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逸材の生命  作者: 郁祈
第六章 偽りの因果編
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提案


 「――逃すものか」


 起き上がった紫翠は先ほどよりも鋭い何かを感じ取らせた。



 






 「おいおい・・・アイツは不死身かよ」


 織田樹からの提案で「弾丸」ではなく、「刀」放った。

 倒せると言う確信はなかったが、大きなダメージを与えれることは明確だったので、今の紫翠を見て龍は驚いた。


 「龍の攻撃を喰らい立ち上がるか・・・」


 「だが、心臓を貫いたはずだ」


 心臓を貫いて動ける人間などいやしない。稀に貫かれてから数秒は動ける人間もいるらしいが、今回のケースは違う。一回倒れたのだ。今の紫翠が最後の抵抗の動きには到底見えない。完璧に傷をなかったことにしたかのように、彼は立ち上がったのだ。


 「なんにしてもだ・・・これはもう俺たちでは何もできないな」


 そう言って伊吹は自分の腕を見る。

 樹の刀を飛ばした不可で腕はボロボロ。もうしばらくは戦うことができない状態になっていた。


 「となると接近戦か」


 自分の腰にかけてある刀を抜き樹はそう言った。


 「無茶だ!アイツの実力をみただろ。貫いても無駄なんだぜ」


 御神槌は樹の行こうとする樹の前に立ちはだかり進行を妨げる。

 

 「珍しく威勢がないな。お前もその程度というわけか」


 「やめろ樹。彼奴が言っていることは正しい。言っても返り討ちにあうだけだ」


 聞こうとしない樹に対して伊吹は叫び説得する。

 だが、樹は聞こうともしなかった。


 「・・・・俺だって勝算はない。」


 手に持っている刀を握りしめ、樹は悔しそうな顔をする。

 そうだ。樹は恨んでいた。紫翠に対抗できる力がないということに。

 一時期は境川をも凌ぐ力を持っていたが、彼の進化に負け、今は離れてしまっている。そして、今回の敵。紫翠という逸材者が現れて樹は再び置いていかれた。

 

 「くそ・・・どうしたら」


 悔しかった。それは樹だけでなく、御神槌と伊吹も悔しそうな顔をしていた。

 為す術もない現状が悔しかった。


 「――なあ」


 そんな中、御神槌が声をあげた。


 「ここにいるのは狙撃の伊吹に魔王の織田・・・そして俺だ」

 

 「何が言いたい」


 「伊吹の腕はイカれちまったけどさ、三人でやってみないか?」


 御神槌の提案は伊吹と樹が予想もしていないものだった・・・。

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