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創造狐神の夢  作者: 桜氷
10/22

サービス開始2


視界が切り替わるとβテスト以上に賑わっていた。ミフネは腰につけていたお面を付けた。これからシン達との集合場所に向かうのだが人が多すぎる。チャットを開きシンに人が多すぎて動けないから少し時間がかかると送っておいた。

PTの誘いを躱しながらなんとか目的地に到着した。今回集合場所に選んだのは前回と同じ神殿前だ。ミフネは周りを見渡すとシン達をすぐに見つけ1度シン達の横を通り過ぎて神殿の中に入った。そしてユウキに今からシンをいじめるから手伝ってくれるようにチャットを送った。


ユウキ:いいですよ。でもどうするんですか?

ミフネ;今からそこに行くから、話を合わせてくれればいい

ユウキ:分かりました


固有スキルの【変化】を使った。

これは見た目を変えることができるというものだ。効果はそれだけだが、これを使うと別の種族の町にも簡単に入れるようになる。代わりに変化している間MPが1秒間に1ずつ減っていく。

ミフネの身長が120cmになり耳と尻尾が消え、髪の色が金色になった。

準備は整った。ミフネはお面を外しチュートリアルでもらった夜桜の着物に変更し帯にお面結び直しシンの方へ駆け寄った。


「お兄様あああああ!!!!」


シンの背中に抱き着いた。

周りにいたプレイヤー達がざわついた。


「シンさん....ロリコンだったんですね」

「ち、ちげーよ!てか誰だよお前」

ユウキは先ほどのチャットでこの小さい子がミフネだと気づきミフネに乗ってきた。


「お兄様が誘ってくださったのにひどいです!」

ミフネは顔を伏せた。


周りのプレイヤー達の殺気がシンを襲った。

状況がよくわかってないユウハとサユリはぽかんとしていた。


十分シンが戸惑う姿が見れたので満足したミフネは、


「本当にお忘れですか?」


帯に結んでいたお面を取り顔の前に持ってきた。


「お前まさかミフネか....」


「やっと思い出してくれましたか!時間がもったいないです!早く行きましょう!」


そろそろMPが尽きそうだったのでシンの手を引き酒場に入った。


「先輩大成功でしたね」

「ああ、シンのあんな顔みたの何年ぶりだろうか」


ミフネとユウキはハイタッチした。


「あ、そろそろ限界だ」

「何がですか?」


ミフネの背が伸び始め髪の色が変わり、耳と尾が生え始めた。


「何だそれ。てか人族じゃねえのか」

「誰も人族だなんて言ってないぞ。私の種族は妖狐だ。」

「聞いたことない種族ですね」

「存在はしていたぞ。お前たちが戦った九尾の種族も妖狐だったからな」

「彼奴に種族なんてあったのか。てことはお前今も9本あるのか」

「いや、今は1本だけだ。まだな」

「今後増えていくってことですか。増えると強くなるんですか?」

「分からない。私が追加した種族じゃないからな」


九尾の時にこの種族を作ったのはアリンだ。だからどう成長していくのかミフネにもわからない。もし九尾の時と同じようなものになるのであれば固有スキルが9個になるはずだ。設定では尾1本につき1つの能力を持っているということになっていた。


「やっと追いついた。あれ幼女がいなくなって美人がいる」

「確かに美人だがどこかで見たことがあるような」


サユリとユウハが復活して酒場にたどり着いた。ミフネの服は変化が解けたときに初期の装備に変えている。ユウハはこの姿をどこかで見たことがると言っているが実際見ているのだ。イベントの時空から見下ろされている状態で。


「二人共やっと来たか。」

「えっと....どちら様?」

「ミフネだ。訳あってアバターが女になっているがな」


2人はミフネをまじまじと見つめ、大笑いした。


「「あの仏頂面がこんな美女とかありえない」」

「仏頂面とは失礼な」

「いやミフネお前は基本かなり無愛想だぞ」


そんなことはないだろうとユウキの方を見るがユウキは苦笑いしていた。まさかアリンがイベントの時仮面をつけさせたのはミフネが仏頂面だからだろうか。自分では仮面の下で表情を作っていたつもりだったのだが自信がなくなってきた。ミフネはお面を装着した。


