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I am Aegis 2  作者: アジフライ
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第18話【動き出す悪】

前回、 イージス達は樹海に住むエルフ族の依頼で神殿に封印されていた鬼神を倒しに行った。しかし、 鬼神はイージスが思っていたよりも弱かったため勝負にならず……挙げ句の果てには鬼神は降伏した。

それに対してイージス達は鬼神の生い立ちを聞き、 今まで仲間がいなかった鬼神と友達になったのだった。

……………………

「……で、 里まで連れて来たのはいいが……」

「すごーい、 鬼神なんて初めて見た! 」

「友達が欲しかったなら初めから言ってくれれば良かったのに! 」

……どうやら心配無さそうだな。エルフ族の人達が優しくて良かった。

その後、 イージス達はクレウスと話した。

「今回の件に関して、 本当にありがとうございます……鬼神の暴走を抑えただけでなく、 この村の守り役として連れて帰ってくれるなんて……感謝しきれません」

「いやいや、 俺はただ連れて帰っただけなんで……」

本当はもっと強い奴と戦いたくて来たんだけどなぁ……まぁいっか、 皆が喜んでくれてるなら……

するとクレウスの家に鬼神が入ってきた。

「イージス、 まだなのか? 」

「え? 」

「祝いの宴、 もう始まっているぞ? 」

宴……クレウスさんが手配したのか?

イージスはクレウスの方を見るとクレウスはニコニコとこちらを見て微笑んでいた。

「……あぁ、 そういうこと……」

「それでは行きましょうか」

そしてイージス達は外に出て宴会場に向かった。

宴は盛り上がり、 イージスはまた美女エルフ達から引っ張りだこになりザヴァラムはまた酒を大量に飲み干した。

……………………

しばらくしてイージスは一旦食休みのために会場を後にした。すると近くにあった釣り橋の上で鬼神が夜空を見上げながら座っていた。

「……」

「どうしたんだ、 こんな所で」

イージスは鬼神の隣に座った。

鬼神は空を見上げたまま話す。

「……礼を言うぞ、 イージス……妾に居場所を与えてくれて……」

「……気にするな、 苦しんでいる人を助けて守るのが俺の信義だし」

「……そうか……」

すると鬼神は遠目で宴会場の方を見た。

「……お前は本当に羨ましい……あんなにいい仲間がいて……」

まぁ成り行きで仲間になっていったんだけどな……今考えると本当に会えて良かったと思えるな……ラムや他の皆も……

次に鬼神はある忠告をイージスに言い渡してきた。

「……しかし、 仲間が多いということはそれに応じた失う物が出てくる……孤独には失う物は無かったが……」

「失う物……? 」

イージスはその時、 あまり鬼神の言う言葉の意味が理解できなかった。

「まぁ今はまだその時ではないということだな……せいぜい仲間との時間は大切にするんだぞ」

「ん? ……あぁ……」

そして鬼神は立ち上がり、 イージスを見下ろした。

「さて、 そろそろ戻るか」

「……そうだな」

イージス達は宴会場に戻ろうとした。

すると鬼神は途中で立ち止まり、 イージスの方を振り返り。

「……妾の名を教えておこう、 名はユリだ」

「……そうか、 いい名前だ」

そしてイージス達は宴会場に戻った。

翌朝、 イージス達は街に戻るため里を出ようとしていた。エルフ族の皆がイージス達を見送ろうと集まってきた。

「イージス様、 本当にありがとうございました」

「この借はいつか必ず返そうぞ」

「またいつかここにお越し下さい、 その時はもっと盛大なおもてなしをさせて頂きます」

「あぁ、 またな」

そしてイージス達はエルフの里を後にした。

ユリはエルフの里の守護者としてあそこに残ることになった。

ひとまず解決だな……でも結局強者とは戦えなかったなぁ……やっぱり守護者並みの強さが無いといい勝負ができそうにないよなぁ……

イージスがそんなことを考えながら樹海を歩いていると……

「……む? 」

……何だ、 妙な気配を感じる……

(スキル、 超探知が発動します。)

イージスが探知を使った瞬間、

「アッハハハハハ! ! 」

突然笑い声が樹海に響いた。

いた、 俺から見て4時の方向!

イージスは雷の弓矢を出し、 反応があった場所に撃ち込んだ。するとそこから何かが飛び出してきた。

見えた……人間……では無さそうだな。目の色が左右違う。

姿を現したのは白髪の女だった。

「やるねぇ……あんなギリギリでかわしたのは初めてだよぉ……」

……! ? 能力透視が効かない……ヤバい、 奴は今までの敵よりもかなりヤバい! !

「ラム、 二人を守れ! 」

「承知致しました! 」

「イージスさん! 」

イージスは咄嗟にザヴァラムにミーナとヒューゴを守らせた。

「おっとぉ、 そんなに警戒しなくてもいいよぉ……今回は戦いに来た訳じゃないからねぇ」

「お前は誰だ! 」

クソッ……能力透視が効かないから相手の強さが正確には分からない!

するとジースが……

(報告、 能力透視・極を習得しました。)

ナイスタイミング、 ジースさん!

