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ユメルサ~アイドルグループの正体はアナウンサー!?~  作者: ケンタシノリ
第1章 新人アナウンサーがアイドルグループを結成する
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第1話 3人の新人アナウンサー(4)

 「ご苦労さまでした!」

 生放送の番組が終わると、私たち3人は今まで緊張していたのがうそのように落ち着いていた。すると、崎本が私たちの前へやってきてこう伝えた。

 「今日の自己紹介、3人ともちゃんと伝わったと思うぞ。これからは、レポーターとして県内各地への取材を担当することになるから、よろしく頼むぞ!」

 「はい、分かりました! これから『シーサイド通り5番地』の一員としてしっかりがんばります!」

 私がいる港南放送は、ラジオ放送の他にテレビ放送も行うラジオ・テレビ兼営局である。そのため、アナウンサーはラジオ番組もテレビ番組も両方担当することが少なくない。また、番組を担当するだけでなく、テレビやラジオのニュース読みやCM読み、ナレーションと顔出しの有無を問わず、視聴者やリスナーに向けて正しい情報を伝えるのもアナウンサーの役割である。

 私たちがこれから担当する『シーサイド通り5番地』は夕方5時から45分間放送のローカルワイド番組であり、全国ニュースを挟んだ後に放送されるローカルニュース『RKNニュースロード』(RKNは港南放送の略称)とともにテレビの中核番組と位置付けられている。

 その番組に出演する曜日は、事前に番組ディレクターから私たち3人に伝えられていた。木曜日の担当になった私は、レポーターとしての取材が明日に控えているので、すぐにアナウンス部に戻って準備に取り掛かることにした。


 テレビやラジオに出演して華やかなイメージのあるアナウンサーだが、番組を円滑に進行するかどうかは事前の準備で90%決まるといわれている。私も、明日の取材先へ持っていく資料の整理と取材対象者への電話によるアポイントと準備に余念がない。

 「はい、では明日の午前10時にお会いすればいいんですね。はい、分かりました」

 相手方に取材の許可を電話でもらうと、取材に必要な各種資料やアクセント辞典などをカバンの中に入れようとしていたときだった。

 「和実ちゃん、レポーターとして明日取材に行くんでしょ。いろいろと大変だけど、大丈夫?」

 「大丈夫だよ。アナウンサーとしてはまだまだ未熟だけど、一生懸命がんばってみるからね」

 私のそばにやってきたのは、さっきテレビスタジオでそろって自己紹介していた加世とさゆ子である。加世もさゆ子も、私と同様に『シーサイド通り5番地』でレポーターを担当する仲間である。

 「和実ちゃん、この近くに感じのいい喫茶店があるの。これからいっしょに行かない?」

 「う~ん……。明日の取材の準備をしないといけないし、今夜は行けないわ。でも、木曜日のお昼だったら大丈夫だよ」

 「それなら、木曜日のお昼にその喫茶店へ行こうか!」

 3人は、意気投合して木曜日のお昼に喫茶店へ行くことを決めた。そこでの私の一言が、後に3人そろってアイドルグループとして活動するとは、そのときにはまだ夢にも思わなかった。

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