王家の権力を最大限に使い、国中から最高の職人たちを召喚。衣装の作成を、徹夜で進めさせていた。

彼の指示は、迅速かつ的確だった。

最高級のシルク、宝石を散りばめた刺繍、そして、ガブリエルの姫衣装。

全てを、セレスティアのイメージ通りに、そして最短の時間で作り上げる。

それは、彼にしかできない、最高のサポートだった。

彼の瞳には、セレスティアの舞台を成功させたいという、強い願いが宿っていた。

彼は、セレスティアの夢を叶えるために、王子としての全ての権限を行使していた。


「…セレスティア。君の王子にぴったりの衣装を、用意させた。最高の舞台を、期待しているよ」


「…君の舞台に、最高の奇跡を。光の粒子で、星空を創り出そう」


フェリクスは、セレスティアが描いた演出案に合わせ、魔法の光の粒子や、舞台を覆う幻想的な霧など、新たな舞台効果の構築に没頭していた。

彼の天才的な魔力は、セレスティアの芸術的な感性と融合し、想像を絶するような舞台効果を生み出していく。

星空、雷鳴、吹雪、そして、光の剣。

彼の魔法は、舞台に新たな命を吹き込み、観客を幻想の世界へと誘うだろう。

彼の銀色の髪は、魔力に呼応するように微かに輝き、その瞳は、セレスティアへの揺るぎない信頼と、そして、彼女の舞台を成功させたいという強い情熱で輝いていた。

彼は、セレスティアの夢を叶えるために、自身の全てを捧げていた。


クラスメイトたちも、誰に言われるでもなく、自分のやるべきことを見つけ、動いていた。

小道具の修復、背景画の描き直し、照明の調整。

それぞれの持ち場で、彼らは黙々と作業を続ける。彼らの顔には、疲労の色が滲んでいたが、その瞳には、希望の光が宿っていた。

彼らは、セレスティアという最高のトップスターの元に、一つになっていた。

それは、まるで、舞台の上のアンサンブルが、最高のハーモニーを奏でるかのように、美しく、そして力強かった。


絶望に沈んでいた教室は、今や、一つの目標に向かって突き進む、熱気と興奮の渦に包まれていた。

それは、まるで奇跡のような光景だった。

誰もが、この無謀な挑戦が、必ず成功すると信じていた。

なぜなら、彼らには、セレスティア・ローゼンベルクという、最高のトップスターがついているのだから。

彼女の存在そのものが、彼らにとっての希望であり、奇跡だった。

学園祭の演劇は、単なるクラスの出し物ではない。

それは、セレスティアと、彼女を信じる仲間たちの、夢と希望をかけた、人生最大の舞台となるだろう。


夜が更け、学園が静寂に包まれても、教室の熱気は冷めることを知らなかった。


「ガブリエル、違うわ!姫はそんな風に剣を抜かないの!もっと、こう…絶望の中で、一筋の希望を見出したかのように、祈るように抜くのよ!」


「は、はい!こうでしょうか!?」


「そう!いいわ、あなた、筋がいい!」


セレスティアのスパルタ指導は、深夜まで続いた。

ガブリエルは、汗だくになりながらも、食らいついていく。

その目には、以前の彼にはなかった、役者としての光が宿り始めていた。


「セレスティア、少し休憩したらどうだ。顔色が悪いぞ」


アレクサンダーが、温かい紅茶を差し入れに来る。その声には、純粋な心配の色が滲んでいた。


「ありがとう、殿下。でも、休んでいる暇はないわ」


「…無茶はするな。君が倒れたら、この舞台は終わってしまう」


「ふふっ、心配性ね。大丈夫よ、私は、これしきのことでは倒れないわ」


セレスティアは、悪戯っぽく笑う。

その笑顔に、アレクサンダーは、何も言えなくなり、ただ黙って彼女の隣で作業を見守るのだった。


「…セレス、これ、見て」


フェリクスが、セレスティアの袖を、くい、と引っぱる。

彼が指さす先では、無数の光の蝶が、キラキラと輝きながら、舞台の上を舞っていた。


「まあ…!なんて綺麗なの…!」


「君の王子に、似合うように…作った」


フェリクスは、少し照れくさそうに、しかし誇らしげにそう言った。


クラスメイトたちも、それぞれの持ち場で、必死に作業を続けていた。

衣装係は、眠い目をこすりながら、針を動かし続ける。

大道具係は、ペンキまみれになりながら、背景画を描き続ける。


誰もが、疲れているはずなのに、その顔は、不思議と充実感に満ち溢れていた。


「なあ、俺たち、もしかしたら、すごいものを作ってるんじゃないか…?」


誰かが、ぽつりとそう呟いた。

その言葉に、皆が、黙って頷く。


ライバルだった彼らが、今は一つの劇団として、心を一つにしていた。


グランド・フィナーレの幕が上がるまで、あと数時間。

新生・セレス歌劇団の、奇跡のような一夜は、まだ終わらない。


平日の朝7時に1話ずつ投稿していきますので、よろしくお願いします。

一応全12話で完結しようと思っていますが、ご好評いただけたらもっと続けていこうと思っているので、

リアクションをいただけると嬉しいです。

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