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ユメルサ~アイドルグループの正体はアナウンサー!?~  作者: ケンタシノリ
第1章 新人アナウンサーがアイドルグループを結成する
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第1話 3人の新人アナウンサー(2)

 第2小会議室へ入ると、私はすぐに椅子に座って業務日誌を机の上へ置いた。すると、隣に座った藤本が私に声をかけた。

 「反省会といっても、そんなに緊張しなくてもいいぞ。いきなり100点を目指すのではなくて、まずは70点を目指すことが大切だぞ」

 「藤本副部長みたいに、私も流ちょうなおしゃべりができるアナウンサーになるようにがんばります!」

 藤本からの励ましを受けて、私は誰からでも信頼されるアナウンサーになりたいと心の中で誓った。

 そうするうちに、ディレクターをはじめとするスタッフも集まるとすぐに今日の反省会に入った。すると、ディレクターの加村英広が単刀直入に厳しい指摘をしてきた。

 「本当は新人の前で言いたくないけど、肝心なところで声が詰まったらリスナーからの印象が悪くなるだろ! もうちょっとリスナーのことを考えようよ」

 私は加村からの指摘を聞きながら、業務日誌に今日の反省点を書き込んだ。私が担当しているラジオ番組にしても、リスナーが聴いてくれるからこそ番組が続くのである。

 そうは言っても、コーナーによって得手不得手があるのは確かである。とりわけ、「ひるいちクルージング」のような情報色の強い番組の場合にはそれがより顕著に現れるからなおさらである。もちろん、それを口に出して言い訳にするわけではないが。

 反省会が終わると、加村はメインパーソナリティの藤本に明日放送分の打ち合わせに入った。藤本は月曜から金曜まで「ひるいちクルージング」を毎日担当していることもあり、談笑しながらスムーズに打ち合わせを行っている。その間、私は業務日誌に書いた今日の反省点を再び目を通した。

 「それじゃあ、また明日も頼むよ」

 「明日もよろしくお願いしますね」

 2人はお互いに挨拶をかわすと、加村が一足先に小会議室から廊下のほうへ出た。藤本は、伝達事項を伝えるために私を呼んだ。

 「夢宮さん、これからテレビのほうにも出なければいけないでしょ。同期の新人2人も待っているかもしれないから、早くメイク室へ行かないと」

 「藤本副部長、分かりました! すぐにメイク室へ行きます!」

 私は藤本への挨拶もほどほどに、急いで小会議室からメイク室のほうへ向かった。メイク室は1階にあるので、ラジオスタジオや第2小会議室がある4階からエレベーターに乗って1階まで降りることにした。

 「テレビは、ラジオと違って身だしなみがすぐ分かってしまうわ。急いで身だしなみを整えないと」

 メイク室に入った私は、すぐに化粧品を出して自分の顔にメイクをし始めました。すると、私の両隣に同期の新人女性アナウンサー2人がそこにいた。

 「和実ちゃん、早くしないと。私たちの出番まであと15分しかないよ」

 「分かった、分かった! もうすぐ終わるから」

 同期のアナウンサーにせかされながら、私はメイクをしてから身だしなみを整えると、すぐにテレビスタジオの中へ入って行った。

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