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◆58・白竜様の落とした爆弾。


 誰でもわかる前回のあらすじ!

  ―――――『リリたん、スライム2匹捕獲!』



 捕獲したスライムをテイムするために、名前が必要だという事で2匹の名前を考える事になった。名前を付けるまで、〈土魔法〉で作った台の上に2匹を並べて置く。水から上げると、てれんと垂れ気味のスライムっぽい形になった。



 ――え~? 名前どうしよう。水色、水色……ガ〇ガ〇君、ソーダ、サイダー、水玉……たま、ミーちゃん……、猫っぽい。ピンクから考える? サクラ、モモ……、そんな優しい感じの色じゃないな。ピンクのピーちゃん……鳥かっ。



 うんうん唸りながら並べた2匹を見ていると、だんだんレインボーわらび餅に見えてきた。え? 七色集める? ……それより、名前、名前。



 ……わらび・もちこ? いや、流石にそれは……。あ、でも、もちこは可愛いかも。じゃあ、水色はみず・たまこ……たまお……みずた・まお? マオ? なんか急にオシャレになったな。もちこと並べるならたまお? いや、マオとチコ? ……たまおともちこ。マオとチコ……たまおともちこ……マオとチコ……たまおともちこ……。



 ――うん、絶対『マオ』と『チコ』の方が可愛いのは解ってるけど、『たまお』と『もちこ』の方がしっくり来てしまうのは何故なのか……。



「よし、決めた」

「決めましたか。では、魔力を流しながら名前を言って下さい。魔力はほんのちょっとでいいですよ」

「あ、そう言えば魔力を流すとかやった事ない……」

「指先に魔力の小さな塊が出来るように意識しながら、体内の魔力を動かしてみて下さい」



 ソウさんに言われた通りに、指先に魔力を集めるようにイメージしてみる。体内の魔力が動く感覚は全く分からなかったけど、指先にシャボン玉のような光がうっすら見える様になった。



「いいですね。それをスライムに当てながら名前を付ければ大丈夫です。触れた所から勝手に魔力を吸収するでしょうから」

「わかった! ありがとう」



 指先の光をスライムに触れさせながら、1匹ずつ名前を付ける。水色が『珠青(たまお)』で、ピンクが『望湖(もちこ)』である。



 名前を付けると、何かさっきよりハリが出たような気がする……。しかも、何か目みたいな物も出て来た。



「え? 目? 変わった?」

「ああ、魔力をあげたからでしょう。テイムした2匹はリリアンヌの魔力を得た事で、野良スライムより意思がハッキリとし、強く、丈夫になったはずですよ」

「そうなんだ!」



 丈夫になったのは何よりだ。ぷしゅライムになったら泣くよ?



「ちゃんとテイム出来てますから、簡単な指示も聞きますし、先程魔力をあげたのと同じようにして、時々魔力をあげれば餌になりますから」

「わかった!」



 スライムはテイム出来たので、もう帰ってもいいんだけど……



「あ! そういえば、お弁当作ってきたんだった」

「おべんと?」

「にゃ? オベントーってにゃんだ?」

「みんなで食べようと思って、料理を持ってきたの」

「料理!」

「みゃ!? 食べ物か!?」

「ごはん……?」



 ちょっと……ずっと静かだったのに、食べ物の事になると反応するの誰ですか? そこのデッカいグレーの猫さんと、白い猫さん?



 まぁいいやと、〈土魔法〉で大きめの机を作り、その上にマジックバッグに入れておいた料理を出していく。『お弁当』とは言ったけど、お弁当箱はなかったので、普通にお皿に盛った料理だ。小さい猫妖精達用に切り分けた物も用意した。



「いっぱいだにゃ!」

「凄いですね」

「みゃ! これ、食べていいのか?」

「ごはん……」

「色々あるわね」

「うん、食べていいけど、ちゃんとみんなで分けるんだよ?」



 お昼には随分早いが、沢山の猫妖精達とワイワイご飯を食べて、ピクニック気分を楽しんだ――。




 この世界で目覚めた時には、こんなのほほんとした時間を味わえる事があるなんて、微塵も想像していなかった。たった数日前の出来事ではあるけれど、あの時は本当に泣きそうだったのだ。でも、少しでもネガティブになってしまえば、動けなくなりそうで必死だった。



 リリアンヌの記憶と知識があっても、それは微々たる物で、梅村花的には知り合いもいない、全く知らない世界に周りは敵だらけ……。ざまぁ? 現状改善? そんな事出来る程の精神力なんて無かった。ポジティブ思考で足掻く事に精神力を全振りしたのだ。何の思い入れもないあの家を出た事に、未練も後悔も無い。




 私は私の好きなように生きる!――




―――――――――――――――――――――――――――――――――――――




 猫妖精達とのお出かけを終え、再びホームへと戻って来た私は、家の中と庭?にスライム達が入れる水場を作った。〈土魔法〉で作った大きめの睡蓮鉢みたいなヤツだ。入りやすいように低い所に置いてある。



 たまおともちこにも「ここに入っていいからね」と言うと、ぽよぽよ弾みながら、早速入っていた。



 ――水に入ると丸くなるんだよね……。普段はちゃんと(?)スライムっぽい形なんだけどさ。持つとそれなりの質量もあるのに、なんで浮いてるんだろうか? ……わからん。



 スライムの謎は謎のままにしておく事にして、クロとシロがこの後、パドラ大陸に帰ると言うのでお見送りをした。



 もっと早く言ってくれれば色々用意したのに……と思いながらも、作り置き用に取っておいた料理と、〈交換ショップ〉で交換したクッキーをお土産として渡した。また来ると言っていたので、次の再会を楽しみにするとしよう。デカ猫組はみんな〈転移〉出来るもんね。



 クロとシロに料理を全部渡してしまったので、また作り直す事にする。



 食材を並べて、在庫チェックをしながらメニューを考えていると、どれがどのお肉か判らなくなってしまったので〈鑑定〉をしたら、ちょっと意味が解らない事が書かれていた……。



――――――――――――――――――――――――――

 

 ◆ロック鳥の肉◆

 鳥型特別変異魔獣の肉。食べるとちょっと寿命が延びる。

 超絶美味。


――――――――――――――――――――――――――




 ――なはっぁ!?




「………………」




 ――ナンデスカ? 特別変異……ナニ?



 ――『ジュミョウガノビル』ッテ ナンデスカ? 




「白竜さまぁぁぁぁぁあ?」




 ――ちょっと、何してくれてんの!?



 このお肉めっちゃ食べたよ? 『おススメだから』ってめっちゃ食べさせられたけど、何してんの!? 何『おススメ』してんの!? え? 寿命延びてんの? あ、でも『ちょっと』って書いてあるけど……。



 ――ちょっとって、どのくらい!?




「白竜さまぁぁぁぁぁあ?」



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― 新着の感想 ―
[気になる点] 何万年も生きる種族基準だったら百年寿命延びてもちょっとな問題(´▽`) '` '` '`
[一言] 種族違うとちょっとが何十年とかになるよね鑑定のちょっとだから人に合わせてる・・・・・・・・かも?・・・・・・・多分
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