5話
5話目
体を動かしてスーツの強さを確かめる。
走るスピード、ジャンプ力、パワー、と全てが数倍になり、自分の体じゃないと思えるくらいパワーアップしてくれる。
武器はナイフ、ワイヤーか。
これなら魔法少女と戦っても勝てそうだ。
「でも、これだけか?」
これくらいの装備なら、盗まれても組織は困らないだろう。
なのに俺を探して捕まえようとする性能が、このベルトにあるはずだ。
俺は、資料を細かくチェックする。
「ん⁉」
資料の文字の中に、アビリティカードというのを見つける。
これだな、と思った俺はアビリティカードについて詳しく書かれたところを見る。
「カードに書かれたアビリティが使用可能、ただし所有者が知っているものに限る。」
本当かよ、と思いつつベルトを調べる。
確かにベルトにカードを挿入する場所があった。
資料やベルトと一緒に、そのカードも盗んでいた。
変わった材質の白紙の紙だった。
「これか、試しに……」
紙に【気功弾】(きこうだん)と書いて、ベルトの挿入口からカードを入れる。
そして構えを取りながら、両手に気を集中させるイメージをする。
「おおっ!」
本当にゲームやアニメのように、手に光の玉みたいなのが出来る。
貯めると、大きくなっていく。
「●ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー、めーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー、●ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー、めーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。」
旧テレビアニメ版のように、やたら時間をかけて気を貯める。
だが、ある程度大きくしていると、突然消えて気が霧散してしまう。
「あれ?」
また気を貯めようとしたが、出来なくなってしまう。
俺は、もう一度資料を調べる。
「クソ、時間制限があるのか。」
効果時間は5分だった。
5分間のあいだは、書いたアビリティは何度も使用可能のようだ。
複数のアビリティを1度に使うことは不可。
5分間のアビリティをキャンセルしてから再び新しいカードを挿入すると新しいアビリティが使える。
カードは使うと消えるようだ。
「なるほど、もう1度……」
また【気功弾】と書いて、ベルトの挿入口から入れる。
手に気が貯めれるようになる。
今度は、すぐに放つが念のため空に向けて放った。
「はーーーーーーー!!」
空の雲をかき消し宇宙へ、いくつかの人工衛星が破壊される。
凄まじい威力だ、アニメのように。
「スゲー、俺TUEEEEEEEEEEE-。」
と、ベルトの能力に驚き喜ぶ俺だった。
ベルトやスーツが凄いだけで俺が凄いんじゃない?
イヤイヤ、これは俺のモノだから俺の実力w
なろう小説の主人公だって神様から貰った能力を自分の実力のようにイキりまくるでしょ。
アレと同じさw
続く