過去の連携【その壱】
「皇…紫翠」
美月の視界に入ったのは明らかにやばい男の姿。
ルナとの交戦で大きな爆発を出してしまった。紫翠はそれを聞きつけてやってきたのだ。
周りを見渡す。・・・しかしルナと闘っていた場所には逃げ場はない。電弔を放ったせいで辺りの建物は粉々に砕けているのだ。
「・・・なるほど、似ているな」
「似ている?」
紫翠の不思議な言葉に美月はふと言葉を繰り返した。
「先ほど境川と闘ってきたが、やつもお前と同じで地形に視線をやっていた」
「まさか・・・生を倒したの!?」
「いや、残念なことに取り逃がしたよ」
美月はほっと胸をなでおろす。
「まあ、そんなことはひとまずいい・・・。今はお前を倒すことが先決のようだからな」
「…逃げることは不可能みたいね」
「そういうことだ」
紫翠がそう言い、攻撃の体制に入った瞬間だった。
「むっ──」
「・・・!」
突然 紫翠が美月の後ろ・・・果てしなく遠くを見つめた。
そして──
バシッ!!と片手で何かを掴み取った。
「・・・え?」
「これは・・・」
紫翠が手元に掴んだものをみつめる。
それは「弾丸」だった。遠くから紫翠を狙って放たれた一撃。
「ほぉ・・・お前たちの仲間は面白いやつらがいるみたいだな」
ニヤリと紫翠は笑いそう言った。
(弾丸・・・てことはっ!!)
バッと後ろに振り向き弾丸が飛んできた方向をみる。
遠くからの射撃、そんな芸当ができるのはたった一人。
ただの射撃なら一流のスナイパーやFBIなどでも可能。だが、この場は建物などが存在していない。
なら放たれた位置は遥か遠く。
“遠く”から狙い”正確”に放つ・・・その芸当は「二人」の存在を置いて他ならない。
──どんな位置からも狙える「伊吹龍」の能力。
──弾丸を遠くまで飛ばせる「御神槌忍」の芸当。
その二人の仕業だと美月は状況から判断を下した。
「どうだ伊吹、当たったか?」
御神槌は隣で立って遠くを見ている伊吹に話しかける。
美月の予測は当たり弾丸を飛ばしたのはこの二人の仕業だった。
「・・・いや、受け止められたな」
「馬鹿な!距離的に見抜けるはずがねえ!!!」
「どうやら俺たちが思っていたより奴は化け物だった・・・そう言う他あるまい」
「このままだと神無木がやられちまうじゃねえか」
「そうだな…。最悪そのケースは避けたい。神無木の実力は相当たるもの。ここで無くすわけにはいかない」
伊吹もどうにかしないとと感じているが、弾丸を見切られてしまった以上どうしようもないことで少し焦っていた。
「惨めだな。お前たち」
今まで言葉を発していなかった樹が言葉をだす。
「なんだと・・・?」
「落ち着け御神槌。・・・・どういう意味だ樹」
「言葉通りだ。弾丸一発でそう愚かな顔をするなといっているんだ」
「何か策でもあるのか・・・?」
樹は「フンッ」と言い手に持っている刀を鞘から抜きバッと伊吹に投げた。
「これは?」
「弾丸を放っても通用しないんだ。ならやることは一つだろ?」
その言葉に伊吹はハッとなる。
「…なるほどな」
かつては同じ部下という立場の二人には互いを認め合った特別な技が存在していた。
その攻撃を今、再び放とうとするのだった。