「ああ、折角の美人なのにもったいない!」


サユリは残念がっているが、お面をつけなければ物語に問題が起こるので基本素顔をさらすことはできないのだ。だが、そんなこと言えるはずもなく、


「この顔だといろいろトラブルに巻き込まれそうだから諦めてくれ」

「確かにナンパがひどそうですね。かなり美人でしたし」


なんとなく思いついた、言い訳をしてみるとユウキが乗ってくれたのでサユリはあきらめた。


「そんなことより、お前のせいで俺が幼女の敵みたいな事が掲示板に書き込まれてるんだが」

「クエストだったとでも書き込んでおけばいいんじゃないか?」


実際クエストだったのだからな。ミフネは妹神から逃げている創造神の設定だ。その創造神がプレイヤーに絡むというイベントの1つである。シンをいじめるためだけのために行ったことではないのである。1%くらいはイベントのためである。何が悲しくて私がシンに抱き着かなければいけないんだ。


「報酬としてこれをやろう」


ミフネはシンに向かって腕輪を投げた。これはこのクエストの報酬で守護のリングである。効果は防が1%上がるというもの。このクエストの報酬はプレイヤーのステータスによって変わる。シンの場合防が1番高いため守護のリングであったが力が1番高ければ力のリングだった。


「こんなの貰っていいのかよ」

「私には守護のリングは不要だからな」

「だけどよ」

「別にいらないなら返してくれてもいいがその場合シンがロリコンのままになるぞ」


シンは黙った。諦めて受け取るかこのままロリコンとしてこのゲームを続けていくか考えたシンは


「貰っておく。だがいつか何か返すからな」


イベントの報酬だから何もいらないのだが知らないシンは納得しないだろう。ミフネに罪悪感が襲う。シンはその場で腕だけ動かしていた。恐らく掲示板に報告しているのだろう。


「よし、これでいいな」


どうやら報告が終わったようだ。


「これからどうします?フィールド狩りしますか?」

「あ、行きたい!」

「だがミフネ先輩は生産職だろう?大丈夫なのか」

「此奴なら武器だけあればスキルなんてあってないようなもんだろ」

「いくら私でもスキルくらい使うぞ」


いくらミフネでもスキルなしで武器を扱うことはできない。このゲームは武器の専用スキルを未収得状態で武器を持つと武器の攻撃力はマイナスになってしまう。そのためミフネも【片手剣】は取っている。


「でもどこ行きます?南はβテスターでいっぱいでしょうし」

「なら北に行くか?俺たちはある程度アイテムを引き継げているから戦えなくはないだろう」

「夜になる前に帰ってくれば問題ないか」

「そういう問題ですか」

「私は何処でも構わないぞ」


5人は北に行くことにした。ミフネ以外は全員引き継ぎのためベータテストと同じだった。北のフィールドに着くと数PT狩りをしていた。βテスター達もいたが半分は新規プレイヤーだった。西辺りで相手が弱すぎて北に来たのだろうがその考えは間違っている。


