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15話

15話




 変身した姿を見た魔法少女たちは、どうしようかと少し躊躇ちゅうちょしていた。

だが、ある1匹の声で事態じたいが動く。


「敵だっぴ、やっつけるクマ!」


と、クマっぴが突然大声で叫ぶ。

その声には、怒りがこもっていた。


「本当なの?」


魔法少女たちも戸惑う。

だが、確信したようにクマっぴが言う。


「あいつが俺たちの国を……」


俺は、この会話でスーツの量産が世界征服の鍵だと理解した。

知れたのはいいが代償がでかい。

5人の魔法少女たちが、一斉に俺に攻撃してきた。


「せいやー!」


レッドが魔法で炎を纏ったパンチで俺を攻撃してくる。

スーツのおかげで色々パワーアップしていて、反応や動体視力もパワーアップしている。

戦闘員の時なら即死しそうな攻撃も、なんとか回避できる。

楽勝とはいかないものの、少し余裕をもって立ち回れるくらいだ。


「こいつ……」


「俺は敵じゃない、待ってくれ。」


俺は攻撃を止めるように魔法少女たちに言う。

攻撃して倒したいが、ここで攻撃して信用を堕としたくない。

だが、彼女たちは俺の言うことを聞かないで攻撃してくる。


「分身の術デース。」


イエローが魔法で10体の分身を生み出す。

分身も魔法を使い、同時にサンダーを放つ。


「うお、あぶねー。」


俺は間一髪、紙一重で全てのサンダーをかわす。

一息ついたところに、ブルーとグリーンの合体攻撃魔法が来る。


「ここです。」


「はい。」


2つの魔法が融合し、植物のつるが急速に成長して俺の身体を縛る。

抜け出せないし、動けない。


「しまった!!」


「くらえ!!」


ピンクがステッキに魔力を乗せて俺を殴る。


「ぐはっ!」


蔓が千切れて壁に激突する。

それくらいの凄い威力の渾身こんしんの1撃だった。

魔法少女たち5人が警戒しながら俺に近づく。


「何者なんだろ?」


ピンクが俺のスーツのマスクを剥がして正体を確かめようとした。

その時、バーカと5人に言ってスーツのマスクが壊れる。


「うそ……」


「お、お母さん⁉」


スーツの中にいたのは、桜だった。

桜は口から血を流していた。

ピンクの攻撃で怪我をしたのは、一目瞭然いちもくりょうぜんだった。


「お母さん、しっかりして!!」


「どういうことなんだ?」


「わからない、桜さんがダークヒーローだった!?」


5人は何が起こったのか解らず混乱する。


「身代わりの術デスカ?」


「幻術などの幻……」


幻じゃないかと思った時、世界がガラスが割れたように壊れる。

血を流していた桜も消える。


「ジャスト1分!!」


世界が元に戻る。

魔法少女たち5人は、ダークヒーローが現れた時から1歩も動いていなかった。


「いい夢、見れたかな?」


ダークヒーローは、クマっぴの横にいた。

何か会話していたようだ。

【蛇の目】と書かれたカードが消滅する。


「では、今日はこれで帰る。またな。」


それだけ言って、ダークヒーローは行ってしまう。

魔法少女たちは、翻弄されて強いように誤解させた。

まあ、俺の強さはスーツの性能のおかげだが、スーツは俺のモノだから俺の実力だなw

あと種明かし。

蛇の目のカードの効果は、1日3回だけ1分間相手に夢を見せる効果だ。

元ネタあれだな、とか突っ込まないでねw

クマっぴが俺を敵と言った時から発動させていた。

なので俺がカッコよく戦闘していたシーンは俺が見せた夢だったのさw

その間にクマっぴと会話したのだが……


「あっ、待ちやがれ。」


「もう、いいクマよ……」


レッドが追いかけようとしたが、クマっぴが止める。

いったい、どんな話しをしていたのだろうか……

魔法少女たち5人は気になったが、クマっぴは内容を教えてくれなかった。

うまく取引出来たし、上々だな。




続く



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