26話
26話
木々に囲まれた街外れにある謎の施設。
それを高台から見つめる魔法少女たち4人。
ここが俺の目的の施設だ。
ピンクの掛け声と共に、飛び降りていく魔法少女たち。
「行こう!」
「ああ。」
「わかりました。」
「OKデース。」
それを物陰から見守る俺。
しばらくすると、施設の方から爆発音が聞こえてくる。
「そろそろ行きますかね。」
俺は見つからないように、隠れながら施設に近づく。
作戦通りに魔法少女たちは、施設の正面で大暴れしている。
俺はカメラなどの機材を無力化しつつ、裏口から施設に潜入する。
「さてと、先ずは定番の地下から調べますかねえ。」
俺はベルトに『透明』と書いたカードを入れて姿を消して通路を進む。
しばらくすると、施設の電源が落ちて暗くなる。
おそらく魔法少女たちの攻撃で主電源が、やられたのだろう。
すぐに予備電源に切り替えある。
「おっ⁉ラッキーだぜ‼」
予備電源は主要部屋しか電源が流れないようだ。
俺は電気が付いている部屋に侵入して、その部屋にいる奴らを皆殺しにして部屋を制圧する。
制圧した部屋は、警備室だった。
カメラで施設の状況がわかるし、地図もあったので施設全体も理解できた。
その中で気になる部屋が……
「開発者の研究室か……上手くいけば開発者から作り方を聞けるかな?地下4階か、行ってみるか。」
俺は警備室の機材を破壊して使い物にならなくしてから、地下4階へ降りて行った。
地下4階は研究員と戦闘員たちが大勢居たが、魔法少女たちの攻撃で右往左往していた。
俺は姿を消すより戦闘員のフリをした方が都合が良さそうだったので、クビ……ではなく理不尽に追放されてしまう前に使っていた戦闘員の服を着て、施設を堂々と歩く。
「さて、どこかな?」
混乱してはいるが、その中で何かを持ち出して逃げようとしている研究員を見つける。
その持ち出そうとしている資料の一つを奪って目を通す。
難しいことが書かれていたが、どうやら怪人の強化改造の資料だった。
「ちっ、ハズレか……」
俺は一人の研究員を捕まえて問い詰める。
「お前、変身ベルトの試作品を作ったヤツを知らないか?作り方やカードだけでもいいが……」
問い詰められた研究員は驚きつつも答えてくれた。
「ああ、あの人なら他の組織にヘッドハンティングされて、やめちゃいましたよ。」
「何⁉」
一番予想していなかった答えが研究員の口から出た。
ていうか、ブラッククロウ以外にも悪の組織があるのか?
俺は更に問い質す。
「どこの組織だよ?」
「さあ?詳しくは……他の研究員たちも組織や国から、そういう話を持ち掛けられる事が多いので……」
ああ、そういう感じの裏社会系のやつね。
俺は自分で納得する。
「ベルトの資料なら彼のいた研究室に残っているけど、僕らでも作り方がわからなくてね……持ち出すなら君に任せるよ。」
研究員は俺が上から言われて資料を運び出す戦闘員だと勘違いしているようだ。
あっさり部屋の場所と入るためのパスワードを教えてくれた。
部屋には資料と、幾つかの白紙のカードがあった。
俺は、それらを持ち出した。
それから数分後には魔法少女たちの攻撃で施設が破壊された。
取り敢えず作戦通りで、欲しかった物は手に入ったが……
「さて、次はカードの量産だな……」
俺は再び悪巧みを考えるのだった。
続く




