表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
I am Aegis 2  作者: アジフライ
5/20

第19話【初めての召喚魔法】

魔王の軍勢に備えて防衛線を張るイージス達は夜中まで王都周辺の見回りをしていた。

「悪いなフォルドゥナ、 付き合わせて」

「問題ありませんわイージス様♡」

他の皆は見張りやら敵の偵察やらで大変そうだからな……唯一呼び出せるとしたらフォルドゥナしかいなかった……というかフォルドゥナと話すのって意外と初めてだったりするな。

「フォルドゥナってさ……守護者の皆とは仲がいいのか? 」

イージスは何気なく質問した。

「そりゃ勿論ですわ、 皆の秘密だって知っていますのよ? 」

へぇ……意外だな。失礼か……

「皆の秘密ってどんな秘密だ? 」

「それは私の口からは言えませんわ。秘密の意味がありませんもの♡」

まぁそりゃそうだよな。

皆の秘密かぁ……めっちゃ興味あるな。そのうち聞いてみるか……

それはそうと……見回りって結構暇だな。自分からやっておいて何だが……何か話してないと暇で仕方ない。

「そういえばフォルドゥナって何が得意なんだ? 」

イージスはフォルドゥナに別の質問をした。

「得意……と言いますと? 」

「ほら、 ロフィヌスは敵の偵察が得意だったり、 レフィナスは戦術の知識が豊富だったりさ……フォルドゥナにも何か飛び抜けた特技とかあるのか? 」

するとフォルドゥナはクスっと笑い答えた。

「私の特技は相手の秘密情報を聞き出すことですわ」

相手の秘密情報……スパイみたいな感じか? ……あっ……

イージスは何となく察した。

「先程言いました守護者達の秘密……あれも私の特技で聞き出したものなんですのよ? 」

「なるほどな……」

確かに凄いな……レフィナスとか絶対に秘密を喋らなそうな性格してるのに……

その後も色々フォルドゥナから話を聞くと今までにも沢山の秘密情報を聞き出してきた経験があった。

例えば相手国の王が何をしようとしているか、 それを聞き出すために変装して王に直接近付き、 誘惑を煽り全ての秘密情報を聞き出す。そして相手国の動きを完全に予知し、 それをレフィナスの戦術で叩き潰す……といったものである。時として大戦争の引き金を引かせ、 国を二つ戦わずして滅ぼしたという逸話もあった。

「フォルドゥナとレフィナスっていい連携してるな」

「ふふっ、 そうでしょう……レフィナスとは昔からの親友ですの」

へぇ、 フォルドゥナとレフィナスが……何か意外だなぁ。あまり気が合いそうな性格じゃなさそうなのに……

イージスは守護者達の意外な面を感じた。

するとフォルドゥナの目の色が変わった。

「……気付いたか、 フォルドゥナ」

「はい……」

イージスとフォルドゥナは丁度メゾロクス王都の北側に来ていた。

「二人いますわね……」

気配がするのはすぐそこの茂みの中だ……

「フォルドゥナ……君の力を少し見てみたい。頼めるか? 」

今まで力を見てないのはフォルドゥナとレフィナス、 あとはロフィヌスだ。フォルドゥナは守護者第二代表だし、 この機会に少し実力を見てみたい。

「畏まりました♡」

そう言うとフォルドゥナは手を二回程鳴らした。するとフォルドゥナの周りの地面から黒い何かが物凄いスピードで飛び出してきた。

黒い何かは茂みに飛び込んだ。

「う、 うわぁぁぁぁ! ! ! 」

叫び声が聞こえてからしばらく経つと茂みから何かが出てきた。

それは全身が黒いオーラを纏った鎧を着た人型の魔物だった。片手で人間を二人程引きずっている。

そして魔物はイージス達の目の前に人間を放り投げた。

「ご苦労様、 シャドウバーサーカー♡」

ほぉ、 あれはシャドウバーサーカーって言うのか……召喚魔法で出せるのか?

(はい、 召喚魔法により生まれた魔物です。シャドウバーサーカーは超位魔物なので戦闘力は最高クラスです。)

ジースが答えた。

俺も後で召喚してみようかな……

そしてシャドウバーサーカーは影のように消えてしまった。

「私は召喚した魔物を空間魔法で収納していますの。最高傑作は全部で200体ってところでありますわね」

「そんなに魔物を……まるでネクロマンサーみたいだな」

「ノンノン……ネクロマンサーだなんて伊達じゃありませんわ。影の支配者をも凌ぐ力を私は持っていますのよ♡」

影の支配者?

するとジースはまた答えた。

(影の支配者、 ネクロマンサーの三段階上の超位職業の一種です。より強力な魔物を召喚し、 大量の軍隊を一人で作ることが可能の職業となっております。)

そんな職業あるのか……ってかそれを凌ぐって……流石はメゾロクス第二戦力……

「ふふっ……さて、 この不届者をどう始末致しましょうイージス様? 」

見たこともない服装……魔王軍か?

