◆51・結果発表
ではでは『リリアンヌが気に入る皮コンテスト』の結果発表に行きたいと思います! パフパフ!
「コンテストなので、3位まで決めたいと思います」
「にゃ? 3位まで?」
「うん、1番から3番目までの気に入った物を、3位から発表します」
「にゃ! つまり3つ選ばれるんだにゃ?」
「そう!」
「3位からね。わかったわ」
――では3位!
「3位は、おラキ様の白い狼の毛皮です!」
「おお! お前ではないか?」
「…………。おラキ様とは? 普通にラキと呼んで下さい」
「あ、はい、すみません」
「にゃ~! ラキのかぁ……」
「まぁ、3位だしね……」
「1番はきっと、シロ」
「良かったね、ラキ」
「…………。ありがとうございます」
――あ、うん。ごめんね、シロは圏外なんだ……。言わないけどね。
「では、2位! 2位は……、ソウさんの黒い鹿です!」
「私ですか!」
「にゃ……、まぁ、あの黒鹿にゃら仕方にゃいか」
「まぁ、あれのお肉はそれだけの価値があるわよね」
「黒鹿、美味しい」
「あれのお肉なら仕方ないにゃん」
――え……、ちょっと、お肉で選んだ訳じゃないんだど……。まぁ、そんなに美味しいなら食べるけどね。
「次! 1位を発表します!」
「にゃ! やっとか!」
「きっとシロ」
「私に決まってるでしょ」
「いや、きっと私だ! なんせワイバーンだからな!」
「ふふっ、僕も自信あるよ」
――うん、みんな自信マンマンだね。
「1位は! 寅さん、ロックくんの白と黒のウサギです!」
順位で迷ったけど、結局、最初にいいなって思ったモノになったね。色もいいんだけど、手触りがすっごく良いんだよね。もふもふなのにサラサラで、毛の長さも丁度良い。手触りに関して、ソウさんの鹿とすっごく迷ったけど、やっぱり『モフみ』の部分でウサギかなと。
「にゃん! オイラ達にゃん!」
「やった! 僕等、1番!」
「にゃ、にゃぜだ……。吾輩のは?」
「え? 私じゃないの?」
「ん、シロのはピカピカなのに……」
「な! 私のではないのか!?」
「あれ? やっぱり毛皮の方が良かったのかな?」
選ばれなかった組が、『心底納得出来ない顔』になってるけど、とりあえずスルーで。
「寅さん、ロックくん、おめでとう!」
「ありがとにゃん!」
「僕等のを選んでくれてありがとうにゃ~!」
うんうん、微笑ましいチビ猫さん達である。
「リリアンヌ! にゃぜ吾輩のではにゃいのだ! 赤だぞ!」
何、その赤推しと、赤に対する自信は……。赤への信頼、高過ぎでしょ。ちょいちょい『赤だぞ!』って言ってたけど、私、別に赤が特別好きな訳でもないんだけど……。
「わ、私のだって、もじゃ猫の赤い狼より、キレイな赤の皮なのに!」
クロもかいっ! なんでそんな、赤アピールなのか。後、クロ、ナツメさんの事、『もじゃ猫』って呼んでんの?
「シロのピカピカ……」
――うん、シロさん、蟲はナシで。
「むぅ……、色がダメだったのか?」
――ラダさん、色は関係ないです。
「ナツメさんのは、血濡れの毛皮っぽかったからだね。ちょっと使いにくいかな。クロのは、色は良かったけど、使い方があんまり思い浮かばなかったからだね。シロとラダさんのは、どう使うのか分りません。加工の仕方も解らないしね。後、蟲は無理! 白竜様のは、正直、素材にするのに躊躇しちゃう感じなので選びませんでした」
スルーしようかと思ったけど、説明しないと『納得しません顔』をずっとされそうなので軽く理由を述べてみた。これでも『ええ~?』みたいな顔してる子もいるけど、結果は変わりません!
「皮コンテストは終了で~す!」
――はい、強制終了です! 素材のお片付けしましょうね!
結局、みんなが獲ってきた獲物は、全部くれるそうです。ナツメさんに貰った分だけでも、かなりの量だったのに、こんなに貰っていいんですか? 貰いますけどね。ニヤニヤ……。
「みんな、ありがとう!」
蜂はイラナイんだけど、どうしてもって言うので〈アイテムボックス〉に突っ込みました。うん……、ありがとうね……。これ、〈アイテムボックス〉に入れたまま、蜂蜜だけ分けられないかな。出来たら、シロたちに蜂蜜使ったお菓子でも作ってあげようかな……。
「リリアンヌ! 黒鹿の肉を焼こう!」
「あら、いいわね」
「ブラックディアを焼くなら、ロック鳥の肉も一緒に焼こう」
貰った素材をナイナイしていると、ナツメさん達がBBQリターンズを希望してきた。え? 別にいいけど、君らずっと食べてない? 食べなくても問題ない種族とか言ってたのに、めっちゃ食欲旺盛だね。てか、黒鹿って『ブラックディア』って言うんだね。結局、鑑定してないけど、面倒だからいいや。
みんながあれ程、『美味しい、美味しい』と言ってたお肉だからね。ロック鳥も白竜様のおススメらしいし、スキルで《解体》して焼きますか!
もう、今日の晩御飯いらないな――。