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逸材の生命  作者: 郁祈
第二章 破滅の逸材編
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不可視の攻撃

 「助けに行くと言ったな・・・・どうするつもりだ?」


 生徒会長は俺の意見に質問をしてくる。


 「俺が直接あそこに乗り込んで、叩きのめしてきます」


 「無論、いい案とは言える。お前の反射神経等は一度見ているからな」


 しかし生徒会長はメガネをクイッと上げ、


 「──しかし、今の状態ではいささか無理があろう」


 そう言った。


 「お前のその足、怪我をしているな?」


 「・・・お見通しですかい」


 「当たり前だ。お前の歩き方はどこかぎこちないところがあったからな」


 素晴らしい洞察力と言ったところか・・・・しかし、今はその洞察力はなくて欲しかったところだ。


 「ここは警察に任せるのが得策だろう。なにせ、一高校生の我々が手を出せるような相手ではない」


 「そうですけど・・・・」


 だけど俺はこれまでにこう言った犯罪者以上の相手と闘ってきた。だから今回も・・・


 「人質というものは実に厄介でな。言わばアレはハンデみたいなもの。人質が居る以上、身勝手に動くわけにはいかない」


 「随分と慎重な正確なんですね」


 「当たり前だ。私は勝算の高い方法しか考えない。それだけだ」


 確かに俺がいつも闘ってきた状況に一般人はいなかった。だけど今回は沢山の人質がいる。いつものように動き回ることはできない。

 

 だが、何か手があるはずだ・・・考えろ、考えるんだ。

 思考を巡らせ俺は考え出す。

 

 「さて、警察は動かない。お前ならどう動く、境川」


 俺は考えた末にたった一つの方法を考え出した。


 「──簡単ですよ。ぶち抜ける・・・ただそれだけです」


 「正面突破か。何度も言うが人質が殺されるリスクが高すぎる」


 「なら、"殺されなければ"どうってことないですよね」


 「やけに自信満々だな」


 会長は少し驚いた顔をしていた。


 「当然です」

 

 俺はそういい。入口の方へ歩きだした。



 「おい、お前何をしている」


 当然警察に止められてしまったが、


 「──すまないが行かせてやってくれ」


 会長が警察にそういった。


 「し、しかし・・・」


 警察が会長に気を取られている間に俺はダッシュで入口に向かって走り出した。


 「あっ、こら!!」


 警察の言葉を無視して、入口でなく、窓をぶち破り俺は店に入った。



 

 「なんだ!!?」


 勢いよく入ったため、俺はまだ姿を見られていない。


 「誰かが、この店内に入ったもよう」


 「なに、そこか!動くな!!動いたらこいつらを殺す」


 銃を人質の方に向ける。

 なるほど、俺が動いたら撃つってわけか。


 だが、俺は


 ヒュン──


 ピキ....



 ガシャン


 店内にいた《全員の銃を破壊した》


 「なに・・・!?」


 「これは・・・」


 強盗たちはいきなり銃が壊れたから驚いていた。


 

 「御神槌!!」


 すぐさまに楠が叫ぶ。


 「──まかしとけ・・・!」


 ニヤっと笑い、御神槌は拳を大きく振りかざし、強盗を殴りつけた。

 彼奴・・・普通に力があるんだな。


 あっという間に強盗たちは御神槌により、ボコボコにされ、警察の前まで突き出された。



 「しっかし、何をした。境川」


 店の外で御神槌が聞いてくる。


 「何って・・・何のことだ」


 「とぼけるなよ。お前が店に入ってきたのは理解できる。だが、"どうやって銃を破壊したんだ"」


 「何、お前そんなことを中でしていたのか」


 「(しょう)・・・それ本当なの?」


 命も生徒会長も御神槌の言葉に反応する。

 しまったな・・・やりすぎたか。


 「いくらお前が高速で動けたとしてもだ、あの数をいっぺんに壊すのは流石に人間離れしすぎだぜ」


 空気弾を飛ばすお前が何を言うか・・・。


 「確かに境川が人間離れしている身体能力なのはさっきのスーパーに入るときの走るスピードをみても頷ける」


 生徒会長が一人で感心している。


 「──だが、この御神槌が言うとおり、いっぺんに拳銃を破壊するというのは流石に無理があると思うが?」


 「"まるで時間でも止まっていたかのような"動きとも言えますね」

 