すると人間達が目を覚ました。

「ひぃぃ、 影が……影が襲ってきた! 」

「落ち着け。お前達は何者だ? 」

人間達がイージスに気付くと突然泣きながらしがみついてきた。

「頼む、 助けてくれ! このままだと魔王軍に殺される! 」

……魔王軍じゃないのか……?

イージスは二人を落ち着かせ事情を聞いた。

「……なるほど、 メゾロクスの王都に向かおうとしていたら魔王軍に見つかってそのまま追われてたのか……」

二人は旅の者だった。

見れば二人は身体中汚れていたが怪我はない。

……あくまでも民間人は襲わないということか……魔王にも慈悲はあるみたいだな。

だが民間人を巻き込もうとしているのは許せない。どこから二人が来たのかが分かれば今どこまで魔王軍が来ているのかが分かる。そして一気に突っ込んで潰す!

イージスは二人からどこから来たのかを聞いた。

「君達はどこから来たんだ? 」

「ここから……約5㎞程からかと思います……必死でよく覚えていませんが……」

なるほど……以外と近くまで来てたんだな……日の出と共に攻撃を開始するつもりだったんだろう……

「分かった、 ありがとう。ここなら安全だ。フォルドゥナ、 二人を頼めるか? 」

「畏まりました♡」

そしてフォルドゥナは旅人二人を連れていった。

「……さて、 行くか」

イージスはそう言うとどこかへ飛んでいった。

……………………

移動中、 イージスはジースと話した。

「……ジースさん、 魔王軍がいる座標は分かる? 」

(はい、 ここから10時の方向に約7㎞程です。)

あの二人が言っていたよりは遠かったな。まぁ近いのは変わらないが。

そしてイージスは一番気になっていたことをジースに聞いた。

「ジースさん、 俺にもフォルドゥナと同じように召喚魔法とか使えるのかな? 」

(はい、 主様なら超級魔物の召喚は余裕かと。)

あ、 やっぱりできるのね……丁度良さそうだし魔王軍に試してみるか。

そしてイージスは魔王軍がいる場所の上空へ来た。そこには大量の魔物達がメゾロクスの王都へ向かっている途中だった。

……いるな……四天王……一人だけ明らかに気配が違う。だが他の奴らは大したことはないか……

イージスは魔物の軍隊の目の前に降り立った。

「な、 何だ貴様! ? 」

「こいつ……まさか! 」

イージスを見た魔物達は慌てた。

俺の事は知ってるみたいだな。さて、 この軍隊を相手にどこまで俺の召喚魔物は戦えるか……

すると魔物達は構えた。

「準備はいいか? なら始めるぞ」

ここへ来て初めての召喚魔法だ……召喚魔法……

するとイージスの周りにいくつもの魔方陣が現れた。

(スキル、 複製、 魔法超強化が発動します。)

……召喚魔法のコツは召喚したい魔物のイメージを固めて……そのイメージを魔力回路に流し込むように……展開する!

次の瞬間、 魔方陣から影のように黒い鎧兵が何千体も現れた。鎧兵だけではない、 全身は黒く、 目は赤く光る天使……超巨大な黒い骸骨をした龍までも現れてきた。

(召喚魔法、 マキシマムシャドーナイト、 ダークフォーレンエンジェル、 エクリプスアンデットドラゴンの生産に成功しました。合計9534体の魔物が生産されました。)

イージスが召喚したのはどれも前にイージスが本で見た伝説級の召喚獣ばかりである。

……これやり過ぎかな……? まぁいいか……

そしてイージスは召喚された魔物達に驚いている魔王軍の魔物達に向かって手を向けた。

「……殺れ」

イージスがそう言った瞬間、 召喚獣達は一斉に魔王軍の軍勢に襲いかかった。

鎧兵達はそれぞれ違う武器を出し次々と魔物達を倒していく。天使達は空から黒い槍を大量に降らせ、 上空にいた魔物達を串刺しにしていく。そして龍達は口から青い炎を吐き、 さらには怪しい光を放ち魔物達を焼き、 光に当たった魔物達は腐るように溶けていく。

それを見ていたイージスは……

「うわぁ……我ながらエグ……」

目の前に広がる地獄絵図に思わずそう呟いた。

その後、 イージスの前まで襲ってくる魔物は一体もおらずそのまま殆どの魔物達を倒してしまった。

すると……

(報告、 マキシマムシャドーナイトが624体消滅しました。)

……ついに四天王が現れたか……ここは召喚獣だけじゃ駄目だな。

イージスは気配のする方へ歩いていった。

「もういいぞ、 ご苦労様……」

イージスは召喚獣達に一時撤退の指示を出し、 四天王のいる場所まで来た。

そしてイージスの目の前に現れたのは……

「貴様がイージス殿か……へディルを倒したと聞いたが……なるほど、 あいつも殺られる訳だ……」

黒い鎧を纏った白髪の男エルフだ。

……レベルは……

(スキル、 能力透視・極が発動します。)

……862……へディルよりは低いが……今度は正々堂々と正面からの戦いだ……油断はできない……

「さぁ、 始めよう……我が名はザディス、 四天王第三の戦力だ! 」

イージスとザディスはお互い構えた。

続く……

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