4話
4話目
佐藤家に居候することになった俺。
しばらくは、単身赴任している父親の部屋を使うことになった。
桃子と桜がいない時に、部屋の至る所に隠しカメラと盗聴器を仕掛けた。
桃子たちの情報を知りたいのもあるが……
「くくくっ……」
桃子と桜の隠し撮りした映像をノートパソコンで楽しむ。
着替え中、入浴中、トイレの中でのことも、映像で見ている。
脅しに使うのもいいし、後輩にあげて何か協力させるのにも使えるな。
「いい●●●しているなあ……いつか俺の物にしてやる。」
桃子と、ぬいぐるみを監視したおかげで、あいつらの事が色々わかった。
彼女たちの名前は、魔法少女プリティーガールズ。
未来の魔法の国から来た、ぬいぐるみのような精霊が、この時代の彼女たちに助けを求めにきたのだ。
どうも俺のいた悪の組織が将来、世界を征服していまい、さらに魔法の国にも攻め込んで、魔法の国も征服しそうだった。
未来を変えるため、まだ組織の弱い今の時代に来たそうだ。
組織を辞めたのは、早まったなと後悔している。
居れば人生勝ち組だっただろうに……
まあ、サボり癖があるから、どっちみちクビになってただろうが。
彼女たちは5人組だ。
そのリーダー的存在が桃子ことプリティーピンクだ。
優しくて天真爛漫で誰とでも仲良くなる、まあアニメの主人公みたいな女の子だ。
おかっぱ頭で、体格は平均的。
運動能力や学力も平均的だ。
始めて魔法少女になったのも彼女からだ。
変身すると体格が全体的に大きくなり、髪の色がピンク色になり、服装もピンク色の際どい衣装になる。
いつも側にいる、ぬいぐるみのような精霊はクマっぴ、というそうだ。
羽根の生えた黄色いクマの、ぬいぐるみ、みたいな格好の精霊だ。
他の4人のメンバーについては、また今度説明しよう。
「とりあえず、盗んできたベルトを回収して性能を試してみるか。なんか使えそうな装備らしいからなあ。」
俺はノートパソコンを片付けて、父親の部屋を出た。
駅のロッカーからベルトを回収して装備する。
町外れの廃工場で、性能を試してみる。
「他に誰も居ないな……」
俺は廃工場を警戒しながら敷地に入る。
子供がいるくらいなら、誤魔化すこともできるが、組織の者がいた場合はヤバい。
廃工場には人の気配が全くなかった。
「問題なさそうだな。」
俺は安心しつつ、ベルトと一緒に盗んでおいた資料も見る。
ベルトを使って変身して、パワードスーツを全身に装備するようだ。
更に身体能力を高めるようだ。
「まあ、変身ヒーローのスーツみたいなものか……」
こういうのは嫌いではないので、ノリノリで変身ポーズを取りながら変身する。
スイッチを押すだけで、変身できるんだけどね。
「変身!」
全身を黒いスーツで纏い、黒いヘルメットとマントも身に着ける。
戦闘員のスーツよりカッコイイ。
どちらかというと、ダークヒーローに近い感じだ。
「うん、いいなこれ。」
俺はスーツを気に入りながら、色々と性能を試してみるのだった。
続く