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31 お盆

 こんにちは。


 今朝までの大嵐が終わり、各地で被害を出してる雨が嘘のように晴れた。


 なんとなく予想はしていたのだけれど、午後から急きょ、お墓参りのハシゴに出ることになり、目まぐるしい一日を過ごしてきました。


 行くのはお寺三軒。

 うち一軒は高速をつかって二時間ちょっとかかります。

 普通なら三軒を二日に分けて行くのだけれど、コロナ禍になってから去年と今年は弾丸です。


 理由は、お坊さんが檀家巡りをしないので待っている必要が無いことと、田舎へ帰ったところで、向こうのお家で食事をして帰るわけにもいかないから。


 だから一日でコンパクトにまとめることができるし、逆に言うと外出の時間を短くすることで人との接触率を低くする為にせざる得ないという面もある。


 そのような事情で、怒涛のハシゴ。


 私の書いた「ひぃちゃん、つれづれ」を読んでくれた方はある程度、三軒の予測ができる思うのだけれど。


 一件目は妹。

 市内にある、紅葉の観光地としてもちょっと名のあるお寺です。

 自宅と同市内だと言っても、観光がコロナで下火だとは言え道はそれなりに混んでいる。


 到着して、墓石をそれなりに磨いて拭いて、御塔婆を置いて、お花とお菓子を備えて、お線香をあげて手を合わせて……、来た証拠写真を家族で撮って即撤退。

 「また来るね~、」といいながら。

 妹は絶対「早っ!またっていつやねん。」と突っ込んでいる事でしょう。


 そこから次は、一時期同居していた祖母のお墓。

 同市内だが、一軒目と同じ事情で移動に時間がかかる。

 ここは度々サスペンスドラマでもロケに使われる、お寺らしさがきゅっと詰まった抜群のロケーションのお寺。

 (先日たまたま見たドラマで子役で有名だった女優さんがお寺で撮影されていて、ウチのお寺やん。となった。よく見かける。)


 またまたこのお寺でも同じように、挨拶をしてそそくさと撤退する。

 (しかもここは、親せきが掃除などを終えているので、御塔婆とお線香をあげることくらいしかない)


 そして、二時間のドライブ。

 目的地は山奥なので、昨日までの雨の影響を所々で感じながら移動しました。

 

 本当にこの、高速を使って二時間ちょっとという距離。

 絶妙に行きにくいというか……遠く感じると言うか。

 電車はもっと絶望的というか、駅からの手段は無いから車の選択肢しかないんだけど。


 祖母が危ないかもしれないって時に、無理をしてでも、どうして行かなかったんだろう?

 それ以前も、どうして正月もお盆も顔を見せに行かなかったんだろう?と、ずっと考えてしまう。


 前の二軒は、まぁいいんです。

 やるだけの事はやったなぁって思いはあるから。


 しかし最後のこの一軒。

 田舎の祖母の事だけは、きっとどれだけ年月が経っても後悔は消えないだろうなぁと思う。


 でももし、今の私が祖母が生きていた時間に戻って「その用事をキャンセルして顔を見せに行った方がいいよ」と諭したところで、絶対に従わないと思う。

 それはそれで使命を感じていたから、どうしようもなかった。


 だったら、空いている時間に行けばよかったのだ。

 でも、出来なかった。

 それが結論であり、現実。

 どんなに後悔しても、やり直せない。


 本当に十年ほど会わないまま……だったんじゃないだろうか。



 そんな事を、繰り返し手を合わせながら、考える。

 ごめんなさい、と。



 今生きている時は、なかなかそういう事を感じるのは難しいのだけれど、これを読んでしまった縁のある方は、一度考えてみてください。

 昨今は自然災害も多いし、コロナで急に……って事もあるかもしれない。

 逆に会いたくても、施設に入っている方とはコロナがネックで会えないかもしれない。

 

 でも、もし会えるのなら、声をかけられるなら、顔を見せられるなら、行動してほしいと思う。

 そして出来れば写真を撮ってほしい。


 昔の写真はあるかもしれないけれど、「今の自分と一緒に撮れる写真」はこの瞬間にしかないから。


 ……お盆は、色々考えてしまうね、ほんと。


 昨日はジョンとキリストの話を書いていたのになぁ(笑)



 


 

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