DAY12 虚無感で図書館篇
次の日。
今日、天使が帰ってくるのか、、
今まではそれなりに楽しくやってこれだけど、たった一つの事知っただけでここまで違って見えるのか、、
本当に見なければ良かった、、
あんなに買い物を観察していたなんて、、、
あぁ、そろそろ天使が帰ってくるな、、
窓を開けておかないと
しばらくすると、窓の外に人影が見えた。
天使が帰って来たな
出来るだけ普段通り話そう
「あきら君!ただいま!」
「あ、おかえり」
何故か、全然天使を見る事が出来ないな
「神との定例会議でね、久しぶりに友達に会ってね‥‥」
「へ〜」
何故か、全然内容が頭に入って来ないな、、
普段から相槌くらいしかしてないから助かったけど
それからも雑談が続き、、すると、
「なんかあきら君元気なく無い?」
っ!まずい!あれだけはバレないような返事をしないと!
くそ、流石にずっと一緒に居るから元気かどうかくらいは分かるって訳か、、
「いや?別にいつも通りだよ?」
やばい!焦り過ぎて声裏返った!
これは、嘘ってバレただろうな、、
まぁ、テキトーに体調とかのせいにすれば、、、
「・・・」
なんなんだ、この間は、、!
「そっか!私の勘違いだったみたい!」
あぶね〜、!絶対バレたと思った〜!
意外と鈍感なのか?
「それで、今日はあきら君にお願いがあるんだけど、、」
「、、なに?」
自分に頼むより天使が勝手に行って来た方が良いだろ
「読みたい本があるんだ!」
「読みたい本?」
「うん!これと、これと、、」
天パソで本の表紙を見せながら説明している
どうやら複数あるようだ
「なるほど、」
「この本たち、読めるかな?」
「まぁ、出来るだけ探してみる」
「そっか!ありがとうね!頑張ってね!」
「うん」
本を探すなら、図書館へ行きましょう。
ちなみに、ちゃんと、図書館の利用カードは制作済みです。
でも、使った事はないんですけどね。
準備もしたし、早速、行くか、、
でも、こんな低いテンションで行ったら、普通に死ぬ可能性あるからな、
テンション上げてかないと
対人ですからね。難易度高いですよ。
あ〜!マジでテンション上げてこ!
天使の事は思いだすな!もう!
自転車に乗り、なんとかテンションを上げながら図書館へ向かいました。
途中、もう天使は自分の事見てるのかなって周りを確認した時もありました。
もし見てるんだったら、今事故すれば天使が出てくるのか?って思った時もありました。
それを乗り越え普通に到着。なんとかテンションを少し上げることに成功しました。
あ〜、緊張する〜、
大丈夫。中に入って、どこに天使の読みたい本があるかを機械で検索して、その本を見つけて借りるだけだ。と、気を落ち着ける。
しかも、この図書館家族で何度も来たことがあるので、カウンターとか大体の配置は分かりますよ。
なので、やはり注意すべきは対人かな、
さらに、中2の職場体験も図書館でした。(今日行くのとは別の図書館)なので裏方の仕事なども分かります。
それもこれも、全部この為にやって来たのだろうか
よし、入ろう。
不安なのを悟られないように堂々と。
ウィーンと自動ドアが開き、中へ入っていく
なんか人多くないか?しかも、店員凄い忙しそうでずっと慌しく作業してるし、、
もっと人少なくて落ち着いた雰囲気想像してたから予想外だ
まぁ、さっさと本の場所検索機で検索しよ
、、、と、思ってその場所まで行ったんですが、2台ある内の1台が使われてて隣座るのもな〜って思ってる内に通り過ぎてしまいました、、
あ〜、人が居るからって逃げたな〜、、
でも、検索が出来ないとこの図書館にその本があるかも分から無いし、、
よし!行くぞ!
もう一度その検索機に向かって歩き出す。
すると、後ろから子供が小走りで自分を追い越し、検索機の前に行き、操作を始めた
あぁ、、とられた〜、しかも子供に、、
そのまま歩いて通り過ぎる
どうしよう、、2つ埋まっちゃったよ、、
もうこのまま自力で探すしか無いか、、?
