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31話

31話




 俺はイエローに勝つための仕込みをする為に、気配を消しつつ移動する。

こういう事は得意だが、なろう小説の主人公のように相手を見下して馬鹿にして圧倒的な力で相手を蹂躙するように勝ちたかったんだがなあ……

そこは一人にまで戦力を減らされても、正義の魔法少女といったところか。

まあ、おかげでスーツの弱点を組織の復讐前に理解できたことをラッキーと考えよう。

そう考えないと、ムカついて仕方ない。


「クソッ、だが……もう少しで……」


俺は、何とか仕込みの準備を終わらせた。

目にもの見せてやる!

ベルトにカードを入れて身体能力を強化する。

明日の筋肉痛が心配だが、こちらも多少無理しないと勝てない。

ていうか、負けたら殺されそうな感じだしな。

イエローが向いている反対の茂みから飛び出し蹴りを入れる。


「よっしゃー!くらえーーーーー!!」


と、イエローの顔面に蹴りが決まるが、イエローは構わず反撃してくる。

イエローは俺の足を掴むと、電流を流しながら地面に叩きつける。

俺は咄嗟とっさに受け身を取るが、地面が陥没するほどの威力で変身スーツでもダメージを抑えきれない。


「ぐはっ!!」


「オリャアーーーーーー!!」


イエローは、そのまま何度も俺を地面に叩きつける。

普通なら死んでいるくらいの攻撃だ。

もう正義の魔法少女とは言えない感じの形相だった。

彼女の大切なものを滅茶苦茶にしたのだ、当然だろう。

だが、知るかバーーーーーカ!


「このやろーーーーーー!!」


俺は彼女の顔面目掛けてナイフを投げる。

イエローは少し顔を動かしてかわすが、少し顔にかすり切れて傷になる。

少し怯んだ隙を逃さず掴まれた手を振りほどく俺。


「うおおおおおおおっーーーーーーーーーーーー!!」


「ハアアアアーーーーーーーーーーーーーーーー!!」


俺とイエローは全力で殴り合う。

痛い痛い痛い、やってられるか、クソがあ!!

俺は右手に力を込めて殴りかかる。


「……」


イエローは俺のパンチを回避しつつ、カウンターで手に集めた稲妻を剣のようにして、俺の胸を貫いた。

血が噴き出し吐血する俺。


「ぐはっ!!」


いってーーーーーーーーーーーーーーーー!!

な、なんじゃこりゃーーーーーーー!!!!!

駄目だ……意識が朦朧もうろうとしてきた。

このまま死ぬのか……

なーんてなあ。


「えっ!?」


イエローは俺の姿を見て絶望する。

イエローが胸を貫いたのは、俺ではなくて魔法少女のピンクだった。

ピンクはイエローの攻撃で完全に息絶えていた。

驚き、怯え、困惑するイエロー。


「ウソ、イヤ……イヤーーーーーーーーーーーー!!」


発狂するように泣き叫ぶイエロー。

その様子を楽しみながら、ゆっくりと草むらから現れる俺。

俺は笑みを零しながら、イエローの顔面を殴り始めた。




続く




 

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