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「お前たち、そんなところに立ってないで一緒にコーヒーでもどうだ?」
シン達がミフネの方を見ながら固まっていたのでミフネがシン達に問いかけた。
その問いかけに対して5人は頷きカフェテラスに入った。
5人はミフネの座っているテーブルの席に座り飲み物を注文した。
「サクラのお父さん聞いてもいいですか?」
最初に言葉を発したのはマイだった。
「いいよ。私が答えれることなら答えよう。あと私の名前はミフネだ」
ミフネは微笑みながらマイに言った
「では、ミフネさんがこのゲームを作ったって本当ですか?」
「本当だよ。私がこのゲームの作者だ。」
「というか、先輩が一人で作ったものですよね」
ミフネの言葉にユウキが付け足した。
「一人と言うのは語弊があるな。正しくは私とAIのアリンだ」
このゲームを作る前からアリンは存在していた。ミフネがアリンを作ったのはゲームを作る20年以上前の話だ。最初はただの話し相手のつもりだったがアリンの成長は早く気付けば自分で考えるようになりミフネの手伝いをするようになった。そしてミフネはこのゲームを作る際サーバーの管理を一番信頼していたアリンに任せた。ミフネはアリンのことを娘だと思っている。
「そんなことより、お前あのゴブリンはなんだよ!」
ミフネ達の話を聞いていたシンが痺れを切らして言った
「ゴブリン?北のボスのことだな。その様子からすると負けたのか。」
ミフネはシンの防具の状態から北のフィールドボスと戦ったのだとわかった。
北のボスは南のボスよりも2倍近く強い。シン達でも勝てなかったということは現状普通のプレイヤーでは勝てない。
「お前たちを含めた14人のトッププレイヤー用に作ったボスだからな強くて当然」
「俺たちがトッププレイヤーですか?」
ユウキがミフネに聞いた。本人たちはいたって普通にプレイしているのだろうが、プレイヤー全体でみると飛び出ていることをミフネはシン達に伝えた。
「お前たち北の森で夜戦闘したことあるだろう?」
「ああ、確かに戦ったな。強かったがぎりぎり勝てたぞ」
ミフネの質問にシンが答えた。
「まず、それがおかしいんだ」
北の夜モンスターは本来βでは倒すことは想定されていないのだ。北の昼モンスターがLv17~19なのに対して夜モンスターは25~30なのだ。シン達のLvより10以上高いのだ。それの差をシン達は連携とプレイヤースキルで補っているいるのだ。それに加えてシン達は基本4人私がいないときは4人で行動している。このゲームのPTの人数上限は6人なのだ。2人足りない状態で夜モンスターと戦えていること自体がおかしいのである。
「お前たちが倒した北の夜モンスターはステータスだけを見るとお前たちの2倍以上だ。」
それを聞いたユウキはあることを思った。
「では、俺たちの戦ったあのゴブリンは一体どれだけ強いんですか?」
「ステータスだけで言うなら北の夜モンスターの2倍くらいだな」
「それ、勝てるんですか・・・」
「さあな」
ユウキの質問に適当に答えてミフネはメニューをいじっていた。
「そろそろだな」
そういってミフネは立ち上がった。
「お父さんなんか起こるの?」
立ち上がったミフネにサクラが聞いた。その瞬間アナウンスが全プレイヤーに届いた。
《南のフィールドボスをケンジ様のPTが討伐しました》
《東、西、南のフィールドボスが討伐されたことにより、モンスター襲撃イベントがβテスト最終日に開催されます。イベントの途中参加はできませんのでお気を付けください。詳しくは公式サイトをご確認ください》
「イベントの発生条件に北は含まれてなかったんだ」
サユリが独り言を言った。
他のメンバーは公式サイトを見ているのか静かだった。
「一ノ街を守りながら中ボス4匹とボス1体を討伐または撃退か」
「撃退ってところが気になりますね。」
「でも、お父さんが考えたってことはトッププレイヤー全員で勝てるレベルだと思う」
シン達が話し合いを始めたのでミフネは「今回私は忙しくてお前たちとPT組めないが頑張ってくれ」と言い残しログアウトした。
シン達は掲示板でイベントの情報を他のプレイヤーとボスの予想や城の守りなどを話し合った。
イベント当日
ミフネは空から広場を見下ろしていた
「さて、準備は整った。あとは始めるだけだな」
《そうですね、尻尾の操作はなれましたか?》
「なんとかな、腕が11本あると思えばいけたぞ。」
《(普通の人はそんなことできないと思いますが)》
《では、イベントの開始宣言をお願いします世界神様》
いつものキャラアバターでも魔王アバターでもない世界神仕様のミフネが立っていた。
雪のように白い肌腰まである髪は白く目は琥珀色の少女がプレイヤーを見下ろしていた。
《これより、モンスターとの戦争を開始します!》
《この町を守りきれればプレイヤーの勝利です》
《この戦争での貢献度に応じて報酬を用意していますよ》
《最後にそなたたちに私の加護を与えます》
少女姿のミフネは姿を消しプレイヤー全員が淡く光り加護がついた。
プレイヤーが淡く光った直後、
《制限時間5時間》
《モンスターが動き始めました》
プレイヤーは急いで予定していた地点に走った。
プレイヤーが門の前に着いたときすでにモンスターが目視で来た。
そこには万を超えるモンスターが街に向かってきていた。
「魔法使いと弓は攻撃の準備だ急げ!」
「剣士は魔法と矢が外れたモンスターを防ぐぞ」
各自自分の仕事をするように移動する。
シン達も40人で中ボスを討伐して回るために最終確認していた。
「中ボスを発見し次第俺たちも向う」
「とりあえず、俺たちは雑魚は無視だ」
「4体いる中ボスを1体につき10人で挑む」
「中ボスを討伐後ボス出現アナウンスを聞いたら40人でボスに行くぞ」
確認が終わり、シン達も他のメンバーと集まり中ボスの発見を待っていた。
一方ミフネは九尾仕様のアバターで長椅子に座りながら団子を食べていた。隣には見た目が猫になったアリンが一緒に団子を食べている。
「暇だな」
《まだ10分もたってないですよ。中ボスが討伐されるまでこのままです》
「ここまで何時間で来ると思う?」
《最低でも2時間くらいはかかるんじゃないですか?》
「それまでこのままか」
ミフネは9本の尻尾を動かしながら時間をつぶしていた。
最後の中ボスを倒すまでに2時間半かかった
《すべての中ボスが討伐されました》
《フィールドにボスが発生しました》