でも、流石にそれはキツいよな、、
まぁ、とりあえずありそうな場所探してみるか、、
今までの経験から言うとこの辺りに、、
、、、うお!あった!
え?!そんな簡単に見つかる物なのか、?
逆に怪しいぞこれ
本当に天使が読みたい本だよな?
一応スマホを取り出して確認する
あぁ、やっぱそうだよな、、合ってるよな、、
じゃ、じゃあ借りるか、、
本に手を伸ばす
いや〜、ちょっと待って、、店員忙しそうだったし、自分が行って作業止めさせたら迷惑かな、、
でも、それも仕事な訳だし、、
カウンターにいる店員の様子を伺いまくる。
う〜ん、普通に貸し借りしてる人いるな〜、、
じゃあ、自分が行っても大丈夫なのかな、、
と、考えながら辺りをうろうろする
こうやって、同じ所を行ったり来たりしてゲームのNPCみたいな行動してるのも天使が見てるのかな、、
駄目だ、、天使の事は考えるな、、今の状況に集中しろ、、
よし。
後自分必要なのは覚悟だけだな、、
、、、来た!覚悟!たった今覚悟が手に入った!
よし!借りるぞ!
本に手を伸ばす
いや〜、ちょっと待って、、本の背表紙の分類の所に赤いシールが貼ってある、、
何これ、、?
でも、貸出禁止のシールじゃないから借りれるよね?
やばい、不安になって来た、、
でもこれ、流石にこのシールの意味どこかに書いてるよね、、?
ちょっと探してみよう、
今までの経験から言うとこの辺り、、か、?
本があった隣の本棚を見る
お、!あった!
今までの経験がやっぱ大事なんだな
で、シールの意味は、、
っ!何!?
「初めて本を読み始めた人へ」だと、、
マジか、、高1がこれ借りるのはキツいぞ、、
え〜、このシールがついてない同じ内容の本ないのかな、、
そっちがあれば借りたいけど、、
もう本見つけたからな〜、、
これを手放すのは悲しい
うわ〜、どうしよう、、
もう、これ借りるか?
でも、コイツこんな幼稚な本借りてるぞってなりそうだし、、
店員の様子を確認しつつ、どうするか考えます
いや!よし!もう借りよう!
ここで悩んでても、何一つ解決しない。
だから自分から行動するんだ!
部活の二の舞になってたまるかよ!!
決意に満ちた自分は、もう一度本に手を伸ばす。
もし天使が見てるとしたら、この決意が伝わっているだろう。
本を持ち、カウンターへ歩いて行く
一応恥ずかしいのでシールを手で隠しながらね
大分カウンターが近づいて来た。
どうやら、カウンターが2レーンあり、両方で本を借りている人がいるようだ。並んでいる人は居ない。
自分は2レーンの丁度真ん中に並び、どっちのレーンにも対応出来るようにする。
緊張からか頭が働かない、、
そして、体が熱い、、
すると左側のレーンが開く
謎の高揚感に包まれながらカウンターの前へ歩み寄る
お願いします(空気が漏れただけ)と言って本を差し出す。
そして、鞄から図書館の利用カードを取り出して渡す。
「お預かりします」
流石店員さんだ。慣れてるな。
そのカードをピッ、として
「返却します」と帰って来た
その慣れた手つきで本をピッピしていく
その様子を自分はじっと見る
お、どうやらピッピし終わったみたいだ
返却期日とか借りた本とかが書かれた紙を本に挟んで本をすっと差し出された
その本を持って自分はカウンターから立ち去った。
立ち去りながら本を鞄にしまった。カウンターでゆっくり鞄に入れたら良いのにね。
自分が1番好きな“感”の達成感を感じまくりながら家へ帰った
「ただいま」
「おかえり!あきら君!」
「これ、本」
「おぉ!借りてこられたんだ!ありがとうね!」
「うん」
「早速読んじゃおうかな!」
「いーじゃん」
そういや、本返しに行かないといけないのか、
ちょっと面倒だけど、まぁ、借りるよりは楽そうなのでOKかな
あと、普通に借りた本気になるから後で読もう