9話
9話目
放課後、手紙に書かれた場所まで来た、朱音と翠。
そこは町の中にある倉庫の1つだった。
運搬のトラックから倉庫に荷物が運ばれている。
「普通の倉庫みたいだな。」
「……変身して調べよう。」
「ん?あぁ……」
翠に言われて朱音も変身の準備をする。
ポケットから道具を出して……叫ぶのはマズイと判断して、小声で言う。
「マジカルレッド、チェンジ。」
「マジカルグリーン、チェンジ。」
それぞれの道具からリボンが出て来て、二人の体に巻き付く。
朱音の体には赤いリボンが、翠の体には緑のリボンが……
リボンが衣装に変わり、二人は魔法少女になる。
「風の衣。」
グリーンの魔法で二人の姿が見えなくなる。
これで気付かれずに倉庫の中に忍び込む2人。
まだ搬入しているためか、警備がガバガバだった。
「楽勝だな。」
「油断しないで。」
普通の人間なら姿を消してる2人を見つける事はできない。
だが……
「ストップ。」
グリーンが監視カメラに気付いて身を隠す。
普通なら見えないが……
「レッド、お願いします。」
「了解。」
レッドは指先から炎を出し、カメラに向けて放つ。
「炎の蜃気楼。」
レッドの魔法で、カメラに偽の映像を流す。
さらに炎の熱でサーモグラフィーも誤魔化す。
姿を消した魔法少女を見つけるために、組織が取った対応策だ。
何度も姿を消して侵入したのが、バレたからだろう。
それの対策に翠が考えて、朱音が魔法で対抗できるようにした。
ただ今回は組織が、そこまで準備できていない状態だったので、普通のカメラの機能のみだったが……
だが、重要な場所には警備員なのに暗視ゴーグルや赤外線センサーを装備して警備していた。
「まあ、そんな装備していたら確実に敵の悪の組織で当たりだろうね。」
「やつらのアジトか?ぶっ潰すか?」
「かなり警備が薄いから、出来る限り敵の情報を得たいです。」
グリーンは魔法のアイテムで、外で待機している桃子たちに連絡する。
そして表で暴れて囮になるように、お願いする。
桃子が了解して、連絡を切る。
しばらくすると、グリーンたちの近くにいた警備員たちに連絡が入り、別の場所に行ってしまう。
外で囮になっている桃子たちと戦っている者たちの応援に行ったのだろう。
その間に、グリーンとレッドは警備していた部屋に侵入する。
部屋は事務所みたいな所で、いくつかの机の上にPCが置かれている。
「私はPCを調べるから、レッドは何か怪しい物が無いか探してください。」
「了解、でも私に解るかなあ……」
グリーンはPCを起動して中を調べる。
パスワードがあったが魔法でパスワードを解く。
「えっ!」
組織の名前がダーククロウだと言うのは解ったが、他が一切解からなかった。
データが消されていたのだ。
何者かによって……
続く