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7話

7話目




葵と朱音と桃子の3人は、桃子の部屋で会話をしていた。

朱音が用意された、お菓子かしを食べながら言う。


「桃子が男を家に連れ込んだって言ったから心配して見に来たけどよ……」


「そんなんじゃ、ないって!」


「そうですよ桃子さんは、とてもお優しい方ですから。」


葵が用意された、お茶を飲みながら言う。

桃子が太郎を家に連れてきて、一緒に生活することになり、心配して2人は様子を見に来たようだ。

太郎は、見た目は好青年こうせいねんに見える。


「でもなんか、胡散臭うさんくさいんだよなあ、アイツ……」


「そうですか?」


「そうかなあ?」


朱音は太郎を警戒しているが、桃子と葵は無警戒だった。

まあ、警戒するのが普通なのだが……

太郎のことを中心に談笑だんしょうする3人だった。




 その会話の一部始終いちぶしじゅうを俺はノートパソコンの画面で見る。

よしよし、ちゃんと盗聴と盗撮出来ている。

まあ朱音のように警戒するのが普通だ。

他が、お人好しすぎるのだ。

残りの2人は俺の事を、どう思っているのかも気になるが……


「とりあえず、想定内そうていないだな。そろそろ行動を起こすか。」


俺は封筒に手紙を入れて考える。

この中には組織の情報が少し書かれている。

これを桃子たち魔法少女に渡したいのだが……


『直接渡したり、家に置いておくのは駄目だな。俺だと特定されやすい。まだ信頼を得ていないうちは、正体を明かさない方がいいだろう。うーん、学校の下駄箱げたばこにでも入れておくか、ラブレターと勘違かんちがいするかもだけど……最近の学校って警備が厳しいからなあ……』


と、悩んでいた俺だが……


「そうだ、どうせ忍び込むならいっそのこと学校の色んな場所に隠しカメラや盗聴器を仕掛けるか。裏とかで売れば儲かりそうだな。」


組織の情報を渡すだけなのに、クソなことまで思いついてやる俺だった。




 深夜の中学校の近くに俺は来た。

忍び込む前にノートパソコンを使って電子ロックされてた裏口を開ける。

他にいくつかの扉の合鍵あいかぎを作っておく。

ピッキングもできるが、何度も侵入するつもりなので、なるべく痕跡こんせきを残したくなかった。

こういう技術は組織に入った時に、いくつかのコースから選んで学ばされる。

YouTubeの専門学校やお笑い芸人が通うスクールみたいなものだ。

これって必要なのか?って思うようなことを金を払って勉強するのだ。

まあ、今役に立っているのだから本当に何が役に立つのか、わからないものだ。

とはいえ、いきなり全部の場所に盗聴器や隠しカメラを仕掛けるのは無理だ、時間がない。

絞り込もう。


「情報を得るのが優先だろうな、アイツらの教室からかな。更衣室は後回しだな……おっと忘れるところだった。」


俺は手紙を桃子の下駄箱に入れた。

盗聴や盗撮のことを考えていたから、危うくメインの目的を忘れそうだった。




続く


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