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I am Aegis 2  作者: アジフライ
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第26話【死神の女】

前回からの続き、 決勝戦……

『さぁお次は、 ここまでザヴァラム選手と同様に一撃で相手選手を倒してきた聖剣王、 イージス選手ーーー! ! ! 対するその相手は……』

司会の紹介と共にイージスが出てきた出入口の反対側の出入口から黒い霧が出てきた。

異様に静かな足音が観客達を恐怖させる。

『今までこの大会で勝てた選手はいない! ! ルスヴェラートの死神と呼ばれる強豪選手……テルフォレーヌ選手ーーー! ! ! 』

会場に大歓声が巻き起こる。

中にはテルフォレーヌとコールする声も聞こえる。

リングに上がったテルフォレーヌはイージスに話しかけた。

「……楽しみにしてたよ。この試合を……アンタとの試合を……」

「君も中々強いみたいだな。楽しみにしてるよ」

「さぁ、 宴の始まりだ……! 」

試合開始と同時にテルフォレーヌはイージスに大鎌で襲い掛かってきた。すると聖神剣が大鎌を弾いた。

それに驚いたテルフォレーヌは一旦距離を取る。

「……その剣……まさか伝説の……」

「あぁ、 これ? 俺が危険を感知すると自動的に攻撃してくれるんだ。便利だろ? ……さて、 どう対抗する? 」

するとテルフォレーヌの動きが変わった。まるで複数に増えたかのように見えるようになったのだ。

影分身とは違う……これは……

(はい、 気候操作魔法、 蜃気楼です。)

なるほど……空気系の魔法が得意って訳か……だとしたらさっきの黒い霧も同じ魔法だ……

イージスがそんなことを考えているとテルフォレーヌが後ろから斬り付けてきた。

目の前に姿があっても残像のようにそこには実体が無い……なるほど死神と呼ばれる訳だ。

イージスはテルフォレーヌに背を向けたまま背中の剣を少し抜き、 大鎌を止めた。

「なっ! ? 」

「流石に驚いたか? 見えてないはずなのに受け止めるなんて……よっ! ! 」

イージスはそのまま剣を抜きながら後ろになぎ払った。

なぎ払いで吹っ飛ばされた勢いでリングの外へ出そうになった瞬間、 テルフォレーヌの体は宙に浮いた。

「ほぉ、 浮遊も使えると」

「あまり舐めない方が身のためだぞ……」

確かにそうかもしれないな……能力透視ができないんじゃあまり油断はできない……

「ここまでやってくれるアンタに敬意を表するよ……その敬意を込めて次で終わらせてやる……苦痛無く……! 」

するとテルフォレーヌの周りから黒い霧が出てきた。あっという間にリングは黒い霧に包まれ、 見えなくなった。

『な、 何が起きているんだぁーー! ? リングが黒い霧に包まれて見えなくなってしまったぁーー! ! 』

霧の中でイージスはじっとしていた。

……これは霧だから暗視は効かない……だが……

(スキル、 超探知が発動します。)

「……そこか! 」

イージスは後ろに向かって剣を振った。激しい金属音と共に大鎌を持ったテルフォレーヌが現れた。

「くっ……何故分かる! ! 」

すぐにテルフォレーヌは姿を消した。そして間を開けずテルフォレーヌが次々とイージスに攻撃を仕掛けてきた。しかしイージスはその攻撃を全て受け流している。

観客席からは何が起きているのか分からず混乱していた。

「イージスさん……あの中で闘ってる……」

「すげぇなやっぱり……あん中でもやられないって……」

ミーナとヒューゴは唖然としている。

しばらく霧の中で闘っていたイージスだったがそろそろ痺れを切らした。

「あーめんどくさい……魔法強制解除! 」

すると霧が一斉に晴れた。

「うぇ! ? 」

イージスは空中にテルフォレーヌがいるのを見つけると目にも止まらぬ速さで飛び上がり、 テルフォレーヌの顔面にかかと落としを入れた。テルフォレーヌは地面に叩き付けられ、 辺りに砂埃が舞った。

……中々丈夫な仮面だ。本体にはさほどダメージが無い。

イージスが地面に降り立つとテルフォレーヌが起き上がった。すると……

「……ピキッ」

骸骨の仮面にヒビが入り、 真っ二つに割れてしまった。

(報告、 能力透視が有効になりました。能力透視を発動します。)

そうか! 今までステータスが見えなかったのはあの仮面に掛けられた魔法のせいだったのか!

イージスはテルフォレーヌのステータスを見た。

………………薄々気が付いていたけど……レベル524……ラムでも勝てるじゃねぇか……それでも強いけど……

「よくも……私の仮面を……! 」

「あぁーーーもう……期待して損した! もういい、 終わらせる! ! ! 」

「何を訳の分からないことを! 」

(スキル、 身体能力超越が発動します。)

次の瞬間、 イージスの姿が消え、 テルフォレーヌの体は今まで聞いたことがない程の激しい轟音と共に地面にめり込んだ。

リングだけでなく観客席まで大きなヒビが走り、 中央部分は原型を留めないほど地面がボコボコになった。

「……あぁ……」

遠目で見ていたザヴァラムは唖然としていた。

『い……イージス選手、 一体何をしたんだぁーー! ? リングがめちゃくちゃだぁーーーー! ! ! 』

突き出た地面の一部の上にイージスは着地した。

リングだった場所の中央には大きなたんこぶを作ってうつ伏せになって倒れているテルフォレーヌがいた。

「……ウゥ……」

『て、 テルフォレーヌ選手戦闘不能! ! イージス選手の勝利ぃー! ! 』

流石に観客達はドン引きしちゃったかな……?

