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蓋は開かれる〈3〉

――このおうちのなかに、タクトお兄ちゃんがいるの?


――まっくろな、これ、どうやったらとれるのかな?


――えーと……。やっぱり、こういうときは――。



バース兄ちゃん!僕達も、悪者やっつけるから、タクトお兄ちゃんのところに連れていってっ!!!


「……元気いっぱいに、そう、言ってくれるのは、いいけど……。絆創膏と傷薬では済まない怪我をしてしまうから、よして―――」


バース、子供達を説得するものの、その、鋭く、なおかつ冷たい視線を一斉に浴び、苦笑をする。


「アルマ……交替だ」

「却下、だ」


困ったぞ……。と、バースは腕を組み、挙動不審の行動をひたすら繰り返していった。


「私には、目の敵みたいな接し方するくせに、小さい子には、怯むなんて――」


「……何だ?アネゴ」

バースの憔悴したような言葉に、キネは更に険相を剥け

「アルマ。この人本当に、あなた達のリーダーなの?」と、言う。

「一応、だ。話は変わるが、キネ、おまえも“力”は持っているのか?」


無いわ……。


首を横に振るキネに、アルマはため息をする。


「バンドが傷だらけが、気になったものだから、尋ねたのだが――」


俺がこいつを抱えて、此処まで飛んできてる間に、触っただの、エロバカだの、と、キーキー騒々しかった!


「あーっ!みんなまとめて、俺が何とかするから、さっさと、タクトのもとに行くぞっ!!!」


バースは、頭髪を掌で掻き回しながら、叫ぶと、一度静寂が訪れ、拍手喝采が直ぐに響き渡っていった。


「……俺が“同調の力”でタクトに呼び掛ける!」


――全員で、だ!


――お兄ちゃんの“光”と、僕達の“光”を 繋げようよ!


――こんな、真っ黒けっけを吹き飛ばすように、私達も一生懸命に、タクトさんに届けるの!


「おまえ達……其処までして、タクトに――」


――お兄ちゃん、絵本読んでくれた。


――肩車してもらった。


――トランプでピラミッド作ってくれた。


子供達は、次から次へと、タクトとの触れ合いの思い出を語り続ける。そして………。


「おとうさんとおかあさんを、なかよしこよしにしてくれた!」


「そうだったな……シーサ」

バースの掌、シーサへと伸び、柔らかさを含ませ、その頭髪を撫でていく。


「任せていいか?」と、バンドが訊く。


「ひょっとすれば、こいつらが変えてくれる……。俺達にはない“力”でな!」

バースはニヤリと歯を見せる。


「私は、足手まといになりそうね?」

キネは渋渋と、翻って、タッカを抱えるザンルへと靴を鳴らしかける。


カナコを守れ……。おまえが持つ〈情〉と、いう“力”を発動させるのだ!


キネは歩みを止め、アルマに振り返る。


「《友》への忠誠心……。紛れもなく“力”の源だ」

「……あなたが言うと、満更、出鱈目に聞こえないね?」


命が目の前で消える……。バースも含めて、私達は、幾度もそれに遭遇した、経験者だ!


アルマのか細い言葉と同時に、キネは漆黒の《闇》を見つめる。


「《これ》が終わったら、私も〈元の時〉に帰ることになりそう……」

「おまえがいた〈時〉はどんなところなのだ?」

「雑談する暇あるなら、急いでタクトを助けるわよ!」


キネの剣幕を、アルマは笑みを湛える。


バース、これで全員の呼吸が調った……。直ちに“力”を発動させる準備をしようではないか!


「あなた達……私を図ったの!」

「聞き捨てならないな?《闇》の好物は〈負の思考〉なのだ。一人でもそれを持っていれば、いくら俺達が“力”を使っても、掻き消されてしまう」


バースは深呼吸をすると、目尻を吊り上げ《闇》を凝視する。



繋げて、届けるぞ!



一同、手を取り合い“光”を輝かせ………《闇》へと解き放していった――――。

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