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ありがとうチート!~トンズラ幼女はマイペースに異世界を堪能することにしました~  作者: 伊藤琳


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◆146・飛沫感染って怖いよね!


 キレイにしたデルゴリラとローブ男の衣服に、現在進行形で血が滲んでいることはさておき、奥の部屋と入る。

 ここがデルゴリラの部屋かどうかは分からないけれど、あの地下施設へと続く小部屋に続く部屋だ。

 何かしらの、何かしらがあるだろう。



 何かしらの何かしらって何だ……と思いつつ、部屋を一通り見て回る。

 ……が、ざっと見た感じ、若干、装飾過多な家具やら何やらが並んでるだけで、特に何もなかった。

 まぁ、細かい調査はロイド様たちやレギドール国所属の騎士、アルベルト兄さんたちにお任せすればいいだろうと、奥の小部屋の方へと向かうことにした。



 しかし、MAPに表示されていた小部屋の方へ向かうも、入口らしきものは見当たらず、あるのはただの壁であった。

 つまりは、『隠し部屋』ということなのだろう。

 とりあえず、奥の小部屋と接しているはずの壁に、解錠の魔法をかけてみる。



「〈開け、ゴマ!〉」



 すると、壁に魔法陣が浮かび上がった。

 魔法陣の中央には、装飾に見せかけたレリーフのような物がある。

 レリーフの中央には宝石らしきものが付いているけれど、魔石か何かなのかもしれない。恐らく、本来はこのレリーフを使って、小部屋へと入るのだろう。

 正規の開け方は謎のままだけど、このまま開けっ放しにしておけばいいよねと、小部屋の方へと歩を進める。



 中に入れば、大きな戸棚が目に入った。

 浮遊魔法で取っ手に届く位置まで浮かび上がり、戸棚の扉に手をかけるも、鍵がかかっているようで、開かなかった。

 なので、ここでも解錠の魔法を使い、戸棚の扉を開ける。

 開けた戸棚の中には、大きな宝石のような物や、いつぞやの騒動で見かけたオーブのような、赤黒い球体の石が並んでいた。

 嫌な予感がしつつも、戸棚の中に並ぶ物を鑑定する。



―――――――――――――――――――――

 ◆ヒューマクリスタル

 人間族を魔力の結晶に変換した人工魔石。

―――――――――――――――――――――

 ◆ヒューマオーブ

 人間族を魔力の結晶に変換した人工魔石。

―――――――――――――――――――――



「………………」

「リリアンヌ?」

「ロイド様……」

「これは?」



 後ろから部屋に入ってきたロイド様に声をかけられ、戸棚の中にある物の説明をする。

 今のところ、この場で鑑定できるのが私しかいないため、後ほど、これらの鑑定を再度する必要があるだろうけれど、これらが物証になり得る可能性は高いだろう。



 というか、デルゴリラがジャラジャラと身に着けていた装飾品の中に、似た色の石が付いた物がなかっただろうか?

 あれが、ここにあるものと同じ物であるならば、それは正に動かぬ物証……。

 ということで、慌ててデルゴリラの方へと戻る。



「リリアンヌ!? どうしたっ!?」



 突然走り出した私に、ロイド様が驚きの声を上げているけれど、今はスルーだ。

 転がしたデルゴリラの下へ行き、デルゴリラの装飾品を鑑定する。



「――やっぱりっ!」



 鑑定結果は、先ほど戸棚の中を鑑定した時と同じ。

 デルゴリラが身に着けていたのは、『ヒューマクリスタル』を装飾品にした物。

 そして、デルゴリラの横で転がるローブ男も、同じを物を使って作られた指輪をしていたのである。



 何となく、デルゴリラとローブ男に巻きつける蔓を、()()()()()()()()増やしてみることにした。

 首から上()()()()巻き付けないようにしているので、安心してほしい。

 棘付きの蔓で縛ったことについて、少々困惑の顔を見せながらも誰も止めないのは、問題がないということだろうからね。うむうむ。



「ぐぎゃっ……ガガガガガッ!」

「ギギギギギィッ!」


 

 デルゴリラとローブ男の意識は戻っていないのに、結構な大声を出すものだな~……なんて思いつつ、私の後を困惑しながら追ってきていたロイド様に、事の次第を説明しておく。

 是非、公式捕縛時の諸々に役立てていただきたい。

 ロイド様は、レギドール騎士団と大公閣下に連絡し、デルゴリラたちに罪を問うとのこと。

 今後、デルゴリラたちにどのような処遇が下されるのかはまだ分からないけれど、無罪放免とはならないだろう。



 ロイド様がレギドール騎士団へと飛文書を飛ばし、騎士団の到着を待つ間、私は小部屋から延びている通路を辿って、地下施設の様子を見に行こうかと考えていると、小部屋の方から足音が聞こえてきた気がした。

