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逸材の生命  作者: 郁祈
第六章 偽りの因果編
119/130

【幕間】不死と女性と紫翠

 ある男は日本のどこかで誕生した。

 なんの由緒正しい家計でもなく一般的な家庭で生まれた。

 ただ、違いがあるとすれば物心つく頃、その男は変化を見していた。

 

 ──傷の再生の速さ


 転んだ傷も、殴られた傷も全てが一瞬で完治してしまうようになっていた。

 周りからは化物だと恐れられる一方、憧れる反面もあった。

 男はそれでも変わらず生活を続け高校生になった。

 その時だった彼に大きな変化があったのは。

 高校を卒業しある道は進学、ある道は就職といった枝分かれを発生させる。

 そしてそれから十年。誰もは大人び成人となっている。だが、男は変わらなかった。高校を卒業するその姿、容姿が一八~一九そこそこの見た目をしていた。

 これは流石に親も驚異を覚えその男を外国の大きい病院で検査をさせることになった。

 その結果、男は非常に異例な細胞があるといわれ日本に帰ることはなかった。


 「───」



 男は彷徨った。色々と研究対象となり、それが判明したとたん捨てられた。

 イタリアの裏路地にトボトボと歩く。

 だがそんなところを一人で歩いていては非常に危険だった。

 でも男は殴られても殴られても死ぬことはない。そうそれはやがてこう呼ばれるようになった。


 『不死の逸材』──と


 永遠に死ぬことのない逸材。それがその男のもつ力だ。





 「貴方、面白いですわね」


 そんな男に光をもたらした人物は突然現れた。

 暗い道で野宿しようとしたその時、黒い車がキキィッっと止まり男のもとに一人の女性がやってくる。


 「なんか用か?」


 「ええ。貴方を拉致しに来ました」


 「・・・・は?」


 そう言われて男はグイっと腕を掴まれた。


 「ちょ、」


 「話は車で聞きますわ」


 そう言って半ば強引に男は車に乗せられてしまった。

 一時間くらい移動して連れてこられたのは大きな屋敷がある家だった。


 「ここ・・・アンタの家か?」


 「ええ。そうですわよ」


 「アンタも俺の力が目的ってわけか」


 「・・・・まあ一応は」


 「帰る」


 男は帰ろうとする。


 「貴方を助けに来た存在っていうのに帰るんですか?」


 「オレは人と接するのが苦手なんだ。むしろ信用できるかってんだ」


 当然だ。海外に無理やり連れてこさせられ挙句には捨てられた。そんな経験を持つ彼は人を信用することなどまず出来やしない。


 「・・・・・」


 女性は黙る。そして


 「──だったら信じてください」


 「お前な・・・」


 そう言って振り返った瞬間。

 ──スッ

 っと唇を奪われた。


 「っ!?!!?!?」


 男は何が起きているか分からなかった。

 暖かい温もりが伝わってくる。同時に彼女の鼓動も直で聞こえてきた。

 遠くで黒いスーツを来た人が「お嬢様!?」と驚きを隠せていない。

 

 「私の家ではキスをした殿方とは結ばれければいけない方針なんですよ」


 少しテレた顔で彼女はそう言った。


 「これで信用してもらえましたか?」


 「強引だな・・・」


 つまりは彼女は未来を捨ててオレを信用させた。結婚する相手にするはずのキスをオレにしてきたつまりはそういうことなのだ。


 「アンタ、名前は」


 「私?私はジャンヌ──"ジャンヌ・ダージックアスロック"です」


 「ジャンヌ・・・はぁ...変わった奴だな」


 「貴方は?」


 「俺に名前なんてないよ。とうの昔に忘れた」


 オレがそう言うとジャンヌは


 「なら私がつけてあげます」


 そう言ってんーーっとジャンヌは少しだけ考えて。


 「紫翠しすい


 「・・・?」


 「貴方の名前です。確か日本の方でしたよね」


 「ああ、そうだよ」


 「なら紫翠。それが貴方の名前です。そして私とともに貴方はこれからを生きるんですよ」


 ニッコリと笑顔でジャンヌはそう言った。

 



 それが紫翠とジャンヌの出会い。この時のジャンヌはどう思っていたのか分からないが紫翠はジャンヌに間違いなく救われた。

 彼女がいなければ紫翠はどんどん地に落ちていっただろう。彼を救うものは二度と出てこなかった。

 そんな彼女を心から慕うようにと紫翠は誓い行動している。

 それが紫翠にできる最大の恩返しなのだから。

【キャラ説明】

すめらぎ 紫翠しすい

性別:男

能力:「???」→「不死の逸材」

説明:──

容姿:──

学校:──

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