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となりの慈英さん  作者: 芥川先生
7/8

EXTRA 桜舞い散る中で

桜並木の下、学生2人にはだだっ広く感じるブルーシートに座り、買い出しに出たみんなの帰りを待っていた。


慈英さんと、2人きりで…



……………………

怪魔荘の住人達と親しく(?)なる中で、ぼくや慈英さんを中心に親睦を深めようと花見に誘われていた。


企画者は佐久間さんだったが、ぼくは彼女の瞳の奥に「酒」の字が浮かんでいたのを見逃さなかった……



だが、こうして慈英さんと2人きりで過ごすことができたのは正直ありがたい。


最近は佐久間さんを中心に、怪魔荘の連中に振り回されてばかりで、なかなか慈英さんと話すことができなかったのだ。


…しかし、私服の慈英さんも可愛いなぁ…

薄いピンクのワンピースに、茶色の肩掛けカバン。

カバンの紐が彼女の形のいい胸を…

っといけない。

佐久間さんみたいな思考になってしまっている…


せっかくだ。

何か話さないと…



♡……………………………………♡

久しぶりに徳井さんと2人きりになれた…


話したいことはたくさんあるのに、胸が高鳴ってなかなか言葉が出ない…


引っ込み思案な性格。 わたしの嫌いなところ…

直したいんだけど、難しいなぁ…



今日の徳井さんもカッコいいなぁ。

それに、私のことを気がけてくれているのか、チラチラ見てくれているのが分かる…


やっぱり優しくてステキな人だなぁ…



…徳井さんには、とても感謝している。

あの日の出会いから、徳井さんとの繋がりでたくさんの人と仲良くなれた。


大芦くんに、番場さん。佐久間さんに木吉さん。大神さんにクルスちゃん…


変わった人も多いけど、どの人もとても優しくしてくれる…


徳井さんのおかげで、わたしの世界は広がった。


あのひとりぼっちのコテージから、実家の離れから、木と戯れるしかできなかったわたしの世界は、この人のおかげで広がっていったんだ…



「徳井さん。」


ん?と彼は振り向く。


精一杯の笑顔で、わたしは言った。

「ありがとうございました。」



…………………………………………

突然の彼女の言葉に、何よりその笑顔に困惑した。


春の陽に照らされた彼女の笑顔が眩しくて、目がくらみそうになる…



可愛い過ぎか!


しかし、ありがとうございました、とはなんだろう?


「ねぇ、慈英さん…」

ありがとうございました、の理由を尋ねようとしたとき、ヤツらは帰ってきた。

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