25話
25話
ピンクとレッドがブルーとイエローに合流して再び地下に戻り、グリーンを発見するまでに3時間以上の時間が経過していた。
そこで見たグリーンの姿は……
殺されたり大怪我されたりは、していなかった。
だが、その姿は中学生である彼女たちにとって、目を背けてしまうような姿にされていた。
彼女たちは魔法で怪我などは簡単に治せるが、心のトラウマのようなものは治せない。
それを狙って、俺はグリーンを滅茶苦茶にしてやった。
まさに、ざまあーーーーーーーーーー!!である。
俺の溜飲が下がって気分がいい。
特に魔法少女たちの複雑な表情が良かった。
結局、見つけた施設は昔に破棄されていたので、魔法少女たちの戦いは無駄骨に終わった。
そして翠は、しばらく精神病院に入院することになった。
俺は、ついにベルトのカードを補充するための作戦を企てる。
当初の目標の魔法少女たちの戦力の半減は達成できた。
朱音と翠は精神的にボロボロだ。
ついでに桃子も、ほぼ俺の言いなりだ。
今、思い出しても気分が良くなって顔がニヤける。
なろう小説の主人公も俺と同じで、多分こんな感じで気分よくなっているんだろうなあ。
強くて敵わなかった強敵が、惨めにボロボロになる姿……見ていて最高だ。
可愛い未来の有望な女の子が、絶望して涙を流す姿を、なろう小説の主人公のように見下すと愉悦が止まらない。
「さてと、作戦はと……」
トリプルSの信頼度も高くなった。
疑っていた朱音と翠は、もう意見できない。
多少無理なことでも疑わず信じて行動するだろう。
戦闘員として戦うより、こういう悪巧みをしているほうが、俺に合っている気がする。
かなりアビリティを使うのをケチっていたが、カードが補充出来れば好きなだけ強いアビリティが使える。
ぜひ、なろう小説の主人公のように好き勝手に、やりたかったんだよなあ。
補充が出来なくても、最低でもカードの制作方法は知っておきたい。
「真正面から戦闘させて、そのうちに俺は内部に潜入するか。今の魔法少女たちの戦力なら、勝つには時間がかなりかかるだろう。」
作戦はシンプルにした。
不測の事態が起こっても変更しやすいからな。
あとは、いつものように校舎の下駄箱に手紙を入れるだけだ。
「と、その前に……」
俺はノートパソコンから隠しカメラで状況を観察する。
翠の病室にもカメラを設置しておいた。
桃子たち4人が悲痛な表情で翠を、お見舞いしていた。
4人と一緒に居たクマっぴが、嫌な記憶を魔法で消す提案をしていた。
脳に負担がかかるが、今より色々と改善されるらしい。
どうするか悩む4人。
愉悦に浸りたいが、手紙を入れる時に出くわさないかのチェックのみに留める。
「さあ、もうひと頑張りだ。」
続く




