10話
10話目
倉庫の前で暴れる魔法少女の3人。
悪の組織の戦闘員が止めようとするが、逆にやられてしまう。
「ぐへっ。」
「クソ、普通に警察呼んでたほうが良かったのでは?」
「来るまでに、滅茶苦茶にされるぞ。」
「確かに。」
戦闘員たちがボヤキながら魔法少女たちに立ち向かう。
だが、戦闘員では魔法少女たちに敵わない。
「イエローライトニングサンダー、デス。」
黄色の魔法少女のイエローが魔法で手から稲妻を出し、戦闘員たちを薙ぎ払う。
青色の魔法少女のブルーは、荷物目掛けて水の魔法を放つ。
「ブルーウォーターショット。」
荷物の中にある精密機械を水で故障させる。
組織にとっては、数千万円の大損害だ。
「うわっ、最悪だ。」
「怪人呼んで戦わせろ。」
戦闘員のリーダーが下っ端に指示する。
慌てて待機させていた怪人を呼んできた。
カニタイプの怪人だ。
「ちょっと、奴らが現れるの早過ぎじゃないカニ?」
いつもは、ある程度作戦が進行してから現れる魔法少女たちが、準備段階で現れたので戦闘員も怪人も混乱している。
「ピンクマジカルパンチ!」
ピンクが怪人に魔力を帯びたパンチで先制攻撃する。
「カニいー。」
カニの怪人がピンクのパンチに吹っ飛ばされて、倉庫の壁にめり込んでしまう。
「ああっ、ここの倉庫は借りてるだけだから、賠償金が……」
取り乱す戦闘員たち。
更に、そこにレッドとグリーンも合流してきた。
「お待たせ。」
「どうだった?」
「収穫なし、データを全部消されていたよ。」
「ここの連中を倒したら説明します。」
5人は集結し、ポーズをとる。
合体攻撃魔法で、一気に敵全員を纏めて攻撃する。
「マジカルレインボー、シュート!」
「怪人を盾にして逃げろー。」
もう駄目だと判断した戦闘員のリーダーが、全部怪人に任せて逃げる事にした。
戦闘員たちは倒れていたカニ怪人を、魔法少女たちの攻撃の前に立たせる。
「ひどいカニいーーーーーーー!!」
カニ怪人が魔法攻撃で爆発四散する。
怪人の断末魔が倉庫に響く。
その間に、戦闘員たちは蜘蛛の子を散らすように逃げていった。
この倉庫でのやり取りをノートパソコンの映像で見ていた山田太郎。
「ほんっとに、ざまあみろ、だぜ。」
倉庫の情報を桃子に手紙で教えたのは太郎だ。
クビにしたことを後悔させるくらい、あいつらの計画を邪魔してやる。
ざまあ展開というやつだ。
「ただ……」
グリーンは俺が組織のPCのデータを消した事に気付いているな。
取引に使いたいから消したのだが……
印象が悪くなったかもな。
「グリーンと、あとレッドかな。早めに潰しておきたいな……」
続く