過去の連携【その弐】
(弾丸…か。弾道からみるにして、発砲はかなり遠く・・・。なるほど、これも逸材か)
紫翠は手にしている弾丸を見て、そう判断した。
彼は逸材者と判断した。その正確な発砲からそう思った。
「しかし、生憎だったな。この一撃でオレを仕留められなかったのは大きいぞ」
そういい紫翠は”放たれた弾道”の方角に弾丸をスッとその方向に向けた。
「ッ・・・一体何を!」
「何をか。面白いことを言うのだな。弾丸をこのオレに対して放たれた。お返しは必要だろう?」
紫翠はさも当然のように告げた。
「お返しって・・・貴方相当壊れてるわね」
「そうだな。なら訂正しよう」
フッと紫翠はニヤリと微笑みこう言った。
「これは”お返し”ではなく”見本”だとな」
バァンッッ!!!
紫翠がそう言うと同時に弾丸は指から放たれた。
「・・・・!何かくる!」
樹は遠くから放たれた紫翠の攻撃にいち早く気が付いた。
「伏せろ!龍ッーー!!」
バッと樹は伊吹を押そうと手を伸ばす。
ブシュッッ・・・。
「なっ……」
放たれた弾丸は樹の腕を軽く貫いた。
「龍!!」
「ッ・・・気にするな。かすり傷だ」
「だが・・・」
「うろたえるな・・・お前はその一撃に集中しろ」
そういい樹は龍の手に持たれているブツをみる。
「・・・行けそうか?」
「分からない・・・。だが、もう少し時間をかければコントロールが効く」
「奴はこちらに気づいている。その存在に気づくのも時間の問題だろう」
龍の手に持たれているのは刀。そう樹は弾丸の一撃が通用しないことを予め知っており、この策を講じることを決めていた。
樹は境川と同じくして紫翠とジャンヌと対面している。その時にすでに感じていた。紫翠の圧倒的な圧力を、彼の才能を。
自分は強いと樹は理解している。あの最強と謳われた境川を追い詰めた数少ない人間、そして自分の能力を理解している。しかし、そんな樹がもし、あの対面した時に紫翠とやり合っていたら・・・それは彼自身にも予想はできないことだ。
(あの時オレは口では強がっていた・・・。だが、挑まなかった。このオレが・・・)
ホッとする反面、自分に怒りさえ感じたあの瞬間。樹にはそれが許せなかった。
「あの時の決着はここでつける・・・」
その最後の策とし、樹は過去に仲間であり再び仲間の一部になった龍と連携することを選んだ。
「な、なあ・・・刀を飛ばすだななんて行けるのか」
隣にいる男、御神槌はそう言った。
「普通の人間ならまず無理だな。だが、龍のコントロール力とあの驚異の弾道位置範囲は侮れない」
「・・・なるほどな」
「まあ、普通の人間はこんな発想にはいたらないだろうし、やろうと実行する覚悟すらない」
「これで奴を倒せるのか?」
「さあな。だが、弾丸より太く、鋭いこの刀ならいけるかもしれない」
「ッ・・・樹!」
突然伊吹が叫ぶ。
その瞬間だ。
ドンッッッ!!!
「「これは・・・!」」
遠くからの圧倒的なオーラ、そのふかれたオーラに三人は驚きを隠せなかった。
なぜなら、そのオーラの存在は・・・・。
「・・・・驚いたな」
紫翠はニヤリと笑う。
「埋まっていたか・・・・アメリカの才女」
圧倒的なオーラを出したのは生きていたルナのだ。
神無木との戦いで紫電を模倣し、そのせいで大きな攻撃を食らうことになったが、ルナは間一髪で防御に成功していた。
「はあ・・・はあ・・・はあ・・・」
「どうやらお疲れのようだな」
「誰よ、貴方」
「あいつは皇紫翠!!気をつけなさい!!生より厄介よ!!!」
神無木の言葉にルナは紫翠を見つめた。
「へえ・・・」
「眠っていれば巻き添いを防げたものを・・・」
「あら?負けるのは貴方よ、皇さん」