『すわ、新たな敵か!』と身構えながら、小部屋の方へと向かう。

 すると、通路側から小部屋へと人が入ってきた。



「あっ!」

「おおっ……」



 小部屋へと入ってきたのは、アルベルト兄さんだった。

 それに、アオくんと小雪ちゃんもいる。

 後ろにも何人かいるようだけど、第五部隊の人たちだろう。

 ――あ、この前、猫妖精たちに散々、猫チョップを喰らわされていたお兄さんもいる。

 確か、クラ……、喰ら? クラウディオさんか。クラウディオさんだったはず。

 それはともかく、私たちの姿はアルベルト兄さんにしか見えていないはずなので、静かにロイド様の所へ行き、情報の擦り合わせなどはお任せすることにする。



 小部屋から大部屋の方へと入り、デルゴリラたちを捕縛して転がしている前室の方へと向かう。

 私の後に付いてきたアルベルト兄さんと、その後を付いてきた第五部隊の人たちが、転がるデルゴリラたちを見て驚いているけれど、そのことに関しては、ロイド様たちの方から聞いてくだされ。



 前室で顔を合わせたアルベルト兄さんたちとロイド様たちは、早速、事の経緯を話し合うことにしたようだ。

 ロイド様側からは、デルゴリラたちの捕縛経緯、レギドール騎士団に連絡済みで、到着を待っていることなど。

 アルベルト兄さん側からは、地下施設の捜査を行ない、地下施設から繋がっていた小道を通って、ここまでやって来たことなどだ。



 どうやら、第五部隊の人たちによる、あの地下施設への調査は無事に成されたようだ。踏み込んだ地下施設には、監禁されていた子供たち以外の人影はなかったらしい。

 子供たちは無事に保護され、現在は第五部隊の人たちが何人かに別れて、地下施設内や周辺の調査などをしているらしい。

 レギドール騎士団には、地下施設の件も併せて報告し、現在、第五部隊の人たちが行っている調査なども、レギドール騎士団に引き継がれることになるだろうとのこと。



 まぁねぇ、第五部隊の人たちが子供たちを保護したり何だりしたものの、第五部隊もアルトゥ教所属だからねぇ。

 子供たちが監禁されていた施設がアルトゥ教教会と繋がっており、その先でアルトゥ教教会の枢機卿やアルトゥ教の聖騎士らしき者たちが、他国の皇子に危害を加えようしたのだ。

 もちろん、事件に関係のない人たちもたくさんいるだろうけれど、アルトゥ教関係者に調査や事後処理を任せる訳にはいかないよね、という話である。



 ちなみに、デルゴリラと共に捕縛した騎士たちは、アルベルト兄さんたちの証言により、第二部隊所属の聖騎士であることが判明している。

 昨晩の第五部隊駐屯地への襲撃にも関与していた第二部隊の聖騎士たち。共に転がるデルゴリラたちとの前後関係や関与なども、キッチリと明らかにしてもらいたいものである。



 そうこうしている内に、ロイド様が呼んだレギドール騎士団の人たちがやって来た。

 それに伴って、ここで起こっていた騒動に気付いていなかったアルトゥ教教会の人たちも集まり始め、ちょっとした騒動が起こり始めている。



 ロンダン帝国の皇子から『デルゴリアに襲われた』と連絡を受けてやって来たレギドール騎士団と、アルトゥ教に聖騎士団があるにもかかわらず、レギドール騎士団が踏み込んできたことに対して不満の声を上げるアルトゥ教教会の人たち。

 それから、『アルトゥ教の枢機卿を勝手に捕縛したのか!』と、ロイド様たちを責めようとする人たちや、捕縛方法について抗議する人たち。

 第五部隊の聖騎士に向かって『レギドール騎士団と手を組む裏切者かっ!』なんて言う人たちなどが、てんやわんやの言い争いをしているのだ。



「(血走る目、飛び交う唾液、恐怖かな……)」

「にゃ?」

「(……急な川柳、やめて?)」

「(いやぁ、『いつ終わるんだろうな~』って眺めてたら、どうでもいいようなことしか目に入らなくなっちゃって……)」



 そもそも、言い争いの内容がつまらない上に、長いんだもん……。

 まぁ、争いというより、アルトゥ教の人たちの一方的な言いがかりが主な感じだけど。



 しかし、そうしてしばらく続いていた不毛な言い争いは、後からやって来たとある人たちの登場によって、アッサリと終了を告げることとなったのである――。



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