「ありゃひどいな」

「北は他の方角とはレベルが全く違いますからね」

「初期装備で勝てるほど甘い場所じゃない」

「ですね」


お前たちも武器以外全部初期だろうに。ミフネに至っては効果のないお面しか引き継げていないのだが。


「もう少し奥に行こう」


少し奥に進み誰もいなくなったフィールドで狩りを開始した。奥に来た理由はできれば夜桜の着物姿を他のプレイヤーに見られたくはない。ただそれだけだ。

ミフネは装備を夜桜の着物に切り替えた。


「すげー派手だよなそれ」

「それに動くとき花びらが舞っててきれい」

「これはチュートリアル報酬だ。効果は経験値10%上昇」

「効果もすごいな。そしてミニなのにパンツが見えない」

「本当だな」


シンとユウハが下から覗こうとしていたが見えなかったそうだ。


「変態ですね。ミフネさんこの2人蹴り飛ばしていいと思いますよ」


サユリは二人をゴミでも見るような目で見ていた。


「蹴るのはいいんだが恐らく即死するぞ」

「そんなほっそい足でけられても死ぬわけないだろ」


いやミフネのステータスは最低でも最高レア度種族のステータスの80倍以上だ。そんなステータスでLv1のそれも初期装備のシン達を蹴り飛ばしたら助からないだろう。


「いいなら蹴ってやるが?」

「「ご褒美でしないわ」」

「遊んでないで早く狩りに行きますよ」


上位ゴブリンが2匹歩いているのをサユリが見つけた。ミフネはスキルが3つしか選べなかったので探知系のスキルを一切持っていない。


「俺たちを蹴りで殺せるくらいならミフネお前1匹やってくれ」

「1匹押し付けるのはいいが終わっても助けないからな」

「上等」

「危なくないですか?」

「ミフネならどうにかするだろ」



ミフネは4人から離れ近くに落ちていた石を片方のゴブリンに向けて投げた。ゴブリンがミフネに気付き片方から離れたのを確認してシン達はもう1匹のゴブリンと戦闘を始めた。


「どれくらいでやれるだろうか。とりあえず蹴ってみるか」


武器も抜かず立っているとゴブリンが武器を振りかざしてくる。それをミフネは武器ごと蹴った。だが流石に北のモンスターは今のミフネより力が上なため逆に吹き飛ばされた。ミフネはすぐに体勢を立て直し剣を抜いた。ゴブリンの攻撃をぎりぎりで避けつつ切り付けていく。武器が初期のため切れ味が悪く刃が通らないが鈍器として使えばミフネの力なら十分だった。10回ほど武器で殴ったところでゴブリン消滅した。


《レベルが上がりました》



一気にLv6まで上がった。


ミフネは剣を鞘にしまいシン達の方を見た。

シンがゴブリンのタゲを取り、サユリとユウハが横からヒット&アウェイを繰り返していた。

助けないと言ってしまったのでミフネは近くで草を【鑑定】しながら採取していった。採取を初めて30分ほど経過した頃シン達がゴブリンを倒したのが見えた。ミフネはシン達の方へ向かった。


「ミフネの方は余裕だったみたいだな」

「武器がこれなせいで少し時間がかかったがな」


ミフネは剣を抜きシン達に見せた。


「先輩は武器を引き継がなかったんですね」

「ああ、私が引き継いだのはこのお面だ」

「俺ならあの刀を引き継ぐけどなあ」

「あの刀は特殊なんだ」


シンの言う刀とはイベントの時ミフネが使ったオーラの出る刀だ。あれは九尾の固有スキルの1つであるため武器として引き継げないのだ。だが、Lvが上がり尾が増えれば使えるようになるかもしれない。


「尾が増えればその分スキルが増えていくからどこかで出るかもな」

「それだけ戦闘向けな種族なのにお前は生産に行くんだな。俺には理解できん」

「確かに生産にはいくが戦闘しないわけではない。最前線にはいくだろうな」

「そして最前線の素材でアイテムを作ると。生産職泣かせですね」

「私は一般販売はする予定ないからな。どこか街の端にでも店を構えるつもりだ。」

「先輩が武器や防具を作り始めたらやばい物作りそうですね」

「いや、私は武器や防具は作る予定はない。なにより武器のデザインは苦手だ。鍛冶はユウハに任せる」

「素材持ってきてくれるなら作るが、ミフネ先輩スキルで武器出せるならいらないんじゃないか」


βと正式で九尾の固有スキルが変わっているため確実に出るとは言い切れないのだ。アリンが作ったという隠しダンジョンのモンスターがスキル無効を持っている可能性も否定できない。その場合武器がなくなってしまうので通常の武器も必要なのだ。