すると観客席からは怒濤の大歓声が巻き起こった。

あ……良かったんだ……

(観客の皆さんはこのような激しい戦闘が好みだそうです。)

そうなんだ……っで……テルフォレーヌは大丈夫かな? 思わずやり過ぎちゃったけど……

(生命反応は正常です。)

良かったぁ……どうも力加減ができないからなぁ俺は……

その後テルフォレーヌはそのまま医務室へ運ばれ、 リングは修復要員に治してもらった。

数十分後……

リングの修復が終わり、 いよいよ優勝者決定戦が始まろうとしていた。

「ラム、 遠慮はいらないよ。ただ被害範囲は狭くね」

「は、 はい……」

『さぁいよいよ優勝者決定戦です! ! イージス選手とザヴァラム選手、 一体どちらが強いのでしょうかぁーー! ! 』

そして最終決戦が始まった。

次の瞬間、 リング中に轟音が走った。そこに二人の姿が無く、 衝撃波だけがあちこちに発生している。

「う、 動きが速すぎて姿が見えない! 」

「やべぇなあの二人……」

観客達は何が起きているのか分からず唖然としている。

……速い、 流石守護者……身体能力超越でもギリギリだな……この前戦った時よりも速くなってるか?

「……流石イージス様……勝てる気がしません……! 」

「いや……勝つ気がないと困るんだけど……」

確かに俺を倒すまではできないかもしれない、 でも場外に出せばラムの勝ちだ。そしてラムのこのパワー……油断はできない。

しばらく殴り合いが続き、 ようやく二人はリングに足を付いた。次に二人は武器を出した。

『両者共々強い、 強いぞぉーーーーー! ! ! お互い一歩も譲らないぃーーー! ! ! 』

そして続いて剣の闘いが始まった。激しい金属音がリング中に広がる。

「やるな……だけどそろそろ終わらせてもらうよ! 」

イージスが剣を弾くとそのまま空へ飛んでいった。その後をザヴァラムも追った。

「追って来ると思ってたぜ! ! これで決める! 」

超強化魔法、 身体能力、 腕力、 速度、 武器、 魔法……

(スキル、 身体能力超越、 魔法超強化、 超高速化が発動します。)

するとイージスは自分の剣と聖神剣を重ねて体ごと回転し出し、 ザヴァラムに向かって急降下した。

「ま、 まずい……! 」

ザヴァラムは咄嗟に両手の大剣でガードしたがイージスの回転斬りに大剣が砕けた。そして……

「ガイアスラッシュ・天……! ! 」

ザヴァラムはイージスの剣に吹き飛ばされ、 リングの外側の地面に叩き付けられた。

「グッ……」

『ザ、 ザヴァラム選手場外ぃーーー! ! ! イージス選手の勝利ぃーーー! ! よって優勝者はイージス選手ぅーーーーー! ! ! ! 』

大歓声が闘技場を走った。

ザヴァラムはこういう試合形式には経験が無いから結構早めに決着が着いた……

地面に降りたイージスはザヴァラムの手を引いて起こした。

「いい闘いだったよ、 ラム」

「そう言って頂けると光栄です」

さて……景品は何かな?

そして間もなく閉会式が始まった。

『いやぁ、 イージス選手は本当にお強い! 噂通りの強さでしたね! 』

「ははっ……まぁ……」

レベル1000なんてこの大会どころか世界のどこにも存在しないだろうし……今回テルフォレーヌを見て確信したよ……

『さぁ優勝者のイージス選手には賞品として……』

さぁ何が来る! 何気に景品も楽しみにしてたし!

『この最新型の飛空挺を差し上げます! ! 』

……これメゾロクスで開発した船じゃねぇかぁぁあぁぁぁぁ! ! ! ! !

……こうして大会は無事終了したのだった。

闘技場を出てイージス達は宿へ戻ろうとした。すると後ろから誰かが声を掛けてきた。

「おい、 イージス! 」

「ん? 」

テルフォレーヌだ。

何だ? まさか根に持ってしまったかぁ……?

「優勝おめでとう。アタシに勝てた人間はアンタが初めてだ。おっと、 今はもうメゾロクスの王様か……じゃあ失礼は働けねぇな……」

……根には持ってなさそうか……テルフォレーヌって意外とスポーツマン? いやウーマンか……

「いや、 今の俺は冒険者だ。そんなに畏まらなくていいよ。それより仮面壊して悪かったな……ほらっ」

イージスはテルフォレーヌが着けていた仮面を出し、 投げ渡した。

「これは……! 」

「あの試合の後、 直しておいたよ」

「イージス様のお気遣いに感謝しなさい」

「……ハハッ、 流石大会優勝者だな……魔法まで元通りだ……」

透視系のスキルを防ぐ魔法道具、 中々面白いからコピーさせてもらった……いいよね?

テルフォレーヌは仮面を着けた。

「それじゃ、 長話も何だからアタシはこれで失礼するよ」

「あぁ、 またどこかで」

するとテルフォレーヌは別れ際に言い残した。

「……次会う時がアタシの仕事の時じゃなければいいがね……」

あ……やっぱり殺し屋なんだ……

まぁ俺を殺す前に守護者達がいるからなぁ……てか殺されるような恨みとか買ってないし……

そしてテルフォレーヌはイージス達の前から闇夜に姿を消した。

「……さて、 俺達は宿に戻るか! 」

「はい、 イージス様! 」

「いやぁにしても相変わらずの強さだよなぁイージスさん」

「本当に、 反則的ですよね」

……こうしてイージスの闘技大会は幕を閉じた。

続く……

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