11話
11話目
魔法少女5人と精霊のクマっぴが桃子の部屋に集まって話し合う。
翠は倉庫のこと、手紙のことを考えて、おそらく謎のダークヒーロー、トリプルSの仕業だと推測していた。
「おそらく謎のダークヒーロー、トリプルSは敵の組織、ダーククロウの裏切り者でしょうね、じゃないと活動前の準備段階で情報を得るのは難しいでしょうから。」
翠は話しながらお茶を啜る。
お菓子を食べながら朱音が翠に尋ねる。
「そいつは敵なのか?味方なのか?」
「悪の組織を裏切ッテイルナラ、イイ人デ味方デショウ。」
と、アリスが割り込んで意見を言う。
「私も、そう思うな。」
「わたくしも、ですわ。」
桃子と葵もアリスと同意見のようだ。
翠とクマっぴは、違う考えのようだ。
「あまり簡単に信用しない方がいいっぴ。」
「私も、そう思いますけど……」
と、思いながら翠はクマっぴを見る。
翠はクマっぴ、も信用していない。
まあ10年くらい前から、そういう事が増えたからもある。
他の4人は信用して信頼しているようだが翠だけは、もしもの時のために警戒しているのだった。
「まあ、今のところ害は無さそうですし敵の情報は、ありがたいですからね。」
ひとまず警戒しながらも活用していくことにした。
5人と1匹のやり取りを、俺はノートパソコンの画面で観ていた。
ひとまず計画通りに動きそうだ。
とはいえ、やはりグリーンこと翠は警戒しているな。
「しばらくは情報を提供して信頼を得るだけにしておくか。組織の連中を困らせて、ざまあと思いたいしな。」
俺は組織から盗んだ情報を見ながら、提供してよさそうなものを厳選しつつ、手紙を書いていく。
そしてまた深夜の学校に潜入して手紙を届けるのだった。
数日後……
夜は学校に潜入してカメラやマイクを仕掛ける。
昼は店のバイトをしている。
悪の組織にいた時より忙しいが、好きなことしてるので、充実して生活していた。
「ふああぁぁ……」
大きな欠伸してしまう俺。
それを見て、クスクスと笑う桜。
俺は、慌てて謝る。
「すみません。」
「欠伸くらいいいですよ、でも気を抜きすぎて怪我しないでくださいね。」
怒らずに軽く注意だけする桜。
俺も桜が怒ったところを見たことがない。
俺は桜を眺めながら考える。
『娘に手を出す前に母親の方を先に、いただくとするかな……』
昼休み、桜と一緒に昼食を取る俺。
俺は、お茶を用意しながら彼女の飲むお茶に薬を入れる。
そして、彼女に渡す。
「どうぞ。」
「ありがとう。」
彼女は疑いもせず渡された、お茶を飲み干した。
俺は、それを確認すると薄く笑みが零れていた。
続く