「折角のこの世界に来たのに武器がずっと同じと言うのもつまらないだろう?」



そこで話を終わらせ、次のモンスターを探し始めた。数十m進むとウルフの群れがいた。サユリがウルフの群れに気付いた時にはウルフもこちらに気付いていたようすでに囲まれていた。


「こりゃちょっとまずいかもな」


流石に10匹を超えてくると今のPTでは対処できない。ミフネ達は撤退することにした。シンが敵のヘイトを稼ぎそのうちに足の遅いユウキ、ユウハが下がる。ユウキ達が十分下がったのを確認してミフネはシンとサユリを掴み、ユウキ達の方へ投げた。


「急に投げんな!」

「びっくりしたぁ」


シンの文句を無視してミフネはウルフに向けて【サンダー】と【アイスランス】を放った。集まっていたウルフにミフネの魔力で放たれた魔法が直撃しウルフは消滅した。ミフネは急いでシン達の場所に向かった。


《レベルが上がりました》



《進化条件をクリアしまた。これより進化が始まります》



シン達の前まで到着すると急に頭が割れるような頭痛が始まった。ミフネは立っていられなくなりその場に倒れた。急に苦しみ始めたシン達はまた何かの悪戯かと思ったが、ミフネが苦しみ始めてるとミフネのHPが少しずつ減り始めた。


「おい。大丈夫か!」


ミフネは返事する余裕はなかった。アリンが言っていた頭痛は精々偏頭痛くらいまでだろうと思っていたが実際になってみると偏頭痛のレベルを遥かに超えていた。ミフネが気を失いそうになるとなぜか意識が覚醒し痛みが襲ってくる。

ミフネの感覚で5時間ほど経過した頃痛みが引き始めた。


するとミフネの尾骨辺りから2本目の尾が生えてきた。


《新しい固有スキルを覚えました》


「やっと痛みが引いた。心配をかけてすまない」

「急に倒れるからびっくりしたじゃねぇか」

「本当ですよ。回復魔法を使ってもまったく効果でないですし」


事前に説明すればよかったとミフネは後悔した。ひどい頭痛とは聞いていたがまさかあそこまでとはミフネも思っておらずシン達に知らせていなかった。ミフネは倒れた理由とそうなった原因をシン達に話した。


「先輩...」

「まあお前が悪いから仕方ないな。頑張れ」

「さっきの苦しみ方を見るに相当AI達も怒ってるんでしょう」

「条件がクリアされると自動で進化するのは辛そうだ」



「流石に私は疲れた」


頭痛による精神的なダメージが大きすぎた。シン達はまだ狩りをするそうなのでミフネはシン達と別れて街に帰ることにした。帰る途中いくつか採取場所を見つけたが今のミフネに回収気力はなかった。街に入る前に装備を戻し門を潜った。北門から1人で帰ってきたミフネは目立っていたがミフネはそれを気にすることなくログアウトするため宿屋に向かった。βまでは何処でも安全にログアウトできたが、正式版からは宿屋や自宅でなければ安全にログアウトできない。外で寝る場合ログアウトするのには専用のテントと1分かかりその間動けない。そしてログインした際モンスターに囲まれている可能性があるのだ。そのためミフネは無理して街まで帰ってきたのだ。


宿屋に到着したミフネは受付に行った。

「一部屋借りたいんだが」

「一晩銅貨8枚です。食事つきだと銅貨10枚です」

「食事なしで1週間頼む」

「分かりました。部屋は207号室です」


ミフネは銅貨を56枚渡し部屋の鍵を受け取り2階に上がって行った。部屋に入るとベッドが1つと机と椅子があった。ミフネはベッドに入りすぐログアウトした。




このゲームの通貨は下から

銅貨 100枚で銀貨1枚

銀貨 100枚で金貨1枚

金貨 100枚で白金貨1枚

白金貨

銅貨1枚は日本円で100円くらいです



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