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◆50・審査をしよう!


 さて、猫妖精組の物は見たので、お次は飛び入り参加組のお鳥様たちとお竜様の物を見ていくとしましょう!



 ――まずは、おラキ様からのようだ。おラキ様が出したのは、真っ白い狼6頭である。



「おお!」

「これは……」

「にゃ!? 吾輩より多い……」

「まぁ……!」

 

 

 うむ、ナツメさん、残念! こっちの狼の方が断然、良しである。ホント、これはイイ! 一気に有力候補になったぞ。でも手触り的には、ウサギと鹿の方が良いかもなぁ。う~ん……。



 ――まぁ、お次に行ってみましょう!



 お次は、おラダ様。なるほど、やはりトリは白竜様なんですね。おラダ様が出したのは……



「どうだ!」

「…………」



 うん、凄い。凄過ぎて、ちょっと引いてる……。



 ――え? ナニコレ? 恐竜?



「恐竜……はいないか。ドラゴン?」

「何を言う! これがドラゴンなわけないだろう! これはワイバーンだ!」

 


 ああ……、ワイバーンね。うん、ワイバーン……。知ってる、知ってる~!



 ――って! なんてもん、出してんのさっ!



 確かに、本家なお竜様の前で、コレをドラゴン呼びしたのは失言ではあった。でも、白竜様のドラゴン姿は見た事がないので、何も知らずにコレだけ見たら、ドラゴンと勘違いしてもおかしくない見た目なのだ。



 まぁ、これがドラゴンだったら、それはそれで大問題だ。お竜様の前で、同族の死骸出すとか、ケンカの売り方が過ぎ過ぎる。滅され案件だわ。ジ〇イアンに向かって「音痴!」と言い捨てるくらいにキケンな所業である。



「ドラえ……ドラゴンと間違えてすみません」

「二度と間違えるでないぞ! 白竜様たちにも失礼が過ぎるぞ!」

「あ、白竜様もすみません」

「ふふっ、構わないよ。リリアンヌはワイバーンを見るのは、初めてかい?」

「はい、魔物自体、あんまり見た事なかったです」

「ああ、そうか。リリアンヌは、まだ生まれたばかりだものね」

「はぁ……」



 生まれたばかり……ではないけど、多分、白竜様からみれば、私は赤ん坊と同じなんだろう。



 ――それはともかく、ワイバーンかぁ……。皮の色は灰色っぽくて、カバっぽいかもしれない。顔見たら、恐竜だけど……。



「こ奴等は、我等が居る山の周りをブンブン、ブンブン飛んでおってな。定期的に狩ってはいるんだが、一向に数が減らんのだ。だが、こ奴等の皮は、丈夫で使えるぞ! 防具に最適だ!」

「防具……」



 防具かぁ……。今のところ、あんまり必要性を感じないけど、やっぱりあった方がいいんだろうか?



 てか、鳥が恐竜モドキをハエっぽ扱いとは……、この世界の強者ヒエラルキーどうなってんだか。怖や……怖や……。



 ああ、でも、そう言えば「お鳥様、お鳥様」って言ってたけど、そもそもガルーダの本来の姿、見た事なかったわ。ワイバーンに勝てるなら、実は「鳥」呼ばわりするのも失礼なのかも。



 前の世界の基準で判断しちゃダメって事ですな。



 ――さて、本日の教訓はさておき、

 


 コンテストの大トリに行ってみよう! わ~! パフパフ!



 最後に出すのは勿論、白竜様。そんな白竜様が出したのは……



 超デッカイ鳥である。紺色っぽい本体(?)に翼の先が白から赤のグラデーションになっていて、まるで炎のように見える。う~ん? 何だろ、これ。羽がすっごくキレイだ。



「流石、白竜様! まさかロック鳥をお出しになるとは!」



 ――ロック鳥? なんか聞いた事ある名前だけど、名前しか解んないな。



「ふふっ、この鳥の羽はお守りにおススメだけど、それよりも是非、お肉を食べて欲しいな」

「お肉?」

「そう、すっごく美味しいよ?」

「すっごく……」



 白竜様おススメのお肉らしい。気になる……いや、だから、食材コンテストではないんだって!



「ところで、羽がお守りにおススメって、どんなお守りになるんですか?」

「持っていると、火への強い耐性効果が得られるかなぁ……。それと、死に難くなるから、装飾品にでも使うといいよ。この羽でマントを作ってた人間もいたよ」

「なるほど……」



 ――ん? 持ってるだけで死に難くなるって、どゆ事? なんか思ったより、ちょっとヤバい素材なのでは?



 そんな事を考えながら、ロック鳥なるものを見ていたら、翼の先の炎グラデーションの部分が、ユラユラ、ユラユラしているように見えた。え? なんか動いてない?



「あの……、この羽の先の色、動いてません?」

「ん? うん、そうだね。本体が死んでいても色の揺らめきは消えないよ?」

「ほぇ……」



 羽1枚でも、相当なレア物なのでは? う~ん、でも羽……、羽かぁ……。確かに装飾品には使えるし、お守りにもなるみたいだけど、後は羽毛布団とかの詰め物くらいしか使い道が浮かばないなぁ。だけど、このレア度がヤバめの羽を詰め物に使うとか、多分ダメだと思うんだよなぁ。



 ――とりあえず、全部見たと思うし、審査の方に進もうかな。



「見るのはこれで全部だよね?」

「そうですね。この中から一番気に入った物を選んで下さい」



 気に入ったものかぁ。蜂は却下で……。すまぬ! シロ。う~ん、迷う……けど……。



 「決めました!」


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