6話
6話目
ベルトの……いや、俺の新しい強さに喜んでいたが、色々と問題があることに気が付いた。
これは試作品なので、そのうち量産される可能性がある。
というか、これだけ強いなら確実に量産するだろう。
おそらく、これが量産されたから将来、世界が征服されて魔法世界にも進行するのだろう。
俺をクビにした組織が世界征服なんてムカつく。
落ちぶれさせて、ざまあ展開にしてやらないと、気に入らないぜ。
他の問題は、アビリティカードだな。
ベルトは色んな方法で充電すれば、スーツは自己修復するので問題ない。
ただカードの方は特殊な物らしく、今ある分が無くなるとアビリティが使えなくなる。
「しばらくはアビリティをなるべく使わないようにしないと……」
どうにかして、アビリティカードを確保しないといけない。
何処にあるか、組織を調べないといけない。
ああ、めんどくせえ。
あと、魔法少女たちとの関係も良くしないとな。
今後は組織と敵対するだろうから、あいつらを利用するためにもな。
「まずは……アルバイトを頑張るか……」
あいつらを、美味しく頂くためにも、少しでも印象を良く見せておかないとな。
働きたくないけど……
俺は桃子の店のアルバイトをするため、廃工場から移動することにした。
アルバイトは思ったより楽だった。
おそらく俺が病人ということなので、桜が気を使って楽な仕事にしてくれているのだろう。
俺は、それに甘えることにした。
楽になるなら、善人でも騙してやる。
良心?そんなものはない。
店の仕事をしていると、
「ただいまー。」
桃子が学校から帰ってきた。
一緒に……
「ちゃーす。」
「こんにちは。」
二人、桃子の友達もいた。
二人とも魔法少女だ。
一人はプリティーレッド、赤木朱音。
火の魔法を得意とする魔法少女。
普段は髪を金髪に染めた不良少女だが、友達たちには優しく仲がいい。
学力が低いが、身体能力は高い。
両親は共働きで、弟2人と妹1人の面倒をよくみている。
年齢を偽って学校にも内緒でアルバイトをしている。
魔法少女に変身すると、体が大きくなって髪の色が赤くなる。
もう一人はプリティーブルー、水野葵。
水の魔法を得意とする魔法少女だ。
黒髪ロングの大人しそうな、お嬢様で金持ちだ。
勉強だけでなく、色んな習い事もしている。
だが生まれつき体が弱くて、入院することもよくあったらしい。
今は魔法少女になったので、病弱はマシになったそうだ。
学力が高くて、身体能力が低い。
レッドと逆だな。
3人階段で2階に上がっていく。
勉強なのか遊ぶためか知らないが、あとで録画した隠しカメラの映像を調べた方がよさそうだな。
続く