イージスは新しいスキルを習得した。そして早速使うと……

……おぉ……! ……おぉ……? あれ? 思った以上にレベルが低いな……?

その女のレベルは867と表示されていた。

隠蔽の痕跡は見られないから間違い無さそうだけど……何で守護者達とそんなに変わらないのに最初は見れなかったんだ?

とは言えレベルはラムにギリギリ届きそうなレベルだ……油断はできないな。

すると女は話し始めた。

「アタシは魔王様直属の四天王の一人……ヘディル様だよぉ。今回はさっき言った通り、 戦いに来た訳じゃない……魔王様からの伝言を預かって来たんだ」

それを聞いたイージス達は驚いた。

「ま、 魔王だって! ? 」

マジか……遂に魔王という言葉が出てきたか……ここで……!

「そうさ、 いずれ世界を支配する魔王様だ」

「それで……伝言っていうのは? 」

「簡単に伝えるわ……近いうちにお前達の国、 メゾロクス王都に7万の軍勢をけしかける」

な、 7万! ? ヴァル・ハザード帝国よりも多いぞ! それがメゾロクスに来るなんて……

でも何故俺にそんな情報をわざわざ教えるんだ?

「……何故そんなことを教える? 」

「さぁね、 魔王様の考えは分からないからねぇ。それじゃあアタシはこれで失礼するよ」

ヘディルはイージス達に背を向け、 立ち去ろうとした。

……こいつは今逃がすのはまずいかもな……よし!

イージスはザヴァラム達を転移魔法で少し離れた距離に移動させた。そして次の瞬間……

超結界魔法……転移無効、 魔法無効、 物理無効!

イージスは結界でヘディルを閉じ込めた。

「なっ! ? 」

「これで逃げられない! いくぞ! 」

するとヘディルは武器を出した。

「舐めた真似をしてくれるじゃないか……結界破壊! 」

ヘディルは手を出したが何も起こらない。

「無駄だよ、 破壊系の魔法も無効にするからな。悪いがお前をここで生かしておくのはまずいと判断した。ここで死んでもらう! 」

イージスは背中の剣を抜いた。

この狭い空間で使える剣技を御披露目だ……剣技……

そしてイージスは構えた。

(スキル、 超級戦闘術、 身体能力超越、 武器超強化が発動します。)

「くっ……ここで死ぬ訳には……! 」

ヘディルがそう言った瞬間、 イージスは結界の壁を蹴りながら猛スピードで結界内を跳ね回った。

「ライトニングダッシュ! ! ! 」

イージスはヘディルの首に刃を振った。

しかし、 刃が当たる瞬間ヘディルは姿を消した。

……速度強化と透明化のスキルか……だが!

イージスは後ろに刃を振った。するとそこからヘディルの姿が現れた。

そしてヘディルの首が落ちた。

「やはり……敵わないというわけ……か……」

首だけになったヘディルは言った。

「……一瞬で決めてなかったら危なかった……」

イージスはヘディルの首を見ながら呟いた。

しかしこの剣は相変わらずだな……四天王の首も豆腐のように切れた……これが無かったら逃がしてたかもな……

するとへディルは消滅する途中、 こう呟いた……

「最後に……会いたかったなぁ……アル……ゲル……」

「! ? 今何て……! 」

それを聞いたイージスはへディルに聞こうとしたがその前にへディルは消滅してしまった。

……何故アルゲルの名前を……まぁ今考えたって仕方ない……か……

イージスは結界を解くとミーナが抱き付いてきた。

「イージスさん! 死んじゃうかと思いましたぁ! 」

「ごめん……心配してくれてありがとう」

「イージス様……いくら貴方様でも無茶は止めて下さい……」

「ごめんラム……」

……てか、 これで四天王の一人を倒したってことだよな……あと三人か……次はこんなに上手くいかないだろうなぁ……

「……城に戻ろう、 魔王の軍勢に備えて防衛を固めよう」

イージス達は急いで自分たちのメゾロクスの王都へ戻った。

城に戻ったイージスは玉座の間に守護者達を集めた。ヒューゴは興奮しながら城の見学へ行った。

そしてイージスは守護者達に今までの事情を説明し、 すぐに防衛線を張るように指示を出した。

まさかこんなに早く城に戻ってくることになるなんてなぁ……

イージスはそんなことを考えているとレフィナスが玉座の間に戻ってきた。

「イージス様、 防衛線の準備が全て整いました。いつでも撃退できます」

「ありがとう」

そしてイージスは玉座から立ち上がった。

……………………

その頃、 魔王の城では……

「……魔王様、 伝言の報告へ向かったヘディルがイージスに殺されました……」

獣人の少女が魔王に報告した。

「……そうか……やはり殺されてしまったか……」

「……分かっていたのですね? 」

「まぁな……報告ご苦労……下がって良いぞ」

「はっ」

そして獣人の少女は部屋から出て行った。

「四天王を倒した暁には……いよいよ我が出る時か……」

魔王は呟いた。

(もうすぐ四天王の一人がメゾロクスに着く……これで終わらなければいいのだが……わざわざ計画を教えたんだ、 きっと生き残るだろう……)

メゾロクス王都に魔王の軍勢は……すぐそこまで来ている…………

続く……

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