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ありがとうチート!~トンズラ幼女はマイペースに異世界を堪能することにしました~  作者: 伊藤琳


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◇156・たすけて!/side:デイジー


 くろいかみのおとこのひとがここからいなくなって、どれくらいかしら。

 あれからわたしは、ずっとうごけない。声もでない。

 だけど、おなかはすかない。



 ――どうして?



 だれか、たすけてよ!

 わたしは、おひめさまなのよ!

 マッテオがそう言ってたもの!

 あのくろいかみのおとこのひとは、どこにいったの?

 あのひとがいなくなってから、だれにも会ってない。

 だれか! 早く、なんとかしてよ!

 

 ――《キィ……》



 なにかの音がした。

 なに?

 もしかして、だれか……が……。

 ――!?

 うそでしょ! 王子さま?

 ぜったい、そうだわ!

 王子さま! わたしのことをたすけにきてくれたのね!



 くろいかみに、あかい目。

 ああ、とってもかっこいいお顔。

 きているふくはあんまり王子さまっぽくないけど、きっと『へんそう』をしているのね。

 王子さまはときどき『へんそう』をして、王子さまじゃないふりをするって、聞いたことがあるもの。



 ――王子さま! わたしはここよ! はやくたすけて!



「(ナツメさん、何かあった?)」



 ――は?



 わたしが王子さまをよんでいたら、おんなの子が……。



 ――は? こいつ! リリアンヌじゃない!



「(『コレ』……って、人形? ってか……、ん~……?)」



 どういうことよ! なんでアンタがっ!

 なんでアンタが王子さまといっしょにいるのよ!

 王子さま! ソイツはおじょうさまじゃないのよ!

 そんなヤツといっしょにいちゃダメよ!



「(リリィ、どうかした?)」

「(何か……、見覚えがある? ……ような? いや、でも……)」



 ちょっと! リリィってなによ!

 わたしの王子さまなのよ! かってにしゃべらないで!



「(おやぁ~?)」

「(リリアンヌ?)」



 ――は?



 今、こねこがしゃべった?

 ううん、そんなわけない。

 それより、そのこねこ、アンタにはにあわないわ!

 かわいいから、わたしがもらってあげる!

 


「(これ、私のだね。デイジーが持っていたから、デイジーのとも言えるけど……)」

「(え?)」



 ちょっと、なに言ってんのよ!

 ここにはアンタのものなんて、なにもないわよ!



「(ほら、ここ、私のイニシャルが入ってる。どうりで見覚えがあると思ったよ……)」



 だから、なに言ってんのよ!

 それより、王子様さま! はやくたすけて!



「(このお邸のどこかに、デイジーがいるかも)」


 

 どこかにわたしがいる?

 ここにいるのに、なに言ってるのかしら、コイツ。



「(う~ん? このお人形に、デイジーの魔力が籠もっているとか?)」

「(とりあえず、他の場所も捜してみよう?)」

「(スキル封じの魔道具か何かを使っている可能性もあるしね)」


 

 さっきから、わけわかんないことばっかり……。なんなのよ!

 王子さま? ほかのばしょをさがすって、なにを?

 王子さまはわたしをたすけにきてくれたんでしょ?

 


「(リリアンヌ、その人形、どうする?)」

「(ん? どうするって?)」

「(それ、リリアンヌのなんでしょう? 持って行かないの?)」

「(え、うん。特に思い入れもないし、いらないかな)」

「(そう)」



 ――え? やっぱり、こねこがしゃべってる?



 うそよ、そんなはず……。

 もしかしてバケモノ?

 そうか! リリアンヌのだからね?

 こねこだと思ったけど、バケモノだったなんて。

 それなら、アンタにおにあいよ!

 やっぱり、そのこねこはイラナイわ!

 


 ――あれ? 王子さま!?



 あれ? どこに行くの?

 ねぇ、ちょっと!

 わたしをたすけにきたんでしょ!

 なんで? なんでリリアンヌといっしょに……。

 ねぇ! ねぇってば! おいていかないで!

 わたしはここよ! ここにいるってば!



 ねぇ――!



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