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◆52・突然の……


 おはようございます。



 昨日は、皮コンの後にBBQリターンズを開催し、黒鹿とロック鳥をモリモリ食べました。とってもとっても美味でございました。みんながおススメするだけはあったね。



 私は途中でホームに戻って休んだけど、猫妖精たちと白竜様ご一行はあの後も酒盛りしながらBBQを続けたようです。寝ていたセキさんもお肉焼き始めたら即起きからの即肉でしたね、ええ。この世界の人外さんたちは愉快な肉食存在が多いらしい。



 それはさておき、今日は昨日貰った素材の整理をしつつ、ドアを作りたい。



「ナツメさんいるかなぁ……」



 ドアの作り方を教えてもらいたいので、外に出て確認したらデカ猫組が誰もいなかった。白竜様ご一行も帰ったようである。



「ありゃりゃ……」



 どうしようかなぁ……自分で作れるかな? とりあえず木の《解体》が出来るか確認してみると「樹皮・心材・辺材・枝・葉・実」に分ける事が出来た。全く便利なスキル様である。



 心材部分を取り出し、魔法で乾燥させてみる。……う~ん? 出来てるのかな? 色変わったし、多分出来てる……かな? んで、これを切る!



 これまた魔法で厚みが均一になるようにイメージしながら、



「〈スパッとな〉!」



 オッケ~! 出来た出来た! んで、これどうする? って話なんですよ……。縦に並べて上下と中心に横板付ければいいかな? あっ、釘と金槌の交換しとこうかな。木材は重いんで、当然、魔法様の出番である。



 そんな事を一人でモダモダやってたら、自分のいる所に影が突然出来たので、上を向いたら結界の上にナツメさんが乗っていた。



「リリアンヌ! 街に行くぞ!」

「え?」

「ほら! 行くぞ!」



 いやいや、ちょっと突然過ぎるわ! この並べた木材様が目に入らぬのか!



 結界の上からナツメさんがタシタシ叩いてくるんだけど、ちょっと待ってよ~! 唐突なお誘いに、木材を仕舞うか、持ち物は? ……と、その場でウロウロして結局何もしてないループにはまりかけた所で『頼れる男()NO.1』の声が聞こえた。



「ナツメ、そんなに急かさないであげて下さい」

「む?」

「リリアンヌ、その木材はどうするつもりだったのですか?」

「これはドアを作ろうかと思って」

「にゃ? ドアは一緒に作ると言ってにゃかったか?」

「そうなんだけど、自分で出来るかなってちょっと試してたの」

「そうにゃのか。まぁ、ドアは戻ってから作ればいい」

「その時は私も手伝いますから、とりあえずその木材は仕舞って出かける準備をしてくれますか?」

「あ、は~い!」

 

 

 やっぱりソウさんは『頼れる男』であった。うむ…『()』は返上しておこう。早かったな。



 準備と言っても、必要なのってお金くらいだろうか? まずは木材を〈アイテムボックス〉にナイナイして、一度ホーム内に戻った。



 あ! 靴は異世界仕様のを交換した方がいいかな。ポシェットも交換しとこ……。自分で作る予定だったけど致し方ない。



 お金はとりあえず、銀貨・半銀貨・銅貨を各20枚くらい交換しとこうかな。半銀貨5枚と銅貨20枚だけすぐに出せるようにポシェットに入れる。前にギルド証を作るとか言ってたし、登録にお金いるかもしれないしね。街に入るのにもお金いるかな?



 靴を履き替え、ポシェットを肩にかけたら、上からポンチョマントを着る。靴は異世界産のショートブーツっぽい靴だ。



「よし! 準備完了!」



 結局ドアは作れなかったので、今日も風通し抜群なホームのままだけど……。



 ナツメさん達と合流しようと外に出たら、見知らぬ美女がいた。

 


 ――え……。



 ――え?



 黒髪に金眼だし……多分、クロ? ナツメさんとソウさんも人型になってるし、合ってると思うけど……。



「クロ?」

「そうよ。この姿もいいでしょ?」



 色っぽく髪を払いながら『ふふん顔』を向けられたけど、そんな顔も似合ってるから、ただただハートを撃ち抜かれただけである。



 ――ぐはぁっ!



 質素な服を着てるけど、絶対にドレスの方が似合うね。



 ――あれ? ちょっと待って……。この美女とイケメン二人に囲まれて街に行くの? ものすんごい目立ちそうだけど、大丈夫? あ! そういえばリリたんも美幼女だった……。いや、美女とイケメンに囲まれてたら私は目立たないかも。『木を隠すなら森の中。美幼女を隠すなら美形の中』である。



「にゃ! 行くぞ!」

「リリアンヌ、もう行っても大丈夫ですか?」

「はい! 大丈夫です!」

「行きましょ、行きましょ!」



 そうしてソウさんに抱き上げられたと思ったら、次の瞬間には見知らぬ景色の中にいた。



 ――ちょぉ~!



 ――え? まさか転移した?



 眼下に広がるのは、活気溢れる街並みと行き交う人々。どうやら周りより少し高い場所に転移したようである。

 


 ――あれ? いきなり街中? 街に入るのに手続きとか入街料とか要るのかと思ってたのに、すっ飛ばして入っちゃってるけど大丈夫? 猫妖精たちはともかく、私は人間だからバレたら捕まったりするのでは?



「ソウさん、街中に転移した?」

「ええ、これが一番早いですからね」

「手続きとかしないで入っても大丈夫なの?」

「大きな街ですから、大丈夫ですよ」

 


 ……え? それって、これだけ人が居たらバレませんよ的な『大丈夫』なのでは?



「にゃんかあればまた転移すればいい。吾輩達から決してはにゃれるにゃよ!」

「ソウがずっと抱っこしてればいいわ」

「ええ、そのつもりです」


 

 少々不安ではあるけど、ここは猫妖精たちを信じて(?)楽しむ事にしよう。



 だって、街である! 初めての! 街だぁぁぁ~!――


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