表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

14/138

◆13・トンズラへのカウントダウン!



 ハンカチ持った~?



 ――まだ~!



 てな訳で、今からせっせと家出準備をしたいと思います。



 まずは開いたままの〈MAP〉で自分の位置確認をば……。だってココ、どこか分かんないんだもん。最初に〈MAP〉見た時は拡大しないで、縮小しちゃったからさぁ。



 ココ、何の部屋よ? 窓もないんだよ? 時間も分かんないっての。あ、時間分かったわ、MAP画面の左上にあった。はい【2:52】でした。まよな~か~。



 え? コレこの世界の時間でいいんだよね? リリアンヌ・データベースでは『〇〇の鐘』とか『鐘△△つ』とかだったけど。まぁ、いいか。


 

「リリアンヌ(スター)」を中心に表示し、拡大、拡大~。う~……ん? そもそも、地図見たって『リリアンヌ』はどこがどこだか、ちゃんとよく分かってなかったわ~。リリアンヌの今までの記憶を頼りに、当たりを付ける事にする。



「え~! 間取りまでわかんの? このMAPヤバ……」と、ちょっぴり半笑いになりながら独り言つ。なんだかゲームのMAP画面のようだ。

  

 

「★」が表示されてるのは、2階建ての建物の中にある1階部分。今いる部屋と同じ大きさの部屋が横並びで6つある所の一番端っこにいるようだ。部屋を左に出て、すぐ左に行けば出れそう。この建物の少し……割と? 離れた所に本邸らしき建物がある。



 え~? もしかしてここって使用人棟の使用人部屋? それにしても酷過ぎないか? 牢屋一歩手前っていうか、格子がないだけで牢屋にしか見えませんけど? 同じ建物内にはここより少し広い部屋がいくつかあって、2階にはもっと大きい部屋がある。



 あ~、多分だけど、ここ下女部屋なのかも。だとしたら、個室なだけマシなのか? でも、リリたんは下女じゃないんだぞ! ホント、リリたんが何したってぇのさ! え? ざまぁ? ……うん、出来るならしたい気持ちもあるけど、あの人たちの相手する方が面倒くさいんだよね。まずもって『話聞かない・通じない』だからさ。


 

 なので、さっさとトンズラいたしますよ~。



 本邸からこれだけ離れてたら、見回り兵とかにさえ気を付ければ大丈夫そうだ。今は真夜中だし、使用人棟には多分、護衛も見張りもいないからね。魔法ですぃ~っと移動して、すぃ~っと飛ぶからね。バレずに上空に行ければ勝ったも同然なのさ!

 

 

 場所の確認は出来たので〈MAP〉は一旦ナイナイしておく。

 


 お次は〈交換ショップ〉だ。さっきから閉じたり開いたり忙しいけど、着替えが欲しい。着替えは抜け出してからするつもりだけど、用意はしておく。


 

 今のリリたん、階段から落ちた時に着てた侍女用っぽいシンプルワンピースに裸足よ? え? 靴下は、ぱんつ替えた時に脱ぎましたが何か? こんな事なら「下着だけならバレないかも」とか考えないで、交換しておけば良かったよ。


  

 子供服の項目の中から、動きやすそうなモノを探す。出来ればマント的なモノも欲しい。今は9月で、夜はちょっと肌寒い。空を行くつもりなので、それなりに厚手の羽織れそうなヤツがいいかな。



 まずはこの世界産のモノから、生成りっぽいシャツとベージュのズボンを選ぶ。靴下と靴は地球産のでいいかな。あれ? 靴のサイズは、目安17~18センチになってるけど、どうしようかな。間取って【17.5】にしとこ。白は目立ちそうなので、こげ茶のスリッポンタイプの靴を選ぶ。



 あ~、ジャージのセットアップ欲しいな。これも交換しよ。後は……マント、マント……。



 フードと袖付きのポンチョっぽいのあるね。しかも、フード部分にボタンで留められる口布みたいなの付いてる。いいね、これなら風で煽られてもフード脱げないんじゃない? 見た目は怪しさ満点の目出しフードのテルテル坊主みたいになりそうだけど。色は赤と黒とカーキがあって、カーキにする。



 服はこれでいいかなぁ。後はタオル? うん、とりあえず1枚はすぐ使えるように交換だけしとこ。食べ物はどうしようかな。え? ビスケット? 買わな~い! うん、食べ物も今はいいや。さぁ、交換交換!


 

 ――よし! ブツは揃った!



 お次はいよいよ! ココからの脱出ですよ!――

 

 

 まずは自分に〈絶対防御〉〈認識阻害〉〈浮遊〉の魔法をかける。え? トリガーワード? 自分、ちょっと今、真剣なんで!



 ふわふわしながら、すぃ~っとドアに近づく。あ! 〈ライト〉超ちっちゃいのにしとこ。



〈ライト〉の光が外に漏れないようにドアの後ろ側になるように浮かし、ドアノブリングに手をかけ、ゆっくりと引いた――。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