提案
「――逃すものか」
起き上がった紫翠は先ほどよりも鋭い何かを感じ取らせた。
「おいおい・・・アイツは不死身かよ」
織田樹からの提案で「弾丸」ではなく、「刀」放った。
倒せると言う確信はなかったが、大きなダメージを与えれることは明確だったので、今の紫翠を見て龍は驚いた。
「龍の攻撃を喰らい立ち上がるか・・・」
「だが、心臓を貫いたはずだ」
心臓を貫いて動ける人間などいやしない。稀に貫かれてから数秒は動ける人間もいるらしいが、今回のケースは違う。一回倒れたのだ。今の紫翠が最後の抵抗の動きには到底見えない。完璧に傷をなかったことにしたかのように、彼は立ち上がったのだ。
「なんにしてもだ・・・これはもう俺たちでは何もできないな」
そう言って伊吹は自分の腕を見る。
樹の刀を飛ばした不可で腕はボロボロ。もうしばらくは戦うことができない状態になっていた。
「となると接近戦か」
自分の腰にかけてある刀を抜き樹はそう言った。
「無茶だ!アイツの実力をみただろ。貫いても無駄なんだぜ」
御神槌は樹の行こうとする樹の前に立ちはだかり進行を妨げる。
「珍しく威勢がないな。お前もその程度というわけか」
「やめろ樹。彼奴が言っていることは正しい。言っても返り討ちにあうだけだ」
聞こうとしない樹に対して伊吹は叫び説得する。
だが、樹は聞こうともしなかった。
「・・・・俺だって勝算はない。」
手に持っている刀を握りしめ、樹は悔しそうな顔をする。
そうだ。樹は恨んでいた。紫翠に対抗できる力がないということに。
一時期は境川をも凌ぐ力を持っていたが、彼の進化に負け、今は離れてしまっている。そして、今回の敵。紫翠という逸材者が現れて樹は再び置いていかれた。
「くそ・・・どうしたら」
悔しかった。それは樹だけでなく、御神槌と伊吹も悔しそうな顔をしていた。
為す術もない現状が悔しかった。
「――なあ」
そんな中、御神槌が声をあげた。
「ここにいるのは狙撃の伊吹に魔王の織田・・・そして俺だ」
「何が言いたい」
「伊吹の腕はイカれちまったけどさ、三人でやってみないか?」
御神槌の提案は伊吹と樹が予想もしていないものだった・・・。




