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逸材の生命  作者: 郁祈
第六章 偽りの因果編
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いきなりかよ

 ついにやってきた決戦の日。

 俺たちは学園長に言われて指定された場所までやってきた。目の前には大きなドームのような会場がある。


 「大きいな」


 想像以上の建物の大きさに樹は驚いていた。


 「まさか日本にこれほどの建物があったとはね」


 同時に美月も同じような事を言っていた。


 「ここが・・・舞台か」


 周りを見渡すとチラホラ人が見受けられていた。参加する人か見物に来た人かは分からないが結構な人だった。

 

 「うぅ・・・緊張しくる」


 「大丈夫か?命」


 緊張している命にオレは優しく接する。

 そうすると命は笑顔で大丈夫と言ってきたのでオレはホッとした。


 「しかし、想像以上に人がいるな」


 「なんだ御神槌忍、ビビっているのか?」


 「なんだと織田・・・貴様」


 「お前ら少しは仲間意識をもてよ」


 御神槌と樹の言い争ういにオレは冷静に対処をする。

 とは言っても馴染めるかは正直不安だ。この場に集まているみんなは少なからず闘ったことのある人物ばかりだ。

 伊吹に樹、御神槌に美月。美月は師であるだけだが、再会の時に一度闘いをかわした。

 あの時は指を鳴らして何とか場を収めたが、美月の力はオレを超えている可能性も大きい。

 他にも遠距離戦ならオレは伊吹には遠く及ばないし力量だけなら御神槌には勝てないだろう。総合的に見ても樹は強かった。オレ一人では太刀打ちできないほどの逸材者だ。

 かつては敵だった奴らも今はこうして仲間にいる。それがオレには少しだけ誇らしかった。


 「ねえ生」


 「どうした命?」


 「このゲームって全国からやってくるんでしょ?だったら──」


 命の言いたいことは何かすぐにわかった。そうだ。オレはこの日を少しだけ楽しみにしていいた。

 "全国"からということは当然なことに彼女もこの場に来ているはずだ。

 今の俺の家族とも呼べる存在、リアに命・・・そしてかつて存在していたもうひとりの存在。

 

 「ルナ・・・」


 ルナ・ユーフラテス。アメリカの逸材者だ。過去にオレのもとに近づいてきた『他人の行動を真似する』模倣の逸材を持った才女。

 アメリカで別れをしたが、オレはさよならは言っていない。


 「来ているかもな」


 確信はないのでオレはそう答える。だけど会えるのなら会ってみたい・・・今一度。


 「ゲームは今から一時間後だ。それまでは各々のんびりしていてくれ。一時間後にこの場に集合、いいな?」


 大きなゲートを前にして会長はそう言った。


 

 オレは一時間何しようかと思ったが、ひとまずはルナが来ていないか命と探すことにした。


 「こんなことならリアも連れて来るべきだったか・・・?」


 「リアちゃん普通に来たがってたよね」


 「ああ・・・」


 リアは一応公にはできない。だからこの場には連れてくることはできなかった。


 「あら?貴方は・・・」


 そんな事を話していると目の前にはジャンヌと紫翠が立ちはだかっていた。


 「・・・・!」

 

 オレは紫翠の方をみる。


 「いい目つきだ。それがお前のフルパワーというわけか・・・」


 「正直アンタの力は計り知れていない。オレはいいぜ?ここでやりあっても」


 二人は睨み合い嫌悪な空気が流れている。


 「こら紫翠、こんなところでやりあってはなりませんわよ」


 「ジャンヌさん・・・」


 「境川くんはあくまでもKを倒した存在。何をするかは分かりませんよ。ゲームまで待ちなさい」


 「申し訳ありません、ジャンヌさん」


 「はしたないところを見せましたね。それでは本番で・・・」


 そういい二人は立ち去ってしまった。

 だけど分かったことはイタリアの選手はあの二人だけ・・・。それほどまでに強いというのか、あの二人は。


 「生・・・」


 心配そうに命がこちらを見てくる。

 さっきとは逆の立場。オレは大丈夫だと口にしたいが、奴らに勝てる保証がないのか緊張しているのか分からないが言葉を発することができなかった。

 




 



 結局ルナも見つかれないまま一時間が経過しそれぞれはゲートの前に集まった。


 「よし、全員いるな」

 

 全員が顔を見合わせていることを確認する。


 「このゲートは特殊な転送装置で作られている。つまりこの先は異世界とも呼ばるフィールドだ。作戦はさっき話したとおり。それぞれ頑張ってもらう」


 「っしゃぁ」


 「失敗はするなよ 龍」


 「お前こそな 樹」


 「では、行くぞ・・・!」


 会長の声の元オレたちはゲートを潜った。

 


 強い光で視界が見えなかったが、見えるようになった景色はどこかの街そのものだった。


 「これは・・・!」


 「なるほど、ビルが入り組んでいるな」


 「んじゃあ、後は作戦通りだな」


 そう言って御神槌はバッと走り去ってしまった。


 「ちぃ、あのやろう」


 樹はそれを追いかけるように向かう。

 そう作戦とは三手に分かれる作戦だ。御神槌と樹と伊吹、会長と美月、そしてオレと命の三手に分かれて行動する。

 この中で誰か一人が勝ち残っていれば勝利なので、お互いをフォローする形でオレたちは進行してく。

 

 各地で色々激しい物音がし始めた。どうやらバトルは既に始まっていたようだ。

 ゲートからの転送先は国によって異なるみたいだな。


 ──タッ。

 高いビルの上から華麗に人が落ちてくる。


 「いきなりかよ・・・」


 その人物はそう・・・紫翠だった。

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