 「ッ・・・」


 楠が放った言葉に俺は凍りつく。


 「まさか・・・生、時間を・・・?」


 「いや、止めてないさ」


 「じゃあ何だってんだ!」


 「御神槌、静まりなさい」


 「お、おう・・・」


 時間停止、その力があればどんな相手にでも負けることはないだろう。

 だが、俺はそんな最強の力が使えるわけではない。


 「境川、まさかお前、あの一瞬で複数の対象を攻撃したというのか」


 「──流石は生徒会長、頭がいいですね。その通りです」


 俺が認めると、全員は驚いた顔をする。


 「馬鹿な・・・あの一瞬で散らばっていた強盗たちの銃だけを狙ったというのかよ」


 逸材者である御神槌でこの反応だ。常人なら絶対に出来ない芸当だ。


 「それを出来てしまう男・・・境川生」


 「すごい・・・凄いことじゃない生!」


 それぞれ意見は違っていたが皆俺のことを怖がるものはいなかった。

 

 「しかし腑に落ちませんね。なぜそのようなことができるというのに、御神槌と闘った時は何もしてこなかったんですか?」


 「確かにな。そんな上級な動きが出来んなら俺の空気弾だって容易く交わせただろうに」


 「──簡単に言ってくれるな」


 俺は汗を垂らしながら、動きのことについて語った。


 「あの動きは俺が事前に配置を確認し、的付したからできたことだ。しかも意識を周りに集中するから殴る威力は当然その対象の数で割られる」


 強盗は全部で5人だ。だから俺の力は5等分される。


 「あの時いた強盗は全部で五人だった・・・境川さんが殴る力は弱っくるしくなっている。銃を壊すので精一杯ということですね」


 楠が俺の言葉からさっきの状況を分析している。

 

 「つまり、一瞬じゃできないってこと?」


 命が首をかしげる。


 それに生徒会長は答えるかのように、


 「下準備が必要、というわけだな。あの時境川は店に入る前に、少し時間があった。その時に強盗の銃に的付をしていた。だから店内に入ったとき、一瞬で壊すことができた」


 「・・・じゃあ俺の空気弾の時は準備する時間がなかったってことか」


 それぞれが納得してくれたようで助かる。


 「にしても人間業ではないんだがな」


 クイッとメガネをあげる。


 「──遠くから周りを見渡せるその眼、御神槌と闘ったときには使用してませんでしたね」


 「ちっ、結局あんときは手を抜かれてたってわけかよ」


 「それでも貴方は力及ばずでしたけどね」


 クスクスと楠が笑う。


 「そういえば境川さん。貴方は遠くを見える眼をお持ちですが、それは未来とか見えたりしますか・・・?」


 「い、いや。俺が見えるのは3キロ先程度だけど、そんな時を越えることはできないぞ」


 「そうですか・・・」


 楠は何かを考えている。

 未来を見ることができる奴でも知り合いにいたのだろうか。


 「まあ、でも遠くを見ることができて、まとめて攻撃出来るだけで相当な逸材者ですよね」


 「よくわからないけど、まあいいか・・・ってあれ会長なんですその袋」


 気がついたら会長が袋を持っていた。


 「これか?丁度今買い物を済ませてきたところだ」


 いつ!?てか店この状態で再開してるのかよ・・・。


 「あーーー」


 命が思い出したかのように叫ぶ。


 「夕飯の買い物....」


 流石に店内はグチャグチャ、食品までは買うことはできないだろう・・・。


 「家にあまりもんでもあったかな」


 「いや・・・多分ないわ」


 「時間もあれだし、たまには外食するか?」


 命に提案をする。


 「生がいいなら・・・いいけど・・・」


 「なら、決まりだな」


 「おっ、なんだお前たちどっかで飯食うのか?」

 

 御神槌が反応してきた。


 「なら、私たちもついでに食事を済ませてしまいしょう」


 ついてくる気マンマンだな・・・・。


 「まあ、拒否はしないけどな」


 人が増えようと、こいつらは仲間だしな。


 「おっしゃ、そうと決まれば行くぞ、楠ぃ!」


 「会長はどうです?折角だし一緒に食べませんか?」


 一応会長にも聞いてみる。


 「いや、私は遠慮しておくよ。有難い話だったが、生憎今日はこれから用事があってね」


 「そうですか」


 「また機会があったら誘ってくれ。じゃあな」


 そう言って会長は去っていった。

 あの人いつも忙しいんだな。


 

 「おら、こねえとおいてくぞ」


 遠くから御神槌の声が聞こえる。っていつの間にか命も楠も行ってるじゃねえか。


 「ったく、置いてくなよ」


 俺はそう言いながら仲間のもとに歩くのだった。 